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ペルーで波乗り⑥〜クスコ、ドキドキ編後編(強いて言えばリカバリー)〜

トラブル続きのマチュピチュ遺跡探訪を終え、下りのバスに乗り込んだ私たち。
もはやパブロフの犬的にバスで爆睡後(毎回、寝るまいと思ってはいる)、麓の村に帰ってきました。

今日はここから、またビスタドームに乗ってオリャイタイタイボ駅まで戻り、そこから更に車でクスコの方まで戻る旅程です。(結構長い。)

ビスタドーム発車まで時間があるので、マチュピチュ村の地図を見ていて気になった温泉に行ってみない?と後輩へ打診。我々のいるエリアから温泉まではちょっと歩きます。

後輩は引き続き眠いらしく、遠くの温泉よりも近くのマッサージはどうですか?と逆提案あり、その辺にあったマッサージ屋に頼めるか聞きますが、予約があくのは3時間後。それだともう出発時間なので無理です。

うーん、どうしよう、と思いながら広場(Plaza Manco Capac)へ行き、とりあえずベンチで休憩します。後輩は寝始めました。

私ものんびりするのは嫌いではないですが、さすがに2時間以上ベンチに座っているのは退屈です。
やはり温泉に足を運ぶか、若しくは別のアトラクションが無いか、検討したいところです。

なんて考えていると、観光者向けの無料のパンフレット等が置いてあるスタンドがあるのが目につきました。

観光地では一瞬の隙にスリにあったりする、のに寝ている後輩を置いてスタンドに行ったら二十瞬くらいになりそうですが、膝に置いているバックパックの持ち手と両手を絡ませて、スタンドに行きます。

スタンドから戻っても後輩は先ほどの体勢で寝ていたので、二十瞬の間も鞄は無事のようでした。しかし、パンフレットを見ても、やはり目ぼしいものは温泉くらいです。(マーケットは行きしなに見学済み。)

後輩に、やっぱり温泉行こうよーと言いましたが、あと10分寝かせてくれと言われます。結構本気で寝ているので、20分待ってから起こしました。

ようやく起きて歩き始めてくれましたが、タクシーがあるはず、とか言い始めます。
絶対無いやろと思いながら、そうなの?じゃタクシー探そうか?とか言いながら歩きます。(やっぱり無かった。)

そうこうしてる内に、往復を考えるとややギリギリな時間になってきた為、道中を急かします。ノロノロしていてしょうがないので、後輩の荷物も全部私が持って何とか後輩を早歩きさせます。

(歩きたくなくて道中、嘘泣きする後輩)

後輩を急かしまくって、ようやくマチュピチュ温泉の入り口付近に到着!
温泉は日本と違って、水着を着て入ります(温泉は男女共用)。水着は持ってきていないので、レンタルします。

後輩はそこで少し芸人魂を見せて面白い見た目の水着が良いと拘って選んでいました。(これは?と提案したものが何度かダメ出しされました。急いでいるのに。)

さて、肝心のマチュピチュ温泉ですが、温泉というより、温度的にも設備的にも、ぬるめの温水プールという感じで、やや期待していた疲労回復感は得られず。

そもそもちょっと独特な匂いがして、水も濁っていて、肩まで浸かりたい雰囲気ではありませんでした。(後輩の言葉を借りると、「きったなくて鉄くさい」)

ぬるい浴槽から出て、シャワーで鉄臭い温泉水を流そうとするのですが、シャワーが冷水。つらい。後輩は寒さに弱いので私よりだいぶ嫌がっておりました。

寒さに震えながら温泉を出、レンタル水着を返却し、足早に来た道を帰り、駅へ向かいます。

すこーし期待していた疲労回復効果(リカバリー)よりも、むしろ精神肉体的にダメージを受けた温泉体験でしたが、個人的には後悔はありません。付き合わせた後輩はごめん。

(プールのような温泉を背景(さっきまであそこにいた)に、頑張って目を見開いて作った笑顔)

早朝に起き、大荷物を持って暑い中遺跡を散策し、早歩きで冷たい温泉に行って帰って疲労困憊の私達は、その後無事にビスタドームに乗り、安心して眠りにつきました(ここは、バス等よりも安全な認識)。

と思ったのも束の間(体感)、激しいリズムの音で起こされます。寝ていたので、なんの文脈か全く分からないのですが、目をうっすら開けると、派手な衣装の何かが激しい音楽に合わせて踊っています。(私は寝ぼけながら、獅子舞みたいだな、、と思った記憶があります。)

(眠気の中の必死の一枚 by後輩)

ただ、私達の眠りは深く、後輩も私も一瞬うすら目で獅子舞(?)を確認した後、またすぐに入睡しました。

と思ったのも束の間、何故か獅子舞が私たちの席にやってきて、執拗に立って踊るようにけしかけてきます。

後輩も私もノリは良い方で、こう言う時は基本的に誘いに興じるのですが、この時ばかりは本当に深い眠りから叩き起こされながら踊りを強要されたので、そもそも体が動かないし、本当に今だけは無理やねん、、堪忍して、、、という感じでした。

かなりの拒否姿勢を示したにも関わらず、獅子舞は結構長い間私達のところで粘りましたが、ようやく違う方へ行ってくれました。

残念ながら、リマの先輩宅で練習したダンスステップは披露ならず。

そんなこんなで、ビスタドームの列車旅を終え、オリャイタイタイボ駅に戻って参りました。時間は夜の9時頃になっており、周りはもう真っ暗。

暗闇の中、本日最後のガイドと落合い、車に乗せてもらいます。ここから、クスコのホテルまで送ってもらうのです。

暗闇の中を走る車の中で意識を保てる筈もなく、暫くしてからまた寝始める我々でしたが、何だかうるさくて、寒い。

眠いのでそれでも寝ていたものの、だいぶ寒い。

どうやら後輩側の窓が開いているらしく、風がビュービュー吹き込んでいます。しかも、雨も降っているらしく、雨水も吹き込んできています。

8月のペルーの月平均最低気温は2.5℃です。この時は2.5℃よりは暖かかったものの、夜に雨風の吹き込む車内はかなりハードモード。流石に後輩が起きて窓を閉めます。

その後また眠りの底に引きずられる私達。

しかし、少しするとまた冷たい、うるさいが再開しました。

見るとまた窓が開いています。さっき閉めたのに!
後輩がまた閉めますが、運転手が笑っています。どうやら運転手のイタズラだったようです。

そんな感じで安眠を阻害されつつ、23時頃にクスコのホテルに到着しました。周りは真っ暗!

私達はここで自分達がものすごく空腹なことに気がつきます(今までずっと寝てたので気付かなかった)。ホテルにチェックインは出来ましたが、夜も遅いのでホテルのレストランや売店は全て閉まっています。

最後に食べたのは、8時間くらい前、ベロニカさんとやっとの思いで別れた直後のカフェのサンドイッチ。

めっちゃお腹減った、、、でもホテルも、外の街も既に営業終了。

この日の私達の晩御飯は、リマを出る時に先輩が渡してくれた遠足のおやつセットでした。

(先輩が持っていきなさいと詰めてくれました)

2人で豆をぽりぽり食べ、シャワーを浴びて、なぜか日本の番組が映るテレビを少し見、明日の支度をして、長い1日を締め括る「お休み」を言って、本日最後の眠りにつきました。

今回で最終回のつもりが、また思いの外長くなってしまいました。次回で本当に最後です。