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ふくべ鍛治のオンライン包丁研ぎサービス「ポチスパ」が素晴らしいとのこと

包丁の切れ味が悪いストレスは、カーペットの塵を取るコロコロのシートがめくれない不快感によく似ている。

後者の場合は汎用品でなく専用の商品を買えばどうにかなる話だが、包丁の場合なかなかどうして改善させるのが難しい。

シャープナーを使えばいいじゃないかという意見もあろうが、いま使っているのは貧乏な俺が1万円という大枚をはたいて買った大切な包丁である。なるべく刃に負担をかけたくない。シャープナーが弥縫策にすぎないらしいことは俺も知っている。却下。

では「包丁を研げばいいよね」という話になろう。しかし、これがなかなかどうして難しい。砥石を買い、YouTubeに上がっている職人の研ぎ方説明動画を見よう見まねでやった……ものの……さして、切れ味が変わっているように感じられないのだ。お金と時間をかけてこれか……。もちろん砥石をうまく使いこなせればベストだろうだが、図工や美術の成績が壊滅的で、不器用を自認する俺からすると、習熟までの道のりは相当険しいと思われる。

となると、餅は餅屋。包丁研ぎのプロに任せればいいじゃないか。しかし、困ったことにうちの近所には刃物店がない。そこで、知ったのが「ポチスパ」なる宅配包丁研ぎサービスである。

包丁を研いでくれる店が近所にないか検索している俺に対し、Google AdSenseの広告を大量表示させてきたのが出会いとなる。

物は試し。発注。

支払い後、自宅宛に包丁を送る専用の段ボール箱が届くので、刃を付属の紙鞘に格納して梱包し、ポストに投函。イージーイージー。

そして、一週間ほど待つと、研がれた包丁が送り返されてくる。

出す前は刃こぼれしてしまっていた包丁が……

こう生まれ変わる。何もかもが変わっていて笑う。

見た目に違わず、切れ味も素晴らしい。通販番組でよく見るトマトの端をすーっと切るそれを思わず試す。ニンマリ、となる。

2000円弱で労せず包丁の切れ味が復活するのなら、多少時間はかかるもののオンラインで包丁研ぎを頼むのも悪くない。

なお、ポチスパを運営するふくべ鍛治は能登震災の被害に遭い、現在クラウドファンディングを実施中とのこと。家の包丁の切れ味を復活させられるとともに、復興支援にも一役買えるとしたら、こりゃあいいんじゃねえの。不測の事態をチャンスに変える巧みな宣伝にまんまと乗っかってもいいし、自己満足だとしても、まあ、いいんじゃねえの。


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