年の初めの


なんてこと無い一日の朝が来て 新しい年が始まりました。

すずめが次々に集まって 玄関のささやかな しめ縄の稲穂を
ついばんでいます。

内弁慶な うちのねこは 玄関扉の内側の灯油タンクの陰から
すりガラス越しに 覗き見て
きゅるる きゅるる 鳴いていたりしています。

お正月って何さ ねこが聞きます。

美味しい缶詰のごはん もらえる日だっていうんなら
クリスマスでも誰かの誕生日でもいいさ。
おめでとう、って言ってやるよ。  ねこがいいます。

今年もよろしくね、ねこに言い

それでも あちらこちらと出かけるので
お留守番させてしまいます。

ホントはひとりが好きなんじゃないかな
暗くても平気なんじゃないかな

それでも。

遅くに 家族が帰ってきたら
冷える玄関で いつからそこにいたのか 
ねこは待っていたような顔をして丸まっていて

ぞろぞろと部屋に入って 電気をつけたりなんぞしていると
早くからお皿にいれていったはずのフードを 今気づいたかのように
足元でかりかり食べ

家族がコートや荷物を片付けて
ほこほこ温もりだした一つ部屋で一息ついてたりしますと
いつの間に上がったのやら ソファーの背もたれの上
誰よりも高い特等の席で 何だかちょっと幸せそうに 
何だかちょっと偉そうに

うとうとうとうと 眠るのでした

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