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『コンセプトのつくりかた』を読んだ

玉木慎一郎著の『コンセプトのつくりかた』を読みました。

前職でおすすめされたため購入し、手に入れてすぐに一度読みました。そのときも良い学びを得られましたが、前職では実践する場がなかったため、その後は本棚に眠っていました。

ちょうど今、現職でブランドコンセプトを再定義しようと取り組んでいて、この本が役に立ちそうだったのでもう一度読むことにしました。

読む上での目的

ブランドコンセプトの再定義をするため、ワークショップの進め方や、コンセプトの必要性などについてプロジェクトメンバーに説明ができるようになる。

ビフォー

  • ブランドコンセプトの重要性はわかってはいるものの、「何故」の部分が説明できない。

  • ワークショップの進め方がわからない。

気づき1

コンセプトは世界を良くすると同時に、あなたがしあわせに生きられる方法。

玉木慎一郎著, 『コンセプトをつくる』(ダイヤモンド社)

コンセプトをつくろうと考えている人は、いいものがつくりたいと思っているはず。私もそうです。

「何故いいものが作りたいのか」ともう少し深堀りして考えてみると、世界に良い変化を起こすことによって、自分に良い変化が起こるはずだからです。

良い変化とは「このコンセプトの商品を出せば会社の売上はのびる!」「このコンセプトどおりに進められれば給料が上がる!」といったようなものです。

つまりコンセプトを探すということは、自分がしあわせに生きられる方法を探すということでもあるのです。

私は現在社内でコンセプトワークを進めていますが、コンセプトが固まった先に想像する未来には必ず私とチームメンバーがいて、楽しそうに仕事をしています。

コンセプトが最終的には自分たちの未来に影響すると知ることで、コンセプトワークにより取り組みやすくなりました。

気づき2

コンセプトは、未知の良さに形を与えたもの。

玉木慎一郎著, 『コンセプトをつくる』(ダイヤモンド社)

本書では「良さ」は2種類あると述べられています。1つは「既知の良さ」、もう1つは「未知の良さ」です。

「既知の良さ」とはスピードや価格など、無限のリソース(資金や人)があれば必ず勝てるし、追いつけるであろうものです。
ただし私たちには当然ながら無限のリソースなどないので、そこで勝負していると他社にも容易に追いつかれ、ましてや大企業が参入してきた日には一瞬で負けてしまいます。

一方「未知の良さ」とは、なんとも言葉にしがたいが、なんか良い、といったものです。言葉にできないので、たとえ無限のリソースがあろうとも追いつくことはできません。

私たちはこの「未知の良さ」を探すべきです。それが、コンセプトになります。

私はスターバックスが好きです。タリーズよりもドトールよりも、スターバックスが好きです。

味も提供スピードも違いはわからないのに何故かスターバックスを選んでしまうのは、やっぱりスターバックスの「サードプレイス」というコンセプトが「未知の良さ」だったからなんだろうなあ、と思ったりします。

気づき3

コンセプトは、アイテムの集合体によって伝えられる。

玉木慎一郎著, 『コンセプトをつくる』(ダイヤモンド社)

コンセプトは、それが決定したあとに他人に説明しなければなりません。そのために必要なのが、アイテムです。

本書では例として桃太郎の話が出ています。

桃太郎の世界に転生し「鬼ヶ島に行って鬼を倒しに行こうぜ!」と言われてもすぐには「うん」と言えません。
しかし「犬、猿、雉にきびだんごをあげて仲間になってもらう。そうすれば勝てるはずだから鬼を倒しに行こうぜ!」と言われたら「まぁ行ってもいいか…」という気持ちになる。

アイテムとは犬、猿、雉、きびだんごのことです。

コンセプトワークを進めながら、達成するためのアイテムも集めることで、コンセプトが決まったあとのプレゼンテーションで上手く説明できるはずです。

ワークショップの進め方

ここには書きませんが、本書では具体的なワークショップの進め方も紹介されています。

私は実際にワークショップを進めている最中なのですが、メンバーからたくさんの意見が出て、figjamの画面が付箋でいっぱいになり、アイテムがどんどん集まってきています。

本書を参考に、意見を広げたり深めたりする質問をすることで、また新たな意見が発見できるのはとても面白い体験です。

ToDo

  • 結果が出るまで不安でも、メンバーを励ましながらコンセプトワークを進めていく

  • コンセプトが見つかったら、それをしっかりと他者に伝える



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