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【感想】映画「トラペジウム」※ネタバレあり原作未読

はじめに

タイトルの通りトラペジウムを見てきたので感想です。
公開直後くらいから気になってはいたのですが、そもそも映画館があまり好きではなく(だって隣の人席ガチャあるじゃないですか)、早朝か深夜しか映画に行けないので必然的に仕事が一段落したこのタイミングになりました。まぁ仕事は無限に忙しいんですけどね!
ということで駄文と感想です。ちなみに僕は好きではなかったのでトラペジウム好き!トラペジウム嫌いとかいう奴の感想なんて見たくない!って方はmayaさんという素晴らしい文章を書く方の感想みてください。

そもそも

僕はアイドルが好きじゃないです。
僕たちの世代(96年生まれ)は中学時代に死ぬほどAKBが流行った世代であり、大抵の中学男子はAKBに推しメンがいた時代です。でも僕は表向きは「まぁ普通にAKB好きだよ。板野友美とか好きだよ」という態度はとりつつも、普通にAKB好きじゃなかったですし板野友美もかわいいとは思いつつも好きじゃなかったです。なんでしょう……テレビの向こう側のキラキラした世界に興味なかったんですよね…
今でこそ大学時代に触れたVTuber文化やウマ娘でそこまで苦手意識はなくなり、昨年プロアマ6人集めてアイドル短編小説アンソロジーを出したり、最近では学マスをやったりとアイドルに対する好きじゃないなー意識も薄れてきています。でも好きか?と聞かれると「別に……」と心の中の沢尻エリカが顔をのぞかせる感じです。

感想

端的に

物語は面白いだろうけど作品は嫌いだな。これが率直な感想です。
トラペジウムという物語は東ゆうが一緒にアイドルになる仲間を集める前半パート、アイドルとしての絶頂と絶望を得る中盤パート、そしてなんかいい感じになる後半パートに分けられると思います。僕はこの《なんかいい感じになる後半パート》が死ぬほど合わなかったです。そしてその原因が東ゆうという主人公です。

嫌いなところ

なんといっても東ゆう。お前だよ。こいつ嫌いです。
アイドル好きなかわいい女子高生という見た目で、中身はアイドルという虚飾の偶像に囚われて化物のようなやつ。良いキャラだと思います。これをアイドルの女の子が書いているというのもいいですよね。

良いキャラだとは思いますが嫌いです。

前半でゆうがメンバーを集める際に指を折って数を数えていく描写、ボランティアをアイドルになるための手段としか思っていないところ、スキャンダルが発覚したメンバーにため息つくところ、アイドル辞めたいメンバーに華麗なる舌打ちをするところ全部全部ぜーんぶ嫌いです。なんやねんこいつ。そのくせ自分がアイドルではいられなくなると被害者ぶっていっちょ前に悲しんだりしやがって。親に向かって「私って嫌な奴だよね……?」なんて言ってみたり。そうだよ。嫌な奴だよ。よくわかってんじゃん。そのくせ最初はアイドルになるための手段だったメンバーを失うといっちょ前に人間のフリして感情取り戻して泣いてみたりさ。なんだ結局人間じゃん。じゃあ最初から化物ムーブなんてするなよ。メンバーに北とか南とか西なんて個人であることを否定するようなニックネームつけるなよ。そんな風にしか思えません。それならまだ3人のメンバーがアイドル辞めた時に代わりの人間探しに奔走したほうが納得感ありましたよ。化物なら半端に人間になろうとするなよ。
人間のフリをするゆうに他人が巻き込まれて思い出として美化される。こんな物語は素直に楽しめないです。嫌いです

好きなところ

とはいえ物語自体はちゃんとエンタメしていてよかったと思います。お話しの構成もスタンダードでしたしね。
あと好きなところというかこの作品の魔法的なところはアニメという媒体で東ゆうの物語を描いたことだと思います。だってさ、アイドルにあこがれていた化物が終盤は友情ごっこしてなんか歌とか歌っていい感じに終わるのをアニメの綺麗な絵や演出込みで見せられるんですよ?「おぉー、なんかいい感じ」って思うじゃないですか。ラストの大人になった彼女たちがみんなそれぞれありたい自分になれて幸せそうな顔してトラペジウムなんてタイトルつけられた星の写真見ちゃってさ「なんかいい感じ!」になるじゃないですか。そりゃ嫌な感じするわけないですよ。

でも僕はまやかしだと思います。

綺麗な絵や音楽で物語の嫌なところを多い隠すなんてお薬飲めたねで苦い薬飲むようなものですよ。物語の嫌なところは物語で決着つけてほしいですよ!

……これ好きなところの話ですよね?

最後に

ということでトラペジウムの感想でした。
よくも悪くも東ゆうという女の子は2024年に出会ったエンタメ作品の中で一番印象的でしたね。
映画は見てもこうやって感想書くことは少ないですが、これからもたまには感想書きます。


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