ヨガスタイル×森林セラピー
2022年8月、シンガポール在住のヨガ講師、Kasmara Tomokoさんが「月伝説の地、佐久市望月」に遊びに来てくださいました。
ヨガスタイルで森を味わっていく、Kasmara Tomokoさんの豊かな森時間をご紹介してます。
望月の地で月とつながる
森に入る前に中山道の「望月宿」に立ち寄り、月と縁をつなぐスポットを巡りました。
望月山城光院(もちづきさんじょうこういん)
まず向かったのは望月山城光院です。
とても良い気の流れる城光院の境内には、「月の模様」が丸く浮き出ている「月輪石(つきのわいし)」が安置されています。
Kasmaraさんは「月のポーズ」で月とのつながりを意識していました。
大伴神社(おおともじんじゃ)
爽やかな気の流れる城光院から移動して、次に向かったのは大伴神社。
日本書紀・古事記で天照大御神、須佐男命とともに世界を治める神「月読命(つくよみのみこと)」を祀る神社で、景行天皇の頃(古墳時代)が始まりとされる、とても古い神社です。
月読命の他に天忍日命、天道根命が祀られています。
望月宿場通りから異世界への扉が開くような鳥居をくぐり、石段を登ると特別な気配に満ちた本殿を参拝することができます。
また、本殿には月読命とされる「竜馬に乗って海原を渡る武者」の絵が飾られています。
ここで身を清め、安全を祈願してから月読命と縁の深い「春日の森」へと向かいました。
森林セラピーロード春日の森
遠い昔、月読命が降臨したとされる春日にある森は健康増進効果が確認された「森林セラピーロード」として認定されています。
セラピーロード入り口には小径や植生についての案内看板が設置されています。
森で五感を丁寧に開き、本来の力を取り戻す
森林セラピーでは五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚)を開き、人間本来の感覚を取り戻していきます。
今回は森林セラピストによるガイディングは最低限にし、Kasmaraさんの感性を優先して森をたっぷり味わっていただきました。
「視覚が優位に働きすぎる」とご自身で気づき、目を閉じての活動を増やしたり、大地を素足で踏みしめ、地球とつながる「グラウンディング」を意識したり、普段のヨガ活動を応用しながら、Kasmaraさんはゆったりと森を歩いていきます。
素足で落ち葉の堆積した小径を歩きながら「ものすごい数の生命がこの中にいる」と素晴らしい感性を発揮されていました。
森林セラピーでは必須プログラムのひとつ「森林散策」をこのくらい丁寧に行なっていただくと、健康増進効果も高いと思います。
森には自律神経調整・免疫向上などといった健康増進効果が確認されており、2時間の森林セラピーで1ヶ月程度は健康増進効果が持続することもわかっています。
森のアロマを楽しむ
樹木から発生する香り成分はフィトンチッドと呼ばれ、自律神経や免疫などに働きかけてくれます。アロマセラピーもこのような樹木成分を利用しています。身近なところではヒノキ風呂の香りでリラックスした経験のある方なども多いのではないでしょうか。
春日の森はカラマツが多いのですが、落葉低木もたくさん自生しています。
そうした低木や野草で香りのあるものがいくつかあるので、Kasmaraさんに香りを楽しんでいただきました。次のような草木の香りを嗅いでいただきましたが、特にダンコウバイがお気に召したようです。
アブラチャン
ダンコウバイ
イヌザンショウ
ヨモギ
香り以外でもこの森にはヤエガワカンバ(ジリの木)という少し珍しい樹木があるので、ウエハースのような特殊な木肌の触り心地も感じていただきました。
森でのヨガ時間
ゆっくりゆっくり五感を使いながら森を歩いていただいた後、通常は「森林安息」といって森の中でじっくり心身を休ませる時間を取りますが、Kasmaraさんには特別なガイディングをせず、森に導かれるままのヨガ時間にしていただきました。
森で瞑想したりするときは無防備になりますので、森に詳しいガイドに安全管理してもらうことが重要です。
佐久地域の食材をいただく
五感を開くうえで忘れてはならないのが味覚です。蕎麦&創作料理「職人館」にご案内して地産地消の滋味あふれる料理をマインドフルに味わっていただきました。
春日渓谷と霊泉「御鹿の湯」
神の矢から湧き出た鹿曲川(かくまがわ)
午後の気温が上がる時間帯はマイナスイオンたっぷりの春日渓谷へ。
春日渓谷を流れる鹿曲川はかつて「角馬川」と呼ばれていたそうです。
大海原から竜馬に乗って川を遡ってきた月読命はこの望月の地に降り立ち、金の矢を投げたそうです。するとその矢の刺さった場所から清水が湧き出し、現在の鹿曲川になりました。
月読命が乗ってきた「角と鱗のある竜馬」の血を継ぐ名馬は長年朝廷に献上され、この地は「望月の牧」として栄えてきました。
この清らかな鹿曲川でKasmaraさんには「冷水足浴」を体験してもらいました。
ドイツの有名な自然療法「クナイプ療法」でも水の力を身体の治療に応用する水療法が5つの柱の一つに位置付けられています。
御鹿の湯
古くから病や傷を治す霊泉として知られていた「御鹿の湯」ですが、戦乱の時代などを経てその存在はいつしか忘れられていました。
ある時、信心深い猟師の夢にお告げがあり、お告げの場所を訪れると鹿に導かれるように現在の春日温泉の源泉となっている「御鹿の湯」を発見し、再び利用されるようになったそうです。
森林セラピーのすすめ
Kasmara Tomokoさんのヨガスタイルを取り入れた森の楽しみ方はいかがでしたか?
Kasmaraさんのように生活の中にヨガを取り入れてみたい方は、ぜひKasmaraさんのYouTubeチャンネル「TomokoSG」に登録し、動画を見て挑戦してみましょう。
Kasmaraさんが日本に滞在されている時には、この森でヨガのレクチャーを受けながら効果の高い森林セラピー体験をすることもできるかもしれませんね。
今回の森林セラピールートはこの記事の筆者、白石真樹がおすすめスポットを順にご案内しています。
月読命とつながる神秘の地「望月」で特別なリトリートを体験したい方には四季折々に合わせたスポットをご紹介します。
Kasmara Tomoko
森の案内人 白石真樹
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