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余命一か月だった私へ~迷走編⑥~

話は2016年ごろに戻ります。

そもそも、なぜ乳がんと診断されたのに、手術を拒否したか。

ある人から言われました。

「体の中にがんがあるのに怖くないの!?私ならすぐに取り除く」

多くの人がそう思うから、患者さんは絶えないのだろうと思います。

でも私は、手術が解決策ではないと感じていました。なぜなら、たとえ手術で取り除いたとしても、がんを作る原因となった身体や心は、そのままだったからです。自分自身が変わらないと、再発するだろうなと考えていたからです。

そして一番の理由が、左胸を失いたくない、でした。まだ嫁にも行ってないのに体に傷を作りたくない、という幼い私の女心でした。

粘液性ガンと言われた左胸は、進行が遅いから焦らなくても良いとのこと。

でも決断するなら早めにね、と告げてくれたドクター。先に手術をしておけば、あとから自分自身を探る時間はゆっくりあったのでは?と思われる方もいらっしゃると思います。事実、両親からもこういわれました。

しかし、この時の私は、客観的にはガンをとらえていましたが、気分はネガティブのど真ん中で完全に悲劇のヒロインです。こんなに真面目に生きてきたのに、食生活にも気を付けてきたのに、ガンになった私かわいそう!という感じです。ところが、その考え方が長年染みついていたので、ネガティブも悲劇のヒロインも、その時の自分にとっては当たり前でした。そして、ネガティブのまま、自称悲劇のヒロインは代替医療に限定した迷走を始めたのです。



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