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夏ですね!いいね若いね20代特集〜チェンくん編(2)

チェンくん(27)との若者デートに気分も華やぐアラフォーナヲ子。たまにお互い「アレ?」と思うジェネレーションギャップはあるものの、そこも楽しみつつ夜は更けていくのでした。

この盛り上がり、次あるかも・・・?!

最初は好きな本や仕事の話が中心でしたが、お酒も入りリラックスしてくると次第に恋愛話に花が咲いてきました。

「ナヲ子さんみたいな大人の女性はさ、普段どんなデートしてるの?」

私が若者の生態に興味があるのと同様、チェンくんから見たアラフォー女性の生態も謎に包まれているのでしょう。期待に目を輝かせながら聞いてきます。

「ん〜、普通にご飯食べに行ったり遊びに行ったりだよ」

ご期待にお応えできず申し訳ありませんが、残念ながらチェンくんが想像するような大人なことはしていないナヲ子。

意識高い系の女友達とスカしたお店でご飯食べたりはしますが、日常生活はいたって普通です(無職だからむしろ普通以下のお地味な生活なのです)。

「遊びにってどんなところでデートするの??」

ワクワク、キラキラ。チェンくんの目線が眩しい!期待させちゃって悪いけど、そんなに知りたいならズバリ言うわよ?

「えっとね〜、お寺とか」

カッコつけても仕方ない。薄っぺらい嘘はいずれバレる・・・。チェンくんの年上女性への憧れを打ち砕かないことを祈りつつ、ナヲ子は続けます。

「あとは高尾山登ったり。帰りはスーパー銭湯寄りたいよね〜。海とか高原も好き。ソフトクリーム食べて道の駅で野菜買うのが楽しくて!」

もう完全に中高年のバスツアーみたいなプラン。わたくし、若い頃から渋い場所が好きなのですよ。なんか文句ありまして??チェンくんはコメントに困っているようなので、助け舟を出します。

「チェンくんはどんなデートするの?」

「俺は水族館とか遊園地かな〜。彼女できたらディズニーランド行きたい!シーでもいいけど」

なるほど。いいじゃないか、若者っぽくて!20代のデートって感じがしますわ。今でもミッキーの耳つけてチュロス食べたりするんだろうか。

「ナヲ子さんはそういうところは興味ない?」

「興味ないわけじゃないんだけど、ディズニーランド最後に行ったのはかれこれ20年前くらいで。シーはまだ行ったことないのよ」

いや、これ完全に興味ないですよね。昔忘年会のビンゴでディズニーランドのペアチケットが当たり、速攻金券ショップで現金に変えた拝金主義のナヲ子にとって、ディズニーは近くて遠い夢の国なのでありました。

そして、クロージングにかかるチェンくん

だいぶ年下のチェンくんですが、お会計時は男気を見せてかなり多めに払ってくれました。今まで出会ってきたドケチな年上男性たちよ、こういうところだから!メモっといてよ!!

週末の新橋は会社帰りのほろ酔いサラリーマンが多い。チェンくんと私は微妙な距離を保ちつつ駅に向かってゆっくり歩いていました。

「ナヲ子さん、今度俺と高尾山行かない?」

・・・・。

ほぉ。あれだけ遊園地だディズニーだと言ってたチェンくんでしたが、ここで高尾山を提案してくるとは・・・。

一生懸命わたしに合わせようとしてくれているところが可愛くて、チェンくんの顔を横目で見ながら思わず笑みが溢れます。

「うん、いいよ」

そう言ってチェンくんと目が合った瞬間、突然人通りの多い道のど真ん中でハグ&キス!しかもものすんごい勢いで!!

向こうから歩いてくる3人組の酔っぱらったサラリーマンが「ピュ〜ピュ〜」「あっついね〜」などと囃し立てながらすれ違っていきます。

「ちょっと、チェンくん。ダメよ」

私は人前でイチャつくことを好みません。しかもチェンくんがあまりに勢いよく情緒のかけらもなかったので、子犬に飛びつかれて舐められたようにしか感じられませんでした。

しかし一度キスしたことで、堰が切れたようにチェンくんの猛チャージが始まります。

「ねぇ、今日うちに泊まりに来て」

「ん〜、またそのうちね」

「お願い、来て」

「ふふ、そんな顔してもダメよ」

足を止めることなく駅に向かって進むナヲ子。しかしチェンくんもそう簡単には諦めません。人気の少ない高架下に差し掛かると、手を引っ張られて流行りの壁ドンです。

でもね〜。残念ながら全くドキドキしないんですよ。相性の問題なのかもしれませんが、チェンくんを男として意識することができず、もう高校生にしか見えない。

こればかりはセンスの問題なので如何ともし難いですが、チェンくんが盛り上がれば盛り上がるほど、ナヲ子の頭は冷静になっていきます。

「ほら、行くよ?今日は大人しく帰って」

「もう我慢できないよ。ホテル行こ」

私を抱き寄せたまま、スマホでホテルの場所を検索し始めるチェンくん。いやいや、ないから。今晩もないし、たぶんこの先もないよ。駅はもうすぐ目の前なのに押し問答しながらなので、全然前に進みません。

だんだんイライラしてきたナヲ子は、

「はい、もうおしまい。これ以上しつこくするともう会わないよ」

とアラフォーの貫禄でドスをきかせたところ、本当に子犬のようにシュンとしてしまったチェンくん。ちょっと可哀想だったけど、あまりにしょんぼりした姿が可愛くて母性本能をくすぐられたのでありました。

若いっていいな〜。

今回のチェンくんのようにストレートに勢いよく攻める、というのも若者らしくていいですね。ただしガツガツするのは情緒がない&しつこくすると嫌われちゃうのでご注意を!攻め所と引き所を間違えなければ、いずれ相性の良い女性が見つかり、めでたくお付き合いできる可能性は高いです。

頑張れチェンくん!!

(完)

あまりに学びも内容も薄い記事でしたが、夏のお気楽編〜アバンチュール特集ということでご容赦ください。本日もここまでお読みいただきありがとうございました。スキ&コメントもお待ちしております!




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