四季島が私に教えてくれたこと(8割まで無料で読めます)

2021年の4月だったか、5月だったか、何回目の緊急事態宣言だったかも忘れたけど、都内の施設は閉まってしまってどこにも行き場がない中、ふと鉄道博物館を見たら開いているとのことで、家族4人で行ってきました。

その半年ほど前にも行ったのですが、そのときは、まだコロナの対策ってよくわからないからとりあえず全部の体験アトラクションを閉めます、という状態だったのが、この半年の間にいろいろと工夫されていて、抽選式などを取り入れつつ、半分くらいのシミュレーターが体験できるようになっていました。

さらには、ジェルキャンドル作りのワークショップも。こちらは放送が始まったばかりのシンカリオンZとのコラボもあり、4歳の長男はぜひやりたいとのこと。1コ300円もするパーツを3個、さらに400円するシンカリオンのプレートも入れ、器・ジェル代1100円の小さい容器の方を選び、中に綺麗に並べて立派なキャンドルを一緒に作り上げました。合計で消費税込2640円のワークショップ代。お財布には痛いところですが、いい思い出となりました。

ちなみにこんなにケチケチとした構成にしてたのは我が家だけ。周りの参加者を見ると、300円やそれ以上するパーツを何個も入れ込み、器も大きくておまけに蓋が光るという高い容器を選んでいる人ばかりでした。

そんなこんなで過ごすうち、予想以上に長時間滞在することに。館内から小さなこども連れの姿がだいぶ減った頃、D51のシミュレーター体験を終えた私たちにお姉さんが「まだ内緒ですが、このあと四季島が通りますよ」と教えてくれました。

四季島といえば夫婦で一泊100万円くらいする超豪華列車です。我々一家はYoutubeで鈴川絢子さんが乗っているのを見て、値段を調べひっくりかえった思い出くらいしか縁のない電車です。

もうここまで遅くなったんだからいっそ四季島を見てから帰ろうよ、ということになり南館へ。こちらには実物代の新幹線はやぶさが展示してあったり、QRコード付きのカードを使って自分のアバターを作り、館内にある映像の中に自分のアバターを登場させつつクイズに挑戦したりできる施設があります。本館と比べるとちょっと未来な感じです。

そこで長男が私のアバターを変な顔や服装にして遊んでいる間にいよいよ四季島の通過する時間になりました。

鉄道博物館内にはアナウンスが流れ、スタッフの方が四季島のロゴが印刷された旗を配ってきてくれます。お子様ひとりに一本ずつとのこでしたが、まだ1歳の次男の分は私が振ることに。

閉館間際の館内に残った、少ない家族連れが窓に張り付いて待つ中、ついに四季島がやってきました。四季島の方もちゃんとわかっていて、鉄島博物館前はスピードを落としてゆっくりと通過していきました。

私たちは必死に旗を振ります。車窓からは手を振りかえしてくれます。一泊100万円を払っているセレブたちが。

線路までは50~100mくらいあったでしょうか。セレブたちの姿はなんとか手を振ってくれてるのがわかる程度に見える程度です。

それでも、伝わってきました。

溢れる気品が。

100万円はなんとか捻出したのではなく、それくらいを簡単に出せる金銭感覚の中で生きている人々の「余裕」が。

ゆっくり走ってくれてるとはいえ通過にかかったのは1分くらいだったでしょうか。その間に旗を振りながら私の中でフツフツと湧き上がってくる衝動がありました。

お金がほしい。

この頃、実はいい仕事があまりありませんでした。どうやったらもっと仕事と自分の好きなことを近づけられるかを悩んでいた時期でした。そのために家族にがまんしてもらわなきゃいけないのかな。いやいや、そもそも家族を養うのが結構辛いな。そんなことを考えながらの鉄博行きでした。鉄博なら入場料以外そんなにお金かからないし、お昼ご飯も家で握ってきたおにぎりで済ませば安上がり、と思っていたところでジェルキャンドルのワークショップ代2640円はかなり辛かった。

そんなふうにお金にずっと悩んでいた私の中の何かが、四季島の通過に必死に旗を振りながらはじけていきました。

お金、稼がなきゃ。

それまでなんとなく、好きじゃない仕事はしたくない。新しい挑戦をするのにも今現在の稼ぎがないのに?など消極的になっていた自分が変わった瞬間でした。

帰路の車内、何度もお金、お金、やっぱりお金なんだ!!!と心の中で繰り返しながら帰宅しました。

そして休み明けからは湧き上がってきた衝動に従って、さっそくお金を稼いだ、というわけではなく、新しいソフトに挑戦したり、ノロノロと描いていたカメ吉ブログのイラスト更新を熱心に進めるようにしたり、とにかく「準備」に励むようになりました。

今すぐお金稼げてない!でもお金を稼ぐのは大切!それはわかったから今できることをやる!!!

そんな感じで日々を過ごすうち、「#あちこちのすずさん」のお話しをいただき、描き溜めていたカメ吉ブログのイラストをプロデューサーさんにすぐお見せすることができ、さらに勉強し始めた新しいソフトで、納得の表現でアニメーションを完成させることができました。

あの時、四季島を見られて本当によかったと思います。



この先は現状について書いています。書いておきたかったので書きましたが、特にたくさんの人に見てもらうべきことではないので有料にしました。払ってまで見たい方はいない、と思うし、お金を払って読む価値はないと思う…。

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