いつからだろう。隙間が許せなかったのは。
絵を描いていた。
えをかいて色を塗る。
真っ白な空間なんて存在しない。私はすべてのスペース何らかの色を付ける。
みんなで絵を描いていた。隙間を作ったまま作業を終える彼女たち。とても満足そうにしている。私はそこを何らかの色で埋めたくなった。でも、彼女のエリアは触れない。そのとき、どうして全部埋めてしまうの?と聞かれた。
このとき初めて、隙間を作るということが完成をなすという概念をえた。
スケッチでもない、ペイント。
そこから自分はいつも何らかの空白を、隙間を、足りなさを埋める作業で必死だと気づいた。
絵を描いていて、空間を塗りつぶしたい。そういうとき、塗る。そして、いつかきっと、この隙間でもなんとなくいいと、受け入れるだけのスペースを自分に作ることができるはずだと信じて。
いつからだろう。隙間に我慢できなくなったのは。変な使命感を振りかざして埋めることで必死だった。
大きな画用紙の殴り書きを満足するだけ描いて散らかしたままどこかへ行ってしまう子どもたちは埋める作業なんか考えていない。そこにヒントがある。
子どもたちは私達にすごいことをいつも教えてくれているのだ。
あれから、少しづつ紙の中のスペースを見つめていても塗りつぶしたくなるような衝動はへってきた。
きっとそれは、自分を受け入れることを少しづつできるようになったことへの証明をどこかのだれかがしてくれているのだ。
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