メンタルヘルスが企業に広がらない理由 その2
前回の続きです。
企業は、社員ひとりひとりの変化を生み出す為に、様々な人材育成プログラムを実施されていると思います。
メンタルヘルス関連でも、傾聴を学ぶリスナー研修,怒りのコントロールを学ぶアンガーマネジメント、もちろんセルフケアを含めたメンタルヘルスの基礎知識もあります。近年ではハラスメント対策を強化している企業が増えていますね。
それでもその効果を感じられずや受講者の変化の連鎖が起こらないのはなぜか?
そもそもの設定が違う
経営者や人事担当者は、企業責任として、社員教育として企画しています。対外的な実績という面もあるでしょう。また、こういう機会を与えているのだからちゃんと学んで活かしてね、ということだともいえます。
一方で社員は、忙しい業務の合間にやらなければいけない研修。知識としては学んでも、根本的に自分ごととして捉えなければ実績することはかなりハードルが高いでしょう。逆に、自分自身がその経験かある、身近な人がメンタル不調になったという方は、その経験を通して学びが深まります。
知ってるだけでは対応できないのがメンタルヘルスなのです。社員がひとりひとり違う様に、こうすれば、こうなります!的な虎の巻ではないのです。本当に自分が困ったり、悩んだり壁にぶつかるといった時、知識と経験、体験から経た自分自身の気づきがありようやく腑に落ちるのです。これは企業の経営者、社員といった立場に限らず、私たちカウンセラーを生業にしている側の立場でも言えることです。
ここを理解した上で、経営者の方々がどんな思いでどんな社員と共に共同創造したいと感じているか?を知ることが大切です。
在り方へのアプローチが有効なわけ
わたしが企業研修や、体験カウンセリング、復職支援面談で繰り返し、何度もお伝えすることは、自分自身を知り、自分自身の在り方を明確にすることです。考え方のくせや、生まれた環境や育ちの影響、人との関わりから培われた価値観…様々な影響を受けて今、ここにいます。
周りの状況は自分ではコントロール出来ないという思い込み、自分との違いや本来の思いに蓋をすることによる葛藤や不安から適応的反応が失われます。
例えば、上司とは能力が高く、部下のことを考えてサポートできる人、また上司には失礼のない言葉で対応をしなければならないという認知設定を持っている社員が、仕事はまあまあできるけど、部下に大変な案件を丸投げしてくるし、言葉が威圧的という上司が配属されてきたとしたら?
上司としてあり得ない!と感じながらも、上司には丁寧な対応をしなければならず、言いたいことが言えない状態が生まれます。葛藤が続きストレスが溜まることが予想されますね。
相手を変えることはできない、だから自分の反応を変える。頭でわかっていてもできない💦という相談はとても多いです。
本当にそうかな?
自分が持っている認知設定は、知ってること、気づくことで変えることができます。例でいう上司像また、それに対する自分像は変えることが可能だと気づくことです。これはとてもシンプルな原理で、自分自身に対しても、コミュニケーションにおいても年齢、性別、状況、生い立ちなど様々でも、誰にでも有効なアプローチです。
『どんな変化が生まれるのか?』
実際のケースをご紹介していきますね♪
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