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22 Spring/Summer collection "pause," collection statement

pause(En); 立ち止まる、思案する、続ける


22SS コレクションを構築していた間ずっとこころにあったこと、それは、装うことは、ますます、自分のためがいいなと思う気持ちでした。

見られるため、 認められるため、場所のため、という対外的な認識を誘発する装いより前に、自分の時間を生きるため、自分を大切にするために装う。
その気持ちから一番大切にしたいと思ったことは、服との至近距離での対話です。
素材をより作り込み、装うことで満たされ る気持ちを届けたい。ディテールに遊びを施して、着ることがより何倍にも楽しめる服をデザインしたい。 他人の目に 映る良さよりまず先に、着ている人がその目でうっとりできること。近い距離で愛でることが気持ちの良い素材、遊べるディテール、 そしてそれを最大限に引き出すシルエットを目指しました。

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デザイナーの地元、尾州産地で編まれたラッセル素材は、幾重にも重なる縦と横の糸により紡がれた編み地が心地よい重み と繊細な陰影、たしかな張り感を届けます。
いまも毎日、歴史を繋げるように、選ばれた色に染めた糸で必要な量だけ編まれるオリ ジナル素材。そしてそこからから産まれる服には、サスティナブルや SDGS といった動きの根底にある”選んだものを大切に長く着る” が息づいていると感じます。 

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コットンのシャンブレーツイルは、ナイロンとコットンの染め分けによるシャンブレーの光 沢が美しい素材。動くたびに目に映る心地よいきらめきは、所作に輝きと軽やかさを添えてくれます。 

オリジナルプリントの モチーフは、普遍的なチェックをストライプ状に変形させたもの。サッカー素材へプリントすることで、プリントの線と素材がもつ 小さな凹凸が紡ぐ表情をデザインしました。柔らかなストレッチと、パサっとした肌触りが軽快なシルエットを作ります。

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シルエットは自然と、普段よりもより柔らかく、たっぷりと素材をつかったものになりました。
ギャザーで寄せられた生地 の陰影や、ワイドなシルエットのボトムスからうまれる揺れる生地と音。ストレートで立体的な tactor 特有のシルエットは変わらずに、 加えて、十分な分量の素材につつまれる充足感ある着心地を目指しています。
tactor がウエストをきつくマークしたシル エットに傾倒しないのは、日本人にはふわっとしたシルエットのレイヤードスタイルが一番似合うという気持ちからです。海外の方 とは違うわたしたちの個性を、一番魅力的に見せるバランスだと考えます。

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早いスピードで変わり続ける世界からは少し離れ、装う喜びを改めて楽しんでもらいたい。他の人の目にむけた装いより、 まずは自分が主役の自分の毎日のために。
 一度止まった世界がまた動き出す頃、暖かい気候とともに訪れる新しい 毎日をつつむのは、こんな少し落ち着いたトーンの服たちであったら気後れせずいいなと思いながら作りました。

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何より、服と、着る人との関係性が、ますます近くそして楽しくなる服が届けられたら良いと思っています。

tactor デザイナー 山本奈由子



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