ユーザーとのコミュニケーションから、改善に繋げるための「VOC管理ツール開発」
はじめに
こんにちは「アラフィフロッカー」です。ナビタイムジャパンでVOC(Voice of Customer:ユーザーの声)を一元管理する社内ツールの開発チームのPMを担当しています。
当社のアプリを使っていて不便な部分があった時や、機能追加要望を投稿したい場合、各アプリの「ご意見箱」から受け付けています。毎日多くの貴重なご意見をいただいている状況です。誠にありがとうございます。お送りいただいた内容は全て目を通しており、改善や検討の一助とさせていただいています。
その「ご意見箱」なのですが、長らくご意見を受け付けるだけのシステムとなっていて、当社から返信するということができませんでした。
いただいたご意見に返信をしたい
ユーザーの気持ちを汲み取るため、コミュニケーションを取りたい
こちらの課題を解決するため、ユーザーとコミュニケーションが取れる社内ツールを開発しました。現在、順次当社アプリに導入を進めているところです。
そこでご意見を投稿いただいてからユーザーに返信が届くまでの流れを『NAVITIME』をサンプルにご紹介します。
ご意見の投稿・確認の方法
ご意見を投稿する
「Myページ」タブ内画面上部にある「ご意見」をタップすると「ご意見箱」に遷移します。ココから投稿ができます。
投稿したご意見を確認する
「ご意見箱」の左上にある「一覧へ」をタップすると、投稿したご意見を確認することができます。
返信の確認・追加投稿の仕方
ナビタイムジャパンからの返信を確認する
当社からの返信は「ご意見一覧画面」から遷移する「ご意見詳細画面」で確認できます。ご意見一覧は、更新日時順にソートされます。また当社からの返信にリアクションをすることができます。
リアクションをしていただけると、返信をご確認いただけたことがわかるようになっています。お手数をお掛けしますが、よろしければ「いいねマーク」のタップをお願いいたします。
返信の通知から確認する
また、『NAVITIME』からの通知をONにしておくと、当社から返信をしたタイミングで通知を受け取ることができます。
スレッドで追加投稿・返信する
投稿したご意見に追加で投稿ができます。再度新しくご意見を投稿いただくことも可能ですが、スレッドに追加で投稿をいただけますと、当社にて時系列を追いやすくなります。同じ内容に対する追加や返信につきましてはスレッドへの投稿にご協力をお願いします。また当社からの返信に、追加で返信をすることもできます。
VOC管理ツールの機能を一部紹介
投稿いただいたご意見は、冒頭でもお伝えしたVOCを一元管理する社内ツールに保存されるようになっています。当社は『NAVITIME』の他に『カーナビタイム』、『トラックカーナビ』、『ツーリングサポーター』といった多くのアプリがあり、それぞれの「ご意見箱」から送られてきたご意見を本ツールで確認できるようにしています。
「担当者」と「ステータス」で対応状況を視覚化
いただいたご意見には担当者を割り当てて、誰が対応しているかをわかりやすくしています。また「ステータス」を変更していくことにより、今どのような状態かを視覚化し、見逃しがないように考慮しています。
同じユーザーからのご意見に気づくための工夫
日々多くのご意見が届いているため、同じユーザーから投稿いただいたご意見だということを探しやすくするために、投稿ユーザーをIDで判別できるようにしています。これにより少し時間が経過して追加でご意見をお送りいただいても、他のご意見と混ざることなく時系列で追えるようにしています。
ここで紹介した機能はごく一部です。他にもたくさんの機能を駆使して、担当者に適切に早くユーザーの声が届くように日々アップデートをしています。
ご意見から改善に繋がっている事例
スポットの情報修正、新規登録、閉店などによる削除
お店や施設などのスポット情報は適時更新をしていますが、全てを常に最新の状態にするのは現状は難しいです。更新情報の取得手段の一つとしてユーザーから送られてくるご意見をトリガーに現況を調査し、データを最新化する対応は日々行っております。
不具合の情報提供から修正
不具合はOSのバージョンや特定の手順で起きる場合があり、ご意見でお送りいただく情報が解決への貴重な手がかりとなるケースが多くあります。
ご利用の際、ご不便を感じましたらお手数をおかけいたしますが、ご意見をお送りただけますと幸いです。
ご要望から新機能を開発
いただいたご意見を参考に、各プロダクトの開発チームにて検討し新機能としてリリースすることがあります。最近リリースいたしました「復元ルート」「OBD2対応」を例にいただいたご意見をご紹介いたします。
『トラックカーナビ』の「復元ルート」
ただ単に走行したルートのログから復元をするのではなく、再度経路探索をした時点での渋滞の状況や規制を考慮する形でリリースをしています。
『カーナビタイム』の「OBD2対応」
スマートフォンでの位置測位はGPSセンサーを活用していますが、トンネル内ではGPSの電波を受信できない場合に位置情報を正しく取得できないことがあった課題を、OBD2接続をすることにより改善に繋げています。
OBD2の詳細につきましては、別途記事化をしておりますので、気になる方はご覧いただけますと嬉しいです。
今後の展望
ご意見箱を通じて、ユーザーとのコミュニケーションが活性化したり、意図を汲み取りやすくするような機能追加を行っていきたいと考えております。
例えばご意見箱にスクリーンショットを添付したいというご意見。
こちらは定期的に来ておりますので、ユーザーが利用しやすくすることはもちろんですが、いただいた画像を効率よく管理するにはどうすればよいかを踏まえ検討をしていきます。
VOC管理ツールの各プロダクトへの導入が進んだことで、ご意見に少しずつ返信をすることができてきました。ユーザー1人1人の声に寄り添いながらプロダクトをよりよくしていくため、もっとコミュニケーションを円滑にできるように本ツールをどんどんブラッシュアップしていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。