あいの密度

失恋の微熱でいつまでも語り合いたいと言った者がいる

それは、星空の下に寝そべって、ふれるかふれないかの距離でお互いの気持ちを探りあったりした時みたいに

それは、それぞれの寂しさには干渉せず、薄暗くなった海辺のベタつきとお茶割りだけで満たされた時みたいに

そういう浸り浸りな感動をいつも探してしまう
"エモい"という便利な言葉で表すには勿体ないくらいのものを

結局のところ、空白な者同士が惹かれ合う先にあるのは、空白なくうかん。
お互いの光る部分に照らされ合い、惹かれた先にあるのは、密度の濃いくうかん。

私が求めるのは後者の方で、だから踊る、描く、歌う、そして朝に起きて、夜寝る。こうしてひかるものを沢山蓄えておく、きらきらの点を増やせば線も引きやすいから。

案外、心のぽっかりとした空洞は空いていた方がいい。いつかそこにとっておきな"ひかり"を入れられるようにね。ただし、手当り次第、その場しのぎの"ひかり"入れてはいけない。それはひかりにみえるのに、心の空洞を余計に空けてしまう厄介なものだから。

「孤独な時こそひとりになれ」

インスタグラムを閉じて、はちみつの紅茶を淹れる。そして本を開いたり閉じたりしながら、自分を見つめる。

"ひとから満たしてもらった愛より、自分で満たせた愛の濃さ"

その濃さにいつまでも味を占めていけたらな。

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