「日本を滅ぼす教育論議」を読んで

昨日に引き続き、
今日も本を読み終えたので、
読書感想文を書きたいと思います。
明日は進研模試なので、
簡潔に要点だけを書きます。

今回読んだ本は
「日本を滅ぼす教育論議」
というもので、
岡本薫さんが著者です。
この本は2006年初版です。
ちょうどそのころは、
「ゆとり教育の是非」に関する
議論がなされていた時期です。
当時文科省の役人だった著者の体験をもとに
日本の教育の在り方について
再検討していこうという趣旨です。

ただ、巷に溢れている有象無象の
"~するべき論"ではなく、
また、いわゆる「ゆとりは是か非か」といった
善悪二元論でもなく、
国際的に比較したうえで、
日本の教育の過去の特徴は何か、
現在起こっている本当の教育問題とは何か、
これからの日本教育に向けて、
具体的にどのような改善が必要なのか。
こういった高次の視点から、
物事を俯瞰している、
かつ、
著者の現場体験を活かした
課題発見、解決の手法の模索が
この本に含まれている。
そのため、
実現可能性の高い手法ながら、
多角的で視野の広い著者の考えに
裏付けされている
日本の現状に沿うような
教育全体(組織や人間をも含めた)に対する
特効薬のようなものになっている。

その文中は
方法論、組織論といったものが主で、
日本人の行動様式と教育が
どのように結びついているか、
を主題にしつつも、
教育組織(主に文科省)に
日本人とその仕組みの
どのような面が
表れているのかについて
文字数を割いている。

なので、
この本は組織に属する日本人であれば
誰しもが参考になる本であろうと思う。
僕が思うに、
この本に書かれているような
「ゆとりの悪」や「詰め込み教育の悪」
のような
正しい現状認識に沿わないで
勝手に悪いと決めつける風潮、文化は
どの日本組織も持っているだろう。
そして、
何も考えずに正しい
と信じ込んでしまうことも多いだろう。
信頼できるデータと
それによって生み出される
正しい現状認識、
筋道立った論拠こそが
課題の解決への近道なのだ、と
僕は強く感じた。

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