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IOTフィットネスマシンは24Hジムに浸透するのか??


IOTフィットネスマシンとは

フィットネスマシンに速度センサーや重力センサーデバイスを連携することで運動の記録を行う事が可能だったり、骨格に合わせて、シートやフレームを自動調整する事で利用者に合わせたセッティングを行う事が可能な最新のフィットネスマシンの事を示しています。


IOTフィットネスマシンの期待値が高いフィットネスマシンブランド3社

techno gym
イタリアのフィットネスマシンサプライヤーで、ブランド名にもある通りテクノロジー×フィットネスマシンというカテゴリーで業界をリードしている。
近年では バイオサーキットという完全デジタル型かつ電子制御による負荷が特徴のフィットネスマシンの販売を行なっている。

Milon
ドイツのフィットネスマシンサプライヤーで、完全にIOTフィットネスマシンに特化したメーカー。
全てのフィットネスマシンを電子制御により負荷コントロールを行い、民間フィットネスクラブというより、
高齢者やヘルスケア領域のフィットネスクラブへの導入が多い印象。
顧客の身体測定を行い、→フィットネスマシンでもデータ取得を行う。ソリューション全体を提供している。

SHUA
著者の運営する株式会社NATUREFITNESSで販売も行っている中国のフィットネスマシンサプライヤーであり、
中国のフィットネスマシンメーカーでは数少ない上海株式に上場している企業。
特徴は、電子制御での負荷制御ではなく、既存のフィットネスマシンの内部に速度センサーや重量センサーデバイスを内蔵する事で、今までと同じ設備環境で重量や速度、回数などデータ測定が可能。

アドバジム
Sonyの協業によって開発された後付け型のIOTデバイスであり、どのメーカーのフィットネスマシンにも後付けが可能。
専用アプリケーションで、運動ログの管理などが可能。


シェアは拡大するのか??

これらのIOTフィットネスマシンおよびIOTデバイスのシェアが今後広がるのか。私の考えでは、2つの問題点をクリアしない限りなかなか日本市場には広がらないと考えています。


課題1:マネタイズの問題
現在の業界構造として
フィットネスマシンメーカー→フィットネスクラブ運営会社に販売を行うBtoBのビジネスモデル。
フィットネスマシンメーカーが収益性を担保する為には、デバイスに連動するクラウド管理費用や導入費用を必ずマネタイズする必要があります。

・IOTフィットネスマシンの販売価格高
・毎月月額費用が発生する

このコストのしわ寄せは、フィットネスクラブの会員の月会費に反映されますので、このコストを今までと同じコスト感を実現しないとシェアの拡大は厳しい印象。。。


課題2:認証の問題
フィットネスマシンと顧客情報を紐づけるために、現状認証行為が必要です。この認証は現在
・Bluetooth(携帯のBluetooth連携)
・RFID(ICカードなどの磁気商品で連携)
の2つが主流です。

この2つは、どちらも物理的な(物)を使わないと認証ができないために、例えばICカードを忘れたり、携帯の充電が切れてしまうと利用できない。
という弱点があります。
利用者は、毎回マシンに自分の認証をさせるために(物)を出さないといけないため、顧客体験にマイナス影響が生じている。


この2つが大きな課題感なのではないかと個人的に考えています。
弊社はSHUAの製品を販売していますが、現状IOTデバイス自体は販売をまだ行っていないのには上記の理由の為です。

中国での成功事例


IOTフィットネスマシンの普及が浸透している国があります。
それが中国です。
中国ではIOTデバイスは安価な重量センサーや速度センサーデバイスをマシンの基本設計の中に組み込むことで、マシン販売価格も低い状況でシェアされています。
また、フィットネスマシンの運動データだけでなく、顧客管理、入退出管理など、フィットネスクラブ全体の運営を行うソリューションをフェイスIDで統合されています。そのソリューションの一部としてIOTフィットネスマシンがあるため、月額のコストなど大きく費用がかからず、IOT連携が可能になっています。


これは、Wechatというプラットフォーム上でシステムが構築されているため実現できている特殊なスキームであり、日本ではまだ実現できていない世界観です。


この中国での顧客体験を日本でイメージすると
LINEに登録している個人情報とフェイスIDをそのままフィットネスクラブの会員登録の際に利用でき、決済もLinePayから自動で支払われ、フィットネスジムに行って運動すると勝手にジム内の運動のデータが取得されている。

みたいな世界観です。
とても簡便で便利ですね。


日本でこれを実現することは個人情報の保護の観点やITインフラの法整備が遅いために、世界に遅れをとっています。
ですので1からこのスキームを組み、開発する必要があります。なかなかに難易度が高いです。。。


このように、夢のある新しいフィットネスクラブの形は見えているものの、経営が成り立つのか。運営は簡素化されるのか。ITインフラは整っているのか。日本ではボトルネックとなる部分は多い。。。



ですが、技術は後進する事はありません。 
2025年にかけてこれらのフィットネス設備インフラは大きく変わりそうですね。




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