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空間の魔法

療育の仕事をしている。
私は週5日は正社員でとある療育施設の管理者をしている。そして、1週間に1度、正社員の仕事が休みの日に別の施設で短時間だが働いている。
Wワークは2年ほど前からしており、今年の六月からは以前よりお世話になっていた方が新しく立ち上げた施設で週に1度程度働かせてもらうことになった。(以下事業所Aとする)

事業所Aは4月から工事をしたり、準備を始め、6/1に開所することができた。
代表のBさんのこだわりが詰まった事業所で、子どもたちが遊べる部屋はカラフルでワクワクするデザインになっている。奥の療育部屋は綺麗で丈夫なパーテーションが設置され、全体的に茶色と白で落ち着いている。
とても考えられた空間だなと感心…。

話が前後するようだが、私は2年前に当時Bさんがマネージャーとして勤めていた事業所に週1のアルバイトとして採用された。BさんはWワークであまり使い物にならない私を雇ってくれ、尚且つ今回独立された時も「あなたの経験が他のスタッフにも良い刺激になる。週一でもいいからきてくれないか?」と言ってくれた。
私は勿論OKし、今月からまた一緒に働いている。
一緒に働くスタッフも以前から知っている人ばかりなので、コミュニケーションは取りやすい。
利用する子どもたちも前から知ってる子等がほとんどだが、準備期間の二ヶ月間は会えていなかったので、なんだかみんな一回りくらい成長している。数ヶ月で目に見えて変わってるので幼い子の成長の速さはすごいなと実感。

まだまた始まったばかりの事業所Aだが、代表のBさんが拘っただけあって、利用する子どもたちにも良い変化が起きている。
1番の変化は子ども等の集中力の変化だ。
先述した通り、事業所Aの学習スペース(奥の部屋)は白と茶色で落ち着いており、周りが気にならないようにしっかりとしたパーテーションで区切られている。大袈裟かもしれないが半個室のような雰囲気になっている。
そんな空間にいると子ども達は自然と目の前のことに集中するようになる。以前の事業所だと周りの声が気になって鉛筆を持ってもすぐに立ち上がっていた子が環境が変わっただけで30分近く集中している。
勿論子どもなので短期間で成長した部分はあると思うがそれにしてもここまでの変化が見られるのは空間や環境が影響しているだろう。

特性を持つお子さんは刺激に弱く、定型発達の子とは違い音を拾い過ぎたり、周りが気になり過ぎたりする。学校や保育園では周りの刺激が強過ぎて疲弊してしまう子も多い。私たちが働く療育施設はそうした学校や保育園等で疲れ切った子が癒しを求めて通う場所なので、心地よくすごせて安心できることは1番大切にしないといけない。
安心して過ごせる事がわかれば子どもたちは自分の能力を存分に発揮し、色々な事を吸収し、学んでいく。
しかし、予算がすくないのか経費削減なのかわからないが、こうした空間や環境にあまり配慮がない事業所も複数存在している。療育の内容がしっかりしていればボロボロの机や椅子、パーテーションでも良いと言われる方もいるかもしれない。
確かに療育の質や内容に拘ることは大事だか、それ以前に子どもたちが「あそこに行きたい」「ここにくると落ち着く」と思う空間に拘ることも療育の一環なのではないでしょうか。

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