文トレDAY35 3-OA機器販売の会社

電電公社。今、これを書くと中国のとある企業名か？と今の世代の人はいうかもしれない。
今でこそ、電話通信事業は民間のものであるが、私が大学卒業とともに就職した時代は、電話はまだ、電電公社だった、官営の事業体。
就職した4月。世間の話題は、電電公社の民営化が話題になっていた。

その会社、本社は広島。
企業の新人研修は、一ヶ月に及んだ。ずいぶん長いなぁと思った。高卒で入社した会社も新人の研修はあったが、会社の寮に泊まり込みで一週間程度であった。販売に力を入れる会社は、人の研修にも投資を惜しまないのだろうか？今なら、不思議に思うが、その当時は、疑うこともせず、黙々と目の前の課題に取り組んだ。

研修中、面白いエピソードがあるのでここで書いてみる。

焼肉パーティ
電電公社の保養施設で研修をうけていた。ここは、陸の孤島、歩いていけるところにコンビニはない、まして酒場などない。研修受けて飯食って後は寝るだけだ。退屈し切ったある日、こっそり、保養施設の部屋で「焼肉パーティ」を企画する。もちろん、会社には内緒である。各部屋はコテージになっていたのでコンロやお皿などもあったので、あとは食材を調達すれば、準備は整う、研修終了後、公衆電話（携帯のない時代）で電話帳でタクシー会社の電話番号を控え、肉屋、スーパーなどの位置関係を大体頭にインプットした。同室のメンバーに趣旨を説明、会費を集め、公衆電話からタクシー会社に電話し、研修施設のフロントではなく、コテージ側に配車。まんがいち会社の偉いさんにばれたら計画はオジャンになる。
同室のメンバーとタクシーで食材と酒をかってコテージに戻り、「焼肉パーティ」をこっそりと行う。「かおり」を嗅いだ、隣人の新人達が、ドアをノックした。どうしよう。スルーすると、会社にリークされてしまうので、
ドアを開け、口止めのために、焼肉をお裾分けすることにした。幸い、他の新人達と会社側にはバレずに済んだ。

荷物運び代行
この年、新人60人ぐらい採用したんだと思う。研修半ばで、広島の呉の研修所から宮島の研修施設まで各自位移動してくださいと会社から通達があった。みんな、1ヶ月分の身支度のためのスーツケースを持ってきているので、結構移動も大変。そこで私は、荷物の移動（運搬）を買って出る。
レンタカーを一台借り、呉から宮島までみんなの荷物を運ぶことを思いつく。しかし、ここで儲けるとみんなと会社から文句をいわれそうなので、私と、同乗してくれる昼飯代だけプラスにする予算を頭わりして申し込みを募る。何人申し込みがあったか、忘れたけどほとんど、OK、新人意外の社員の人も申し込みがあった。

そんな、ちょっとした「遊び」をやった研修も終了し、大阪営業所の配属になる。

やった！念願の営業職だ。

大阪で上司について営業に回る。私は、キャドソフトを設計事務所に行って営業した。なかなか売れないものである。当時のCADソフトは現在流通している金額よりかなり高価、数100万円していたように記憶している。
もっと売る方法を考えなくては・・・・

辞令
大阪営業所に勤めて、約一ヶ月。会社から辞令がでる。

辞令
渡邊繁一殿
○年○月○日をもって、現職の任を解き、
○○○○○○のソフトウェア研究所株式会社への出向を命ずる。

なんじゃこれは！・・・・
営業志向で応募したのにも関わらず、本人に何の事前コンタクトもせず、いきなり、ソフト開発の仕事をしてください・・・と、寝耳に水である。

結論は、早かった。
30秒後、
「辞めます」と報告していた。