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【ジャパンオープン2023TOP8】5色ランプデッキガイド

割引あり

こんにちは。ナヤ岡です。
9月16日、17日に開催されたジャパンオープン2023で5色ランプを使用してTOP8に入賞することが出来ました。

今回は、この5色ランプについてのデッキガイドになります。
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0.自己紹介

オンラインではナヤ岡という名前で活動しています。継続的にプロツアーに出るを目標に、日々MTGで遊んでいます。
今までにPTタルキール龍紀伝、PTドミナリア、神河チャンピオンシップに参加出来ました。
プロツアーを目指しているので、先月まではパイオニアのエリア予選、今月からはモダンの店舗予選に参加しています。最近はプロツアーに繋がる大会のフォーマットでスタンダードが採用されていないため、遊ぶ機会がありませんでしたが、ジャパンオープン開催の知らせを聞いて、アリーナを用いたオンライン大会好きの血が騒ぎ、久しぶりにスタンダードで遊ぶことにしました。

1.デッキ選択の理由

ジャパンオープン前のメタゲームは原根健太プロの記事にわかりやすくまとめられています。

以下は記事からの引用です。

カードパワーの集合体であり、雑多に強く安定感のあるミッドレンジデッキが最初の大会で活躍
→それに対し構造的に有利なランプ系のデッキが活躍
→それに対し構造的に強いクロックパーミッション系のデッキが活躍
→ランプに戦えて、クロックパーミッション系に強いアグロが活躍

原根健太の徹底解説!スタンダード・アナライズ
第12回:新たなスタンダードと『エルドレインの森』が生み出すメタゲーム

上記の変化が1つの週末だけで起こっています。目まぐるしく動いていくメタゲームの中でデッキ選択は難航していました。
迷っているときは情報収集です。スタンダードの配信を見たいと思っていた時に、ちょうど原根健太プロがMOチャレンジで結果を出した5色ランプを配信で回してくれていました。

私が気になったのは5色ランプと赤単の対戦です。5色ランプのリストを見たときの印象では、5色ランプは赤単に対して不利だと思っていました。しかし、実際に対戦しているところを見ると思ったよりも戦えていました。《執念の徳目》の出来事、《群れの渡り》の起動型能力、《ファイレクシアの肉体喰らい》の絆魂によるライフゲインはゲームを長引かせ、《アラーラへの侵攻》を唱えるまでの時間を稼いでいました。
先のメタゲームの認識の中でアグロはランプに戦えるという評価でした。もし、ランプがアグロに不利が付かないなら、クロックパーミッション以外に戦える選択になるかも知れないという期待から5色ランプを使用候補に選びました。

2.5色ランプとは

デッキ名称は5色ランプ、5色アラーラ、カスケードなどまだ定まっていませんが、今回はジャパンオープンの公式放送で使われた5色ランプを使用します。
このデッキは《アラーラへの侵攻》を中心にデッキが組まれています。

《アラーラへの侵攻》を唱えるとライブラリーの一番上から、マナ総量が4以下であり土地でないカード2枚が追放されるまで1枚ずつ追放して、それらのうち1枚を、マナ・コストを支払うことなく唱えられます。このデッキに入っているマナ総量4以下のカードは《木苺の使い魔》4枚と《喉首狙い》1枚だけです。

そのため、《木苺の使い魔》が確定で選ばれます。この時、《木苺の使い魔》を出来事として唱えることが出来ます。《木苺の使い魔》の出来事はカード7枚を切削し、その切削したカードの中からクリーチャーやエンチャントや土地であるカード1枚を戦場に出します。切削したカードの中に《墓所の冒涜者》が含まれていれば大当たりです。

《墓所の冒涜者》の効果で墓地にるカード1枚を追放して、パーマネント1つの上から追放されたカードのマナ総量に等しいカウンターを取り除きます。7マナのカードを追放すれば、《アラーラへの侵攻》の守備カウンターをすべて取り除いて、裏面の《大渦の目覚め》を唱えらます。

《大渦の目覚め》はカードを2枚引いて、手札にあるアーティファクト・カード1枚を戦場に出して、自分がコントロールしているパーマネント1つのコピーであるトークン1つを生成して、+1/+1カウンター3個をクリーチャーに割り振って置いて、対象のパーマネントを破壊します。つまり大体勝ちます。
文章で読んでいてもよくわからないという方は、ジャパンオープンのTOP16の試合をご確認ください。以下の動画の3:16:00頃から上記の動きをします。

デッキに4枚しかない《アラーラへの侵攻》を毎回引けるのか心配する方もいるかもしれません。《アラーラへの侵攻》が引けない時には、除去とライフゲインで時間を稼いで、《執念の徳目》、《群れの渡り》、《原初の征服者、エターリ》、《偉大なる統一者、アトラクサ》など重く強力なカードで戦っていきます。実際回していると《アラーラへの侵攻》を唱えずに勝つことはよくあります。

豪快な動きが魅力の5色ランプですが、デッキには大きな制約があります。《アラーラへの侵攻》で確実に《木苺の使い魔》を持ってくるために、《木苺の使い魔》4枚以外に1枚しか4マナ以下のカードを入れられないです。アリーナでデッキ編集画面を開くとマナ総量順に並んでいるため、とんでもない見た目になります。

実際のマナカーブ

しかし、《力線の束縛》の版図、《ファイレクシアの肉体喰らい》の試作、《執念の徳目》の出来事、《群れの渡り》の起動型能力を駆使してカードに書かれたのマナ総量よりも軽いマナ動くことが出来ます。デッキの制約を上手く回避していて、デッキを考えた方の発想に驚かされます。

イメージのマナカーブ

《アラーラへの侵攻》からの豪快な動きは1度ハマるとやみつきになること間違いなしです。面白そうだなと思った方はぜひ1度お試し下さい。

3.デッキリストと採用カード

アリーナインポート用データ
Deck
1 Swamp (THB) 252
1 Mountain (THB) 253
1 Island (THB) 251
1 Plains (THB) 250
1 Haunted Ridge (MID) 263
1 Shipwreck Marsh (MID) 267
4 Cemetery Desecrator (VOW) 100
1 Stormcarved Coast (VOW) 265
1 Brushland (BRO) 259
3 Jetmir's Garden (SNC) 250
3 Raffine's Tower (SNC) 254
3 Spara's Headquarters (SNC) 257
1 Xander's Lounge (SNC) 260
3 Ziatora's Proving Ground (SNC) 261
1 Go for the Throat (BRO) 102
4 Herd Migration (DMU) 165
4 Leyline Binding (DMU) 24
4 Phyrexian Fleshgorger (BRO) 121
4 Llanowar Wastes (BRO) 264
1 Atraxa, Grand Unifier (ONE) 196
1 Elesh Norn, Mother of Machines (ONE) 10
1 Yavimaya Coast (DMU) 261
2 Etali, Primal Conqueror (MOM) 137
4 Invasion of Alara (MOM) 230
4 Virtue of Persistence (WOE) 115
4 Bramble Familiar (WOE) 164
1 Otawara, Soaring City (NEO) 271

Sideboard
3 Horned Loch-Whale (WOE) 53
1 Elesh Norn, Mother of Machines (ONE) 10
1 Thrun, Breaker of Silence (ONE) 186
1 Obstinate Baloth (BRO) 187
1 Sunfall (MOM) 40
4 Mirrorshell Crab (NEO) 63
2 The Kami War (NEO) 227
1 Nissa, Ascended Animist (ONE) 175
1 Vanquish the Horde (MID) 41

〇メイン
《アラーラへの侵攻》

デッキのキーパーツその1です。

《木苺の使い魔》

デッキのキーパーツその2です。初手にあった《木苺の使い魔》は2ターン目に唱えることが多いです。除去られなければマナ加速になり、除去られた場合もクリーチャーの展開よりも除去を優先してくれたのであれば、延命に繋がるため問題ありません。

《力線の束縛》

万能除去です。版図でコストが軽くなるため、唱えるのは最後にすることが多いです。このカードを軽く唱えることが《アラーラへの侵攻》を唱える時間を稼ぐ上で重要なため、3色ランドのない初手はマリガンを検討します。

《喉首狙い》

《木苺の使い魔》以外で唯一入れられる4マナ以下のカードです。数ある4マナ以下のカードの中から《喉首狙い》を採用している理由は、当たる範囲の広い2マナの除去だからです。ゲームを長引かせて高マナ域のカードを唱えたい5色ランプに取って、軽い優秀な除去は喉から手が出るほど欲しいカードです。5色ランプ同型でも《機械の母、エリシュ・ノーン》を除去するためにサイド後が活躍します。

《執念の徳目》

ライフゲイン付き2マナ除去です。アグロ相手に重宝します。このカードの存在により、タフ4クリーチャーの評価が上がっていると感じています。そのくらい環境への影響力があります。このカードで除去出来ないクリーチャーが増えてくると枚数を減らすことがあるかもしれません。出来事も強力ですが、7マナエンチャントとしても1枚で勝てるフィニッシャーです。プレイしたターンが隙だらけな点だけが難点です。

《群れの渡り》

土地サーチ+ライフゲイン、もしくはフィニッシャー。だいたい起動型能力で使います。今のリストには《森》が入っていないことは忘れないようにしましょう。《森》が入っていないのは、《木苺の使い魔》が生き残ったのに4ターン目に《アラーラへの侵攻》を唱えられない場合があることが許せないからです。

《ファイレクシアの肉体喰らい》

MOスタンダードチャレンジで優勝したオリジナルのリストや原根健太プロのリストではメイン3枚、サイド1枚でしたが、メイン4枚に変更しました。《アラーラへの侵攻》の裏面で手札から出すこともありますが、出さなくても勝っていることが多いため、あまり関係ありません。《ファイレクシアの肉体喰らい》は試作で唱えることが多いです。3マナ3/3、絆魂、威迫は十分に強いです。特に絆魂は時間を稼ぎたいデッキのプランとかみ合っていています。アグロが多いと思うなら、メインから4枚で問題ない性能です。よく使われている《切り崩し》や《喉首狙い》では除去できない点も良いです。

《機械の母、エリシュ・ノーン》

MOスタンダードチャレンジで優勝したオリジナルのリストや原根健太プロのリストではサイド2枚でしたが、メイン1枚、サイド1枚に変更しました。このカードはデッキの60枚目です。これ以外の59枚とサイド16枚を決めた後で最後に1枚メインに上げるカードを考えました。このカードは5色ランプ同型戦で活躍します。自分の使う《アラーラへの侵攻》、《力線の束縛》、《墓所の冒涜者》、《原初の征服者、エターリ》、《偉大なる統一者、アトラクサ》は2回誘発して、相手は誘発しなくなります。特に《力線の束縛》や《墓所の冒涜者》といった除去が使えないため、メインでは《喉首狙い》くらいでしか《機械の母、エリシュ・ノーン》を除去出来ません。自分が5色ランプを使う以上、相手も使ってくるかと考えてメイン採用にしました。

《墓所の冒涜者》

《木苺の使い魔》の出来事でめくった時の大当たり枠です。手札から普通に唱えると6マナとしては4/4というサイズがちょっと物足りない気もします。6マナという重さや手札から唱えたときのインパクトの小ささからアグロやコントロールには枚数を減らします。

《原初の征服者、エターリ》

《木苺の使い魔》の出来事でめくった時の当たり枠その1です。《偉大なる統一者、アトラクサ》より枚数が多い理由は、誘発型能力ですぐに盤面へ影響を与える可能性があるからです。長引けば勝てるので手札を増やすより、盤面に影響を与えることを優先したいです。

《偉大なる統一者、アトラクサ》

《木苺の使い魔》の出来事でめくった時の当たり枠その2です。《原初の征服者、エターリ》よりも優れているのはキーワード能力です。アグロ相手に出して除去られなければそのまま勝ちといえるほどの圧があります。

〇サイド
《強情なベイロス》

MOスタンダードチャレンジで優勝したオリジナルのリストや原根健太プロのリストでは《豆の木をのぼれ》でしたが、差し替えました。4マナ以下のカードのため、《喉首狙い》と入れ替える枠です。メインの《喉首狙い》が優秀で、コントロール以外の相手には《豆の木をのぼれ》と入れ替えることはありませんでした。コントロールは少ないメタゲームを想定していたため、ゴルガリミッドレンジを意識して《強情なベイロス》を採用しました。5色ランプはランドを伸ばして重いカードを唱えるため、継続的に手札の枚数を絞れる《ヴェールのリリアナ》を苦手としています。デッキ公開制の大会なら《ヴェールのリリアナ》の+1への抑止力になるかも知らないと期待して採用しました。ただ、1枚採用では、あったらそれまでと割り切って来られそうで、どこまで抑止力になるのか怪しいです。この枠は検討の余地ありなので、サイドプランに合わせて色々なカードを試していきたいです。

《沈黙を破る者、スラーン》

主にコントロール用のサイドカードです。黒くないコントロールでは全体除去での対処になるため、全体除去を打たせた返しにこちらのビッグアクションを通すという勝ち筋が作りやすいです。相手が黒い場合は《シェオルドレッドの勅令》に注意したいです。

《向上した精霊信者、ニッサ》

主にコントロール用のサイドカードです。コントロールだけに入れるならカウンターされない《沈黙を破る者、スラーン》の方が信頼出来ますが、《力線の束縛》や《執念の徳目》のような置物に対処出来るなど、カウンターが少ないor入っていない相手には《沈黙を破る者、スラーン》よりも優れているため散らしています。

《神の乱》

5色ランプ同型で《機械の母、エリシュ・ノーン》を除去しながら、そのままフィニッシャーになるカードです。戦場に出た《機械の母、エリシュ・ノーン》は対処出来なければ即負けと言えるくらい圧倒的な強さがあります。対処出来るカードをサイドに入れておきましょう。コントロールにも入れます。同じ6マナの《墓所の冒涜者》より、対処しなければ負けに繋がるインパクトがあるためです。

《鏡殻のカニ》

5色ランプで採用できるカウンターです。5色ランプ同型で特に強いです。5色ランプ同型では《アラーラへの侵攻》や《機械の母、エリシュ・ノーン》をカウンターすること重要だからです。
コントロール相手にも入れます。ロングゲームになるため、ソフトカウンターの信頼は高くはないですが、こちらのエンドに打ってきた《放浪皇》や《記憶の氾濫》を打ち消すことが多いです。相手のターンに無防備になりますが、動いてくれるなら返しのターンでこちらのビッグアクションを通せるため問題ありません。

《有角の湖鯨》

MOスタンダードチャレンジで優勝したオリジナルのリストでは0枚、原根健太プロのリストでは2枚採用でしたが、3枚に増やしています。追加の2マナ除去が主な役割です。除去としては使用できるタイミングが限定されている点がネックですが、貴重な2マナ除去のため贅沢は言えません。《木苺の使い魔》、《執念の徳目》、《喉首狙い》と合わせてアグロ相手に後手2ターン目に取れるアクションを12枚は取りたかったので多めに採用しています。

《太陽降下》

MOスタンダードチャレンジで優勝したオリジナルのリストや原根健太プロのリストでは0枚の採用でした。原根健太プロは《大群退治》を2枚採用していましたが、1枚を《太陽降下》に差し替えました。赤単相手には単体除去を打っていくとクリーチャーが2、3体しか並ばない展開が多く《大群退治》の利点が感じなかった、ゴルガリミッドレンジ用に追放除去を採用したかった、5色ランプ同型で《機械の母、エリシュ・ノーン》用の除去して採用したかったことが《太陽降下》を採用した理由です。ジャパンオープンでも培養トークンで殴り勝つこともあり、変更には満足してました。TOP8で白単との3本目を迎えるまでは…。

《大群退治》

TOP8で白単との3本目の後手4ターン目。相手の戦場には《スレイベンの守護者、サリア》を含めてクリーチャー5体。こちらの戦場にはクリーチャー0体土地4枚。手札にある《太陽降下》を見ながら、《大群退治》なら唱えられることに気が付いたとき、椅子から転げ落ちました。

白単相手には《大群退治》の方が強いと思います。

4.サイドボードガイド

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