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外から見た日本 と 内から見たドイツ

前回のnoteの記事を投稿した直後、約2週間、弾丸で日本へ一時帰国をしていました。
わたしの彼の仕事が2月から変わるタイミングで有休消化があり、もともとは一人でインドへ行くことを考えていた彼ですが、やっぱりひとり旅は面白くない!となり、私も急遽、有休を取り、2人で日本へ。

あまりにも急の日本帰国。私の両親に連絡をした際には、「嬉しいけど、急すぎるわ(笑)」と3回も言われました(笑)

去年の2月に初めて日本を訪れた彼。初めての私の家族との対面は緊張していましたが、すぐに打ち解けて仲良くなりました。

温泉やコンビニ、寿司、とんかつ、たこ焼き、そのほかの日本食も大好きで、日本のコーヒー文化が最先端をいっていることもあり、今回もどちらかというと彼の希望で日本旅行が決定。
私もまさか1年以内にまた家族に会えるとは思っていなかったので、すごく楽しみに旅行出発日を迎えました。


航空券に含まれる付加価値

出発日当日、フランクフルト空港へ。
この空港に来るのも何度目かになるが、方向音痴な私は未だに、空港の全体図を覚えられないでいる。

今回はANAで航空券を購入。ルフトハンザ航空との提携便で日本へ向かうため、ルフトハンザ航空のチェックインカウンターへと足を運ぶ。

数人の旅行客がチェックインをするため有人カウンターへの順番待ちをしている。それほど列は長くない。
私たちも預け荷物があるため、カウンターへ並ぶ列へ入ろうとすると、空港スタッフが自動チェックインがあるからそちらへどうぞ、と声をかけてくる。

有人チェックインカウンターから少し離れた場所に、自動チェックインを行う機械が並んでいる。私たちもパスポートを出し、チェックインを進めていく。
彼が2人分のパスポートをスキャンし、確認作業を行なっていく。彼が預け荷物の個数をチェックしようと、「戻る」画面を押すが、エラーと表示される。その時点ですでに彼は、コンピュータで自分たちで行う自動チェックインにあまり良い印象を抱いていない様子。
なんとかチェックインが終わり、預け荷物に貼るタグシールや私たちのチケットが印刷されて出てくる。


今回はフランクフルトから羽田空港で国内線に乗り継ぎ、伊丹空港へと向かう。1年ぶりの日本旅行で忘れてしまっていた預け荷物のピックアップについて、確認をしておこうと自動チェックインの機械の横に立っている空港スタッフに、「羽田空港で日本の国内線に乗り継ぎをするが預けたスーツケースの受け取りは必要か」と尋ねる。
すると空港スタッフは、私たちのチケットを見て、無愛想に、少しめんどくさそうに「いいえ、荷物はピックアップしなくてもいいわ」とだけ答える。

聞いておいて言うのもなんだが、入国審査をするのは羽田空港で、そこから国内線に乗り継ぐのだから預け荷物を拾ってから、国内線へ乗り継ぐのではと思った私たちは、この空港スタッフの回答をすぐには信じられなかった。

疑心暗鬼のまま、預け荷物を預けるカウンターへ行こうとすると別の空港スタッフが、「あなたの荷物は規格外のサイズになるので、あちらのカウンターへ行ってください」と声をかけてくる。
(私はスーツケース、彼は大きいバックパックを持ってきている)

言われるがまま、規格外預け荷物のドロップオフのカウンターへ行く。
このカウンターではペットやサーフボード、ゴルフクラブなどの”規格外”の荷物の受け取りを対応している。

カウンターで椅子に座りながら、雑談をしているスタッフ2〜3名。
飼い主が対応するべき”何か”をしておらず、大きな声で文句を言いながら、ペットの入ったケージに何かを取り付けているスタッフ。
ふと、この人たち大丈夫かな、と思ってしまう。

私たちがカウンターの前に立っているにも関わらず、雑談をやめないスタッフ。
彼が荷物を預けたいんですが、と近づいていき、初めて、対応する姿勢を見せるスタッフ。だが、まだ椅子に座っている。
彼の荷物のタグシールを貼る箇所が違ったようで、張り替えてと言ってくる。
少し手間取っている彼を横目に、雑談を続けるスタッフたち。

確かに私たちの荷物で、私たちがこの荷物を預けたい、ということに変わりはないが、目の前で、彼がシールを張り替える作業をして、ただ雑談をしている彼らを見て、「なんであなた(彼)が作業をして、このスタッフたちは椅子に座って喋ってるだけなん、この人たちがするべきやで」と大きめの声で言う私。
それが聞こえたのか、雑談していたうちの1人が「大丈夫ですか」とわざとらしく、彼に言う。

お客様は神様だ、なんてことは1ミリも思っていないが、「なんでやねん」と思わされるドイツでの”接客”。
(彼らが接客と思っているかどうかなのだが。。)


ドロップオフを終えて、気になっていた荷物のピックアップを思い出す。

有人チェックインカウンターに座っている別のスタッフに声をかける。

私たちのチケットを見ただけでは判断ができなさそうにする彼は、コンピュータで旅行行程をチェックして、確認をしてくれている。
すると、彼は「羽田空港での預け荷物の受け取りが必要ですね」と穏やかに回答してくれる。
ありがとうございますとお礼を言う私たちに、彼も「いえ、私も勉強になりました」と笑顔で答えてくれる。

確認が取れたことで、安心できた私たち。
自動チェックインカウンターの空港スタッフと有人カウンターの空港スタッフ。同じ航空会社の制服を着ている。ポジションが違うことで、知っている情報とそうでない情報の差はあるのかもしれないが、あまりの対応の違いに彼への感謝と別のスタッフの対応の残念さの両方の気持ちが残った。

AIの発達により、どの業界でもコンピュータが導入され、人件費削減のために人の仕事が機械に置き換えられていっている。

スーパーでのセルフレジやヨーロッパ内(EU内)での短距離航空券などの自動チェックイン・オンラインチェックインであれば、利便性も理解でき、必ずしも「人」が対応をする必要はないのかもしれない。

だが、決して安くはない長距離航空券には、燃油や機内でのサービス代のほかにも「安心」という旅行には欠かせない付加価値的なものも含まれているのではと思った。


美しい国、日本

約1年ぶりの日本。帰ってくる度に、なんとも言えない気持ちになる。
私の家族がいて、友達がいて、グーグルマップなしで歩き回れる街がある。
英語やドイツ語と違い、”何も考えなくても”理解できる日本語。
日本という国単位での愛着はないが、やっぱりここは私が知っている土地だなあと感じる。

学生の頃から、私にとって、日本はどこか窮屈で、自分はここに属していないという感覚があり、海外にばかり目を向けていた。
海外は刺激的で、みんなが好きな生き方をして、個性に溢れて、自分らしくいられる場所というイメージを抱いていた。

実際に、海外で暮らすようになって、外から日本を見ることが多くなった。
Made in Japanはやっぱり強いし、海外の人からの日本、日本人へのイメージもポジティブなものが多い。漫画やアニメのおかげで初対面の人とでもなにかしらの話題を見つけることも容易だと思う。
noteの記事を書くようになって、「日本」という国、日本人である自分を意識することも多くなった。


正直、未だに、日本は窮屈だとは思う。
マスメディアによって作り上げられる概念、価値観。
交通規則などのルールは守らないが、世間の目は気にする文化。
”公平”にこだわり、”平等”にこだわらない日本人。

今回の日本滞在中、街を歩いていて広告の多さに改めて驚いた
目から入ってくる情報だけでなく、どこでも音が鳴っている。
これだけ多くの情報に日々、囲まれていたら、そりゃ疲れるよな、と思った。

断捨離の基本でもあるが、「物が増えると人は疲れる」。目に見える物すべてに情報がついてまわるから、目の前を一時的にでも整えるのはそれだけで意味のあることだと思う。
不要な物(情報)に囲まれているから自分の好きがわからなくなる。
マスメディアや広告に価値観をインストールされてしまっていることに気づいていない人もいる。

”欲しいものをちゃんと選ぶとか、自発的に何か行動するということを練習しないし、それをガマンするように指導するのに、好きなものを見つけることが重要だと言い続けるのは大きな自己矛盾を生み出しうる欠陥であり、自己選択に意味がなく、不安感が募る社会にしてしまっているのです。”

「日本再興戦略」


でも、それも外から見て初めて気づいた日本だった。
日本に暮らしている時は、”それ”が普通で、自分がどれだけの情報に囲まれているかなんて”気づき”もしなかった。

外から日本を見るようになって、美しい日本にも気づくこともできた。
日本に旅行で帰ってくると、滞在中になるべくいろんなことをしよう、いろんなところへ行こうと計画を立てる。
今回は関西だけでなく、大分や広島にも訪れた。

日本には美味しいご当地の食べ物がある。
美しい景色が溢れている。
写真で見たことのある有名な観光地も自分の足で訪れて、自分の目で見ないと感じ取れるものが違うなと当たり前だが改めて気づかされた。
もっと学生の頃から国内旅行をしておけばよかったと今では思う。

まだまだ自分は視野が狭かったのだな、と反省もした。
「若かったな、自分 」と過去の自分を客観視することもできた。

私の甥っ子や姪っ子には、若い時からたくさんの世界をみてほしいとも思った。私が海外にいることで、それがきっかけになり、彼らにもいろんな機会が増えるといいな、役に立てればいいなと思う。

私もまだまだいろんな世界を見て、いろんな価値観や考え方に触れたいと思う。

次、日本に帰れるのはいつになるかな。
それまで、みんなが変わらず、元気でいられますように。






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