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甘い「あん」の言葉に耳をすまして

しばらくぶりのnoteです。

ここ二日くらい心身ともに静かに過ごしたかったのですが、どうしても行かなければならない用事があったので、電車にゆられて田舎町を往復。帰ってきてお花に水やりをして、それから「あん」という映画をみていました。

私ははじめてみたのですが、本当に素晴らしい映画でした。静かで情緒があって、役者さんの演技や生活や季節の音が心地良く、ずっと心が震えていました。ご覧になったことがありますか?

実は、見終わってまた2回目をすぐに見ながらこのnoteを書いています。

映画の中で、樹木希林さんが演じる主人公徳江さんのこんな台詞があります。

「私たちはこの世を見るために聞くために生まれてきた。だとすれば何かになれなくても私たちには生きる意味があるのよ。」

仕事ができて、人の力になり、社会に名をはせ、お金を儲け、経済を回す。そういう人が役に立つと褒められる。

でも、この世界のほとんどのことは表に出ない名もなき細やかな営みの繰り返し。誰も知らない気づかない目に見えない褒められないところにあるものこそが、本当の意味で世界を支えている。

だとしたら、いっそ私たちは、役立たずのままで世界を見たり聞いたり、思うままに感じていていいんじゃないかしら。

そんなことを漠然と考えていました。


もう一つ、別の場面で徳江さんは学校がつまらないという女子中学生にこんなことを言います。

「つまるように自分たちでしなさいよ。」

「もっと好きなことやればいいのよ。だって、もう、自由なんだから。」

なんとなくいろいろな制限がじんわりと私たちを蝕むような今だからこそ、誰の目を気にすることもなく、扉を開ければ右にも左にも自分で選んで行けるということの自由さを、知ることができます。


映画「あん」とってもおすすめです。

ここには書かなかった素敵な台詞がたくさんあります。お話の流れの中で、その台詞や情景を味わってみてください。

最後に流れる秦基博さんの歌も、背景にかすかに聞こえる人の声も素敵なので、ぜひエンドロールまで。


「あん」をみていたら和菓子を作りたくなって、おうちにあったわらび粉でわらび餅をつくりました。

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