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職場に推しがいること Final

半年間。
短い時間。

私は濃く忘れられない、忘れたくない時間を過ごした。

私はたった半年間の短い時間だった。

でも、濃い時間だった。
私の中で、夢が決まった時間だった。
決意が揺らぐどころか
強く定まる時間だった。

そう思えたのも私の職場が暖かく、穏やかだったと思えるからだ。

天のような職場でひとつ
心残り?
いや、行き場を失った思いがある。

もう、推しに会えなくなるのだ。

推し。うん、推し。
すごく綺麗で、窓から差し込む斜陽がとても似合う。
いや?でも雨の日の優しい雰囲気も好きだ。

送別会で近くに居た推しは、やはり素敵で。
直視できない。
上手く話せない。
話しかけてくれたこともあったのに。

何故かどの飲み会も席が近かった様な気がする。
いや、私がそう見えてるからか。

もう会えなくなることを実感して思うことがある。

これはきっと"推し"ではなかったんだろう。

きっと"恋"だったんだろう。

なんて今更どうということは無い。

推しが居ない晴れの日も
推しが居ない雨の日も

推しが居ないつまらない日も
推しが居ない楽しい日も

世界のどこかで
あの職場で

きっと推しは元気でいる。

私の気持ちはきっと春の強い風に押されて産まれた気の所為なのである。

きっと、きっと気の所為だ。

でも、
でも、やっぱり恋だったんだよ。

私も認めよう。

でも、

伝えていい言葉と
伝えてはいけない言葉と

伝えなくて良かった言葉と
伝えない方が良かった言葉。

世界には色々な言葉が溢れている。

私のそれはきっと、伝えなくて良かった言葉だ。


さて、明日最後に推しに会いに行く。
きっと話すことも無いだろう。

"お疲れ様でした。"

それで終わるだろう。
でも、私は、

だけど、実は、

本当は、あ、嘘です。なんも無いです。

"お疲れ様でした、"


最後まで読んでくれたあなたに。

僕の推し活の終わりを見届けてくれて
ありがとう。

君の推し活に幸多く在らんことを。

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