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ファッション誌の違和感

美容院に行った。
私はここ何年も同じところで同じ美容師さんに髪を切ってもらっている。
その美容師さんは歴が長い女性で、私との付き合いも長いので私の性格をよくわかっており心地よい距離感でコミュニケーションに無駄がない。

私が通っている美容院ではコロナ禍以降雑誌を置かず、代わりにタブレットで複数の雑誌を読む事ができるようになっている。
いつもカラーをする間にタブレットを開き、普段は読まないファッション誌を見るのがだいたいの流れだ。
しかし、ファッション誌を見てもどこかしっくりこない表現が多く、一体これは誰をターゲットにしてるのかな?これに共感する人達はどんな生活レベルなのかな?と思いながらも普段目にしない世界にワクワクしている自分もいる。

例えば、「金欠でも買えるのはこれ!」と書いてあったので、「どれどれ、お安くて可愛いものがあるかな?」と思い見ていると、9000円のトップス、8000円のカーディガン…

金欠の定義とは…9000円の服が買える奴は金欠なのか?

他にも「全身4万円以下で揃う!」と堂々と書かれており、4万円以下で揃うことは自慢できる額なのだろうか?と感じる。
私は関西在住なので、関西のおばちゃんにこれ言ったら怒られそうだなとすぐに思った。
そして私の全身コーデは大体4万の半分もいかない。
子どもの頃よく母が見慣れない服を着て私の前で「これ全身でいくらやと思う?」とクイズを出してくれていた。「1万くらい?」と言うと「あほか!そんなするわけないやん!五千円やで!」と自慢していた。

全身五千円はなかなか難しいかもしれないが、4万は平均ではない気がする。
そして、この「金欠でも買える!」とか「全身4万円以下で揃う!」と言ってる雑誌は30代、特に子育て世代のママに向けたものなのだ。
私はママでも妻でもないネオおばさんだが、子育てをしている友人はいる。
友人は共働き夫婦で、いわゆる日本の平均的な家庭の部類に属していると思う。
友人はおしゃれだか、このファッション誌が提示しているような価格帯の服は着ていない。 
この雑誌と同じような価格帯の服が買える子育て世帯のママは日本の何%なのかと疑問に感じる。

私自身もネオおばさんで、収入は同世代の平均くらいだ。女性なら少し高いくらいかもしれない。しかし、服は高くてもユニクロだ。

ファッション誌は昔から女の憧れ的な要素があるので、基準は少し高めなのだろう。
ただ、SNSが普及している今のご時世において、ネットの世界では日々各々の生活レベルに合い、且つおしゃれなコーディネートを見ることができる。それこそ安いブランドで高級に見せる工夫も無限に見つけられる。

以前ファッション誌を買わない人が増えているという話を何処かで聞いたことがあるが、納得できる。
特にコロナ以降急速に人々の生活も価値観も変わっており、以前は画一的だった女性が憧れるライフスタイルも今は千差万別である。

ファッション誌を否定する気は全くないし、キラキラしたモデルさんやおしゃれなコーディネートは心踊るものがある。
ただ、私にとってはディズニーやジブリ、ハリーポッターと同じカテゴリーでファンタジーの域にあるのだ。
こんなことを書くとファッション誌の関係者の方に酷く怒られそうだが、拗らせ女の独り言だと思ってくれたら幸いです。

次に美容院に行くのは二ヶ月後かな?二ヶ月後のファッション誌のトレンドはなんだろう?楽しみに待っていよう。


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