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②スポーツと環境問題を考える〜JSPOフォーラム参加してみた

こんにちは。きっかけ編の続きです。

「JSPOスポーツと環境フォーラム」のプログラムはこんな感じでした。(敬称略)

1. オープニングレクチャー
(講師:大津 克哉/東海大学)

2. 基調講演
講演 1「スポーツと環境史について」
(講師:石塚 創也/日本スポーツ協会)

講演 2「ゼロエミッション東京に向けた取組について」
 (講師:神山 一/東京都環境局)

3. パネルディスカッション
(上記3名+上田 藍、宮下 純一/オリンピアン)

資料を見返しながら書いていこうと思ったのですが、資料が保存できていなかった(😱)&ウェブサイトでも公開終了していたので、記憶ベースです。


まず、大津教授の講義。

「なぜ、野球の球団は環境保護活動をするのでしょうか?」というYahoo知恵袋の質問が示されたスライドからスタート。

「スポーツと環境」を結びつけて考える人はまだ少ないかもしれないけど、良い環境と言うのはスポーツにとって欠かせないもので、それを一番実感しているのはアスリート、と言う話。

これはきっかけ編に書いた、私が実感したことであり、共感。(でも、どれだけの人が共感できるのかは微妙だなーとも思った。)

そして、色々なスポーツ団体や大会での環境に対する取り組みの紹介。
トライアスロンの大会前の海岸のゴミ拾いや、スポーツ大会のウェブサイトで大会を観に来る観戦者が(大会観戦に行くまでの)自身のカーボンフットプリントを計算できるようにした例など。

トライアスロンは海を泳ぐわけで、海洋汚染はかなり直接的な問題です。産業廃棄物だらけの海ではレース出来ないですよね。

スポーツが環境から受ける影響だけではなく、環境がスポーツに影響を受ける場合も言及あり。例えば、競技場を作る際に自然破壊が行われたり、大規模な大会が開催される際に大量の廃棄物(観戦者のゴミとか)やエネルギーの消費があることなど。

途中で競泳選手の一ノ瀬メイさん(リオパラリンピック代表)の新聞寄稿について紹介があり、気になったのでインスタでフォローし始めました。環境への意識が高く、ヴィーガンなので、情報発信を興味深くみています。
ちなみに、彼女が現在住んでいる南オーストラリア州は、使い捨てプラスチック(single-use plastic)を今年の3月から禁止にするそうです。すごい。

次は、基調講演。

石塚さんは、オリンピックと環境問題の歴史を振り返る講義でした。
こちらに石塚さんのレポートがあったので、思い出しつつ、レポート読みつつ書いています。)

オリンピックにおいて初めて環境破壊がトピックになったのは1932年の冬季オリンピック(アメリカ、Lake Placid)とのこと。

オリンピックの競技場が州立公園内に建設されるとのことで、レークプラシッド(Lake Placid)の地元の環境保護団体が抗議活動を行ったものの、結局、競技場は建設。

時は飛んで、1972年。
札幌開催の冬季オリンピック開催が決定した際も、支笏洞爺湖国立公園内にある、恵庭岳が滑降競技場の会場になる計画になっており、地元の環境保護団体(北海道自然保護協会)がオリンピック大会組織委員会と議論。

大会終了後に競技施設を撤去し跡地に植林を施すとのことで決着。大会後、競技場の復元工事実施。

自然破壊について世論がそこまで高まっていなかった当時、復元工事を実施するに至ったのは評価すべきことかもしれないが、植林しても直ぐに元通りということはなく、現在もまだ工事前の状態に復旧できたとは言えない状況。

講義で恵庭岳の現在の写真紹介があったのですが、木は生えているものの、やはりコースがあった部分と無かった部分とで差が見てとれました。
「恵庭岳 滑降コース」で画像検索してみると出てきます。

ちなみに、環境がテーマになるのは、夏季より冬季オリンピックが多いとのこと。スキー場など、大規模な開発が必要なケースがあるため。

次に神山さんの講義。
東京都のゼロエミッション計画について。

東京都は2050年までにCO2排出量を実質ゼロにする方針の下、「ゼロエミッション東京戦略」を策定。

「省エネ、再エネ」「ゼロエミッションヴィークル」、「水素社会の実現」「プラスチック削減」「食品ロス削減」などのテーマがあり、それぞれ施策を推進しているとのこと。

水素社会、掲げてるの初めて知りました。
水素はステーション作るのが大変でなかなか普及が進んでいないという認識でしたが、水素ステーション整備に向けた支援などもやっているそう。へー。

テーマの中に、「暑さ対策」というのもありました。これは結構身に迫ると言うか、分かりやすい環境変化の弊害だなと感じます。

私がまだ学生だった2010年の夏、『100年に一度の猛暑』とよくニュースで言われていました。その中で部活の練習や合宿をするので本当に辛かった記憶があります。

でも、大学卒業後、母校のコーチや監督をしていた時も、暑かったんです。同じくらい暑いんじゃないか?と思う年もありました。
100年に一度の猛暑が10年内に来てたらおかしいよなーということで、過去平均気温推移を調べてみました。

2010年は確かに7月〜9月の平均気温が高いです。
でも2010年以前の10年と2011年以降の10年を比べると、2011年以降の方が平均気温が高めなのがみて取れます。やっぱり、あの感覚はあながち間違っていなかったんだなーと思いました。

猛暑で部活の練習に多少支障が出るのはまだしも、脱水症状や熱射病で倒れる人や死人が出たりするのは、もはや環境問題の一種と言えるのでは?

講義では、地球温暖化についての動画の紹介もありました。平均気温がこのまま上がり続けた未来の天気予報番組という設定で地球温暖化の影響を説明していました。
動画は、リンク先で公開されています。こじるりさんが出ています。


さて、最後にトライアスロンの上田選手、水泳の宮下(元)選手も加わってパネルディスカッションがありました。大津教授がファシリテーターです。

質問コーナーがあったので、私も質問してみました。「環境問題への取り組みを色々紹介して頂きましたが、他の国と比べて日本の取り組みは進んでいるのでしょうか?それとも、まだまだという感覚でしょうか?」といった内容。

パネリストの皆さんはハッキリした回答はくれませんでしたが、大津教授からはドイツでの取り組みを例に、ヨーロッパでは環境問題への取り組みが日常の中に組み込まれているという話がありました。

どういう話かというと、、
ドイツの地元のサッカークラブのクラブハウスの屋根に太陽光パネルを設置することにし、サポーターに太陽光パネル一枚毎の寄付を募って、その寄付のリターンをクラブチームの定期戦のチケット(人気チケット)とした、というもの。

これ、すごくいいなーと思いました。
こういう、遊び心というか、楽しみを組み込めるのっていいですよね。

パネルディスカッションの中では、「無理せず出来ることからコツコツと」的な発言もあったのですが、個人的にはそれだと遅すぎるのでは?と感じます。

先程のドイツのクラブチームの例や、豪州(の一部の州)で使い捨てプラスチックを禁止するといった規制など、仕組みで打ち取ることを考えていかないと、環境問題の歯止めになるほどの効果は得られない気がします。

とか、偉そうなことを言いつつ、特に私もアクションが出来ているわけではないので、何ができるかは考えたいところ。

ドイツの例は、大学のスポーツ施設でも同じ仕組みをそのまま使えそうです。
その他にも、大学体育会で環境問題に対しての取り組み、というのをテーマにして学生達で何が出来るか考えるというような企画をしても面白いとも思います。

各部の一回の練習につきカーボンフットプリントがいくらになるか計算してみるとか、施設のゴミを減らすにはどうしたらいいか考えてみるとか、大学の研究室とコラボしてみるとかも面白い気がします。(産学連携みたいな感じで、体学連携できたらいいなーというのは前から思っている。)

ちょっと尻切れトンボになってしまいましたが、疲れてきたので今回はこの辺で終わりにしたいと思います。

とりあえず、今週末はホッケーチームの仲間とビーチの清掃活動に行ってくる予定です。

(シンガポールの市中の感染者は1日当たり0〜4人くらいです。)

ではまた。