結婚指輪を失くした話①

ここ数年間、年末になると思い出すことがある。

2018年12月28日、結婚指輪を失くした。


結婚する時、指輪は別に要らないと言った。
でも、親からの勧めと、意外とロマンチストの夫の希望で指輪を買うことにした。

要らないと言ったものの指輪選びは楽しくて、とあるお店でビビッと来たものに決めた。
とても素敵な名前とコンセプトの結婚指輪で、同じ名前の婚約指輪と重ね付けできるデザインになっていた。
私の結婚指輪と婚約指輪を夫が、夫の結婚指輪を私が買った。

結婚指輪をしている医師もたくさんいるし、外科系だとネックレスに指輪を通して身につけてる人もいたが、私たちは2人とも

・失くしたり汚れたりするのが嫌
・衛生面が少し気になる
・結婚しているアピールは別にしなくていい

という考えのもと、指輪は普段はせず、箱にしまっておくことに決めていた。
(別に結婚指輪をしている人についてとやかく言う意図はなく、あくまでも私たちはこう決めた、というだけなので悪しからず)

なので、指輪を買ったところで日常生活に何か変化があるわけではなかったのだが、やはり結婚の証として指輪という分かりやすいアイテムがあるとテンションが上がるもので。
買ってもらって、ものすごく嬉しかった。
しばらくは無意味に箱から出しては指にはめてニヤニヤ眺めたりしていた。

普段は一切つけなかったが、イベントの時などにはつけていた。

失くしたのも忘年会の日だった。

初期研修の元同期たちとの忘年会。
3月に初期研修を修了し、4月から皆それぞれの道に進み、なかなか会えなくなった。
元同期たちに久しぶりに会えるのが楽しみだった。

それだけでなく、この日は特別だった。
3ヶ月の出向研修の最終日だった。
解放感に満ちあふれていた。
もう、あの場所に行かなくていいんだ!年明けから元の職場に戻れるんだ!と。
仕事納めして、ウキウキで家に帰って忘年会に行く支度をした。

せっかくだから、と結婚指輪の箱を開け、左手の薬指にはめた時、ぎょっとした。
ピッタリだったはずの結婚指輪が、ブカブカになっていた。
第2間節も余裕ですり抜け、油断していると自然落下してしまうほどに。
3、4ヶ月前につけた時は、こんなではなかった。
思い当たる節はあった。
10月〜12月の出向研修の間に体重が落ち、指まで痩せてしまったのだ。

多分続く

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note、初めて書いてみました。

kindle作家としては「ナズナ」という名前で活動していますが、
アメブロもやっていて、そちらは「ラン」という名前で主に不妊治療や育児について綴っています。

「ナズナ」になるずっと前から「ラン」としてブログを書いて来ました。

不妊治療開始とほぼ同時期、2019年からアメブロを始め、幸いなことに不妊治療がうまく行って2021年12月に息子を出産した後、産後うつ対策でXを始めたのです。

そして色々あり、Xアカウント名と同じ「ナズナ」という名前で2023/11/1にkindle作家デビューしました。

なぜアメブロという長文を書ける場が他にあるのに、noteでこんなものを書き始めたのかというと、

・皆がやってるnoteというものがどんなものか、自分でも一回やってみたくなった(土佐日記的な)
・いつもは「ラン」として書いてるブログ記事を「ラン」以外の自分が書いたらどうなるか興味があった
・「自分の」文章を書くリハビリも兼ねて

といったところです。

アメブロも好きに楽しく書いていますが、どうしても長くやっていると「ラン」という枠にハマって書いているような気分になることがあります。

多重人格じゃないけど、「ラン」という人格で書いているような。

あと、不妊治療はセンシティブな話題なので、結構気を遣って書いてきました。

一度そういった枠から外れて書いてみたらどうなるかな、と思ったのがきっかけです。

今回は「自分の」文章を書くリハビリとしての意味合いが強いので、ブログというよりエッセイに近いものになりましたが。

今、自分の作品執筆は少しお休みしています。

リハビリとして書いてみて、「だ、である調ならちゃんと自分の文章が書ける」というのが分かって良かったです。

書くネタとして、私の5年前のやらかし、「結婚指輪を失くした話」を選びました。

アメブロでも書いたことのない、リアルでもあまり人に話していないネタです。

大した話ではありませんが、気の向いた時にでもゆっくり書き溜めて更新していこうと思います。


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