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風景を守るべく作られた「Nazuna 飫肥 城下町温泉」。展望サウナで美しさを体感して【Nazuna宿紹介 vol.04】

宮崎県日南市にあるNazuna 飫肥 城下町温泉は、京都以外で唯一となるNazunaブランドの宿泊施設です。

2024年1月に「城下町展望サウナ」が新オープンするNazuna 飫肥 城下町温泉。なぜこの土地でオープンしようと決めたのか?このお宿ならではのポイントなど、Nazuna代表の大門さんに話をうかがいました。

大門真悟/OKADO SHINGO
滋賀県出身。関西大学システム理工学部3年の時に、1年間休学し単身ベトナムへ渡り「居酒屋やんちゃ」の立ち上げを経験。卒業後は商社へ就職し、その後2014年にインバウンドの旅行事業を開始。2018年に現在の株式会社Nazunaを設立し、現在4つの旅館と8つの一棟貸しの宿を運営している。


「この町をどうにか守りたい」のおせっかい

――京都以外でNazunaシリーズを展開するにあたって、宮崎県、なかでも宮崎市や日南市の都心部ではなく飫肥が選ばれたのはなぜなのでしょうか?

じつは元々、日南市すらよく知りませんでした。ましてや飫肥というエリアはなおさらです。

当時、仲のいい友人の株式会社Kirakuのサンドバーグさんが、飫肥に2棟の町家を運営していました(現在はNazunaの一部株主となっています)。僕はユニークな宿つくりをしたい思いが強く、「飫肥ならお城を宿にできるかも」と聞いて視察に行ったのがはじまりです。

飫肥城跡

飫肥は九州で初めて「伝統的建造物群保存地区」に選ばれたこともあり、城下町の街並みがそのまま残っていました。ふだん京都にいる僕は、正直京都よりも日本らしさが残っていると感じましたね。

城下町として美しい町並みが残る飫肥

そして、何よりも感動したのはそこにいる人たちでした。飫肥では知らない人への挨拶が当たり前です。飫肥城内にある小学校から下校してくる小学生たちみんなが、すれ違いざま僕に挨拶をしてくれました。

――昨年私も飫肥に行きましたが、建物、自然、どこを見ても美しい土地でした。そして本当に、子どもたちが当たり前に「こんにちは~」と声をかけてくれますよね!

そうなんです。田舎育ちの僕はすごく懐かしい気持ちになって……同時にこんな風景が少子高齢化によって廃れていく危機感を感じたんです。こんな素敵な町をどうにか守りたい。そういうおせっかいな気持ちから出店を決めました。


日南らしさを感じられる宿に

――Nazuna 飫肥 城下町温泉は、築140年以上の武家屋敷を改装して作られたとのことですが、京町家を使った旅館とのちがいはどこにありますか?

Nazuna 飫肥 城下町温泉は、元々、藩の藩医である小鹿倉さんという方のご自宅だった武家屋敷を改修して作られました。⺟屋 (約350㎡)と離れの納屋 (約45㎡)をつかった、全5室の旅館です。

Nazuna 飫肥 城下町温泉

京町家を使った旅館との違いは、石垣、天井の高さ、庭のつくりですね。武家屋敷は敵から攻撃を守るために高い石垣があり、石垣の上にはお茶を植える文化があります。また剣を振り回せないように、建物内の高さは通常より低く設定されています。

そして庭は南国の植物を使ってつくられているため、ほかの日本庭園とは少し変わった坪庭になっています。

――伝統家屋と南国風の景色が違和感なくまざりあって、不思議に落ち着く空間ですよね。客室にはどのようなポイントがありますか?

お客様に日南・飫肥らしさを感じていただきたく、地域にちなんだものを各部屋のコンセプトとしてデザインしています。せっかくなので5室すべてご紹介しますね。

◆HONMURASAKI

飫肥のシンボルカラーである紫を基調にした客室です。趣ある庭を眺めながら外湯と内湯を堪能していただけます。

小鹿倉邸 本紫【ラグジュアリー】

◆KOKE

飫肥の美しい風景に欠かせない「苔」をテーマにしたお部屋です。客室内にも大型の苔テラリウムを設えています。

小鹿倉邸 苔【ラグジュアリー】

◆SUGI

飫肥の産業を支えてきた「飫肥杉」という木をモチーフにしたお部屋。ここには石垣の風光と、ドリンクを楽しめるバーカウンターを完備しています。

小鹿倉邸 杉【デラックス】

◆CHABOKU

飫肥の町並みを彩るお茶の木の生垣をイメージしています。当時の間取りを活かした、隠れ処のような空間が魅力の客室です。

小鹿倉邸 茶木【デラックス】

◆DAIDAI

日南市の特産品である柑橘種をモチーフに、橙色を基調とした空間と坪庭に面する露天風呂を設えたお部屋です。

小鹿倉邸 橙 【デラックス】

各部屋が武家屋敷の間取りをそのまま活用しているため、つくりが全く異なります。何度来ていただいてもきっと楽しんでいただけると思います。


「城下町展望サウナ」で飫肥の風景を堪能

――どのお部屋も、日南・飫肥の風景への愛を感じますね。2024年1月下旬、さらに飫肥愛の詰まった新施設ができるとのことですが、詳しく教えていただけますか?

はい!2024年1月下旬から「城下町展望サウナ」がオープンします。このサウナのととのい場所では城下町を一望できるんです。

――うわあ、すごい!町歩きとはまた違った角度で、飫肥の町並みを楽しむことができるんですね。

そうなんです。「城下町展望サウナ」はご宿泊者様限定の施設で、利用料はご宿泊料金の中に含まれています。1枠2時間までお使いいただけますのでぜひ体験してみてくださいね。

薪でサウナを楽しめるのも魅力

食べるものも、地元食材をふんだんに

――その他にも、Nazuna 飫肥 城下町温泉ならではのポイントがあれば教えてください。

そうですね、まず各部屋のお風呂は温泉を使用しています。温泉は北郷から運送していて、美人の湯といわれお肌が本当つるつるになるので、何度も浸かっていただきたいです。

またウェルカムサービスでは、地元飫肥の洋菓子と名物をふんだんに詰め込んだ「和のアフタヌーンティー」を提供しています。見た目の可愛さとボリュームに感動いただけると思います!

――えっ、ウェルカムサービスでアフタヌーンティーですか?聞いたことがないくらいの大盤振る舞いです!Nazuna 飫肥 城下町温泉でのお食事は、どんなものが楽しめますか?

夕食では、宮崎県南の高級地鶏「地頭鶏(じとっこ)」を味わうことができます。地頭鶏は規格が大変厳しく、また希少種であることから「幻の鶏」と称されています。

幻の鶏【地頭鶏(じとっこ)】堪能コース

また朝食は、お出汁とお茶で楽しんでいただくお茶漬けをご用意しています。きれいに盛り付けられた日南料理とともに楽しんでいただきます。

地元食材にこだわった特製お茶漬け朝食

――私も昨年、Nazuna 飫肥 城下町温泉に宿泊したときに地頭鶏やお茶漬けをいただきましたが、今も忘れられないくらいおいしかったです。

ありがとうございます。特に日南の地頭鶏は、肉質が柔らかく深みのある味わいが特徴で、本当においしいのでぜひ味わっていただきたいです!


町歩きもおこもりも楽しいお宿

――飫肥城下町の周辺でおすすめのスポット、食べてほしいご当地グルメなどがあれば教えてください。

飫肥城の苔に囲まれた杉の大木はぜひ見てほしいですね。特におすすめなのは早朝。朝日とあいまってとても神秘的な空間になります。

飫肥杉

グルメでは、大きな武家屋敷でいただく「服部亭」のランチがおすすめです。雰囲気も料理も満足いただけると思います。鶏と海鮮は、どのお店で食べてもおいしいですよ!

――そのほか、Nazuna 飫肥 城下町温泉はどのような利用がおすすめですか?

カップルにおこもりで使っていただくのもおすすめです。部屋でゆっくり過ごして、たまに城下町をお散歩したり、お部屋の温泉に浸かったり。時間を忘れて過ごしていただきたいですね。

宿のまわりをちょっと歩くだけでもおもしろいと思います。まず宿を取り囲む石垣が圧巻。その石垣下の川には色鮮やかな鯉を放流しており、石垣と鯉のコントラストが素敵なんです。

また、宿の入口には大きな石があり、その中でメダカを飼育しています。もちろん台風や大雨にはしっかり避難させています(笑)。

――お、メダカにも注目してみます!(笑)最後に、Nazuna 飫肥 城下町温泉のお客様にメッセージがあればお願いします。

ここは時間を忘れてゆっくりと過ごすことができる町、施設です。疲れたときに飫肥に来て活力をつけてほしいですね。

――飫肥の風景にも、Nazuna 飫肥 城下町温泉のお部屋やサービスにも魅力が詰まっていて、私ももう一度行きたくなりました!本日はありがとうございました。

ありがとうございました。またお待ちしています!


「Nazuna 飫肥 城下町温泉」について

〒889-2535 宮崎県日南市飫肥8丁目1-62
Tel: 0987-27-3171 | Fax: 0987-27-3172
Email: obi@nazuna.co

ご予約はこちらから


取材・執筆:サトーカンナ
生活や散歩、漫画のことなどをすきに書いています。「ebookjapan」「サンポー」「さんたつ」などに寄稿。
Twitter:https://twitter.com/umaicupcakes
note:https://note.com/milkcupcakes


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