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【詩】『家畜』

あたしは家畜だ 今気がついた

ごはんを食べて うんちもおしっこもして
食べた後は寝て 中途半端に散歩して
頭を働かせないで ぼんやりうすのろ息をして

公園のベンチに腰掛けながら
ようやく自分の身分に気がついた

あたしは家畜だ
自分の体を持て余しているのは 誰かに消費される為なのだ

だってそうでしょ
豚や牛があんなに貴いのは 命を削って 消費されていくからでしょう

あたしもそうなんだ
誰かに消費されて ようやく その命に意味があるはずなのよ
そうに違いない

だって

それが間違っていたらどうするの

自分の手には有り余った そんなあたしの命が燃え尽きて
誰も消費してくれなくて
値段もつかないから切り売りすらされなくて
虫がたかるだけの存在にまで落ちてしまったら

あたしはどうして生きてたの?

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