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社内アジャイル開発研修を受講した話

こんにちは、ネコ派メタラーです。ナビタイムジャパンで地点検索基盤の開発マネジメントを担当しています。

先日、当社で「Agile Starter Kit」と題して、アジャイル開発に関する社内研修が実施されました。本稿では、受講者として参加した私の目線で、この研修で学んだこと、その後の業務への影響をお話しします。

研修が実施された経緯や内容については、弊社 メタル先輩 が Scrum Fest Osaka 2021 で発表しています。スライドも公開されておりますので、ご覧いただけますと嬉しいです。

受講前の課題

私自身は 2017 年度に所属していたチームでスクラム開発を経験しました。経験者でもあり、アジャイル開発自体への興味は持っていました。

一方、現在のチームでは、アジャイル開発を明示して取り組んでいませんでした。アジャイル開発に対しては (主に「スクラム」という) フレームワークのイメージが強く、チームを大きく変える敷居の高さを感じていました。それまでのやり方がチームにフィットしていたこともあり、積極的に変化させる必要はないと考えていました。

そんな中、今年度に入りチームに変化がありました。

・抽象的なテーマを扱うことになり、何から手をつければいいのか迷う場面が多くなった
・メンバーに入れ替わりがあり、従来のコンテクストが通じない状況が生まれ始めた

チームスタイルにアップデートが必要だと感じていたタイミングで、アジャイル開発研修を受講することになりました。

研修での学び

研修は座学・演習あわせて 8 時間、2 日間に分けて実施されました。座学パートではアジャイルの基本的な考え方、重要なプラクティスを体系的に学びました。「ふりかえり」「モブプログラミング」など目立つ要素については日常的に耳にして、実際に活用することもありましたが、なかなか体系的に学ぶことはありませんでした。この研修を通してアジャイル開発のエッセンスを網羅的に獲得できたと思います。

私の中での最大のアップデートは、アジャイル開発に対する「フレームワーク」という意識が薄くなったことです。アジャイル開発で用いられるプラクティスの一つ一つは、アジャイル開発に限らず利用できる「ライブラリ」の側面を持っていることに気づきました。一つ一つの要素はアジャイル開発を明示していない今のチームでも使えそうだと思い、すぐに現場に持ち帰ろうと思いました。

演習で取り組んだテーマは「インセプションデッキの作成」「プロダクトバックログを作成するイテレーション」でした。後述しますが、これらはまさに私が所属するチームの課題をドンピシャで解決するもので、極めて実践的だったと思います。

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チームへの適用

研修を終えた翌日の朝会のこと、メンバーから「いろいろやりたいことがあるけど、何から手をつければよいか分からない」という相談を受けました。「これは演習でやったヤツだ!」ということで、早速ユーザストーリーマッピング・プロダクトバックログの作成に着手しました。

数日かけて、稼働するプロダクトバックログを作成しました。プロダクトバックログに従って着手していけばよいので、次に着手するアイテムに迷わなくなりました。加えて、作る過程で「これは何を実現したいんだっけ?」「どんな工程を想像してる?」「これくらいの粒度なら手を出せそう?」といった対話を重ねることで、チームとして共通のコンテクストを共有することができました。

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プロダクトバックログが稼働した一方、これを継続的に見直してアップデートしていく必要があることも意識できました。結果として、自然な文脈でスクラムイベントが設定され、スプリントが開始されることになりました。

ふりかえってみると、アジャイル開発のエッセンスをライブラリとして使った結果、自然な形でフレームワークの導入につながることになり、研修を通して得た学びが活かされる形となったと思います。演習をこなしていたことで「できる!」という自信が持てたことが大きな後押しになりました。

まとめ

アジャイル開発研修を受講し、知識を得ることでアジャイル開発に対するイメージが変わり、演習を通して実際に現場で使う自信が持てました。チームに変化をもたらし、前に進むきっかけとなった研修だったと思います。

最後に余談ですが、先述の Scrum Fest Osaka 2021 でのセッションの中で、質疑応答パートで少しだけ、受講者としてお話しさせていただきました。コミュニティから知識をいただいている中、コミュニティにほんの少しですが貢献できたことは光栄に思います。