開発チームがターゲットユーザーと会話するメリット
こんにちは、dayuです。
ナビタイムジャパンで『トラックカーナビ by NAVITIME』のデザインやプロモーションを担当しています。
2024年5月、『トラックカーナビ』は東北自動車道の蓮田サービスエリア(上り線)にてトラックドライバーのリサーチを目的としたイベントを実施しました。
当日は私を含めた開発チーム4人が現地へ赴き、サービスエリアに立ち寄ったトラックドライバーへのヒアリングやアンケート調査、サービスエリアの実地調査などを行いました。
このnoteでは「サービス開発者がユーザーと対面で話すことのメリット」についてお話ししていきます。
ユーザーリサーチイベントを実施する目的
プロダクト改善のためのユーザーリサーチやサービス認知のためのプロモーションが主な目的の本イベントですが、
「開発者がトラックドライバー(=ターゲット)と直接話す機会を設ける」ことも重要な目的の1つとして掲げていました。
ナビタイムジャパンではBtoB、BtoC、BtoGなど、様々な分野に向けたサービスを提供しています。『トラックカーナビ』はBtoCサービスの位置付けですが、コンシューマーとなるのはトラックドライバーです。
特定の職業の従事者を対象とするとなると、弊社の他サービス『NAVITIME』や『ドライブサポーター』のように開発者自身がターゲットユーザーになるのは容易ではありません。自分ではない誰かに向けたサービスを作るためには、ユーザー理解とドメイン理解の重要度がより高くなります。
チームでは普段、アプリ内のご意見投稿機能やアンケート機能を通じてユーザーの声を収集したり、その他定期的に物流関連の企業様にご協力いただいたりなどをして業界理解を深めています。
今回のように実際にトラックドライバーに会うためのイベントを設計・開催するのは今回で4度目となりました。
実際に現地で行ったこと
現地ではユーザーリサーチのために以下のようなことを実施しました。
シールアンケート
アンケートパネルを用意し立ち寄っていただいたトラックドライバーに、回答のシールを貼ってもらいました。
ヒアリング
事前に用意していたヒアリングシートを基にトラックドライバーの働き方について伺いました。シールアンケートの内容から派生した質問から始まり、実際に話すことで「今日も安全運転で頑張ってください」等と言葉をかけることもできました。
フィールドリサーチ
サービスエリアのトラックの滞在時間、ナンバープレート、駐車マスの情報、車両サイズなど、アプリ分析やデスクリサーチだけでは掴みきれない現地の情報を収集しました。
参加した開発者の声
当日参加してくれた開発者は、それぞれが新しい発見を得ることができました。以下はその一部です。
新リリース機能の認知度
ヒアリングの中でお困りごとを教えていただいた際、実はすでに『トラックカーナビ』でリリース済みの機能で、そのままご案内に至るシーンが何度かありました。
機能をリリースする際には認知いただけるよういくつかの方法で展開していますが、未だ多くのユーザーにまだ知られていない、もしくは使用されていない状態が判明しました。機能の認知度向上のための施策を引き続き検討していく必要があります。
スマートフォン操作の習熟度
実際にお話を聞いたり、アプリ操作を見せていただく中で、ユーザーの中にはスマートフォンの操作にあまり慣れていない方も多いことに改めて気づくことができました。
様々な世代のトラックドライバーが利用するサービスだからこそ、「ユーザーが操作を発見できるか」は常に大切な観点です。操作が簡単で直感的に使えるインターフェースの重要性を改めて認識することができました。
トラックドライバーの働く環境と現状
トラックドライバーの労働環境や長時間の運転が日常であることを再認識し、彼らのニーズや悩みを直接聞くことができました。
好評の声
複数の方から直接『トラックカーナビ』に対する好評の声をいただくことができました。
普段もストアレビューやご意見機能などでフィードバックを頂戴していますが、「いつも使っている」「初めての場所に行くときは欠かせない」などのポジティブなフィードバックを直接いただけることは大きな励みとなりました。
その他にも、効果的な質問の投げかけ方やインタビュー技術に関する新たな気づきも得られました。どのような問いかけがユーザーから有益な情報を引き出せるか、具体的な方法を学ぶ良い機会となりました。
ユーザーヒアリングを通してチームのモチベーション向上を図る
今回のイベントを通してプロダクト開発者が実際にユーザーの声を聞くことで、ターゲットユーザーが仕事に対して楽しさや課題を抱えていることをよりリアルに実感することができました。
また、今回得られた気づきのように、実際のドライバーの操作練度や課題感は今後の機能検討・開発に役立ち、より良いものを届けるための意識の向上やアウトプットイメージに繋がりやすくなります。
ビジネスの成長やユーザーに良いものを届けるためのニーズ理解のためのヒアリングはもちろん大事です。あわせて、開発チームのモチベーションを高め、維持するためにもヒアリングを活用することができるのではないでしょうか。
さいごに
当日ご協力いただいたトラックドライバーの皆様に深く感謝申し上げます。貴重な声をいただくことで、プロダクト改善のヒントを得ることができました。
今後も同様のイベントを継続して実施する予定です。
ユーザーボイスの収集を続け、ターゲットユーザーに寄り添ったサービスを提供し続けられるよう日々努めてまいります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。