1度つかんだら絶対離すな。資源を上手に組み合わせていくと長期的なビジネスが出来るようになる。(後編)
前回の記事ではこういうお話しをしました。
まだ見てない方はこちらからご覧下さい。
「じゃあ、守りって何なんですか?」
これを一緒に考えていきましょう。
実は、「守り」がビジネスではとても重要になります。
なぜなら、先程の
攻めだけでは、長期に伸びていくようなビジネスは成立しない
からです。
その理由は、
ビジネスという資産が 崩壊する可能性が高い
からなのです。
実際、攻めがすごく得意で、色々なビジネスで売上を立てることはできるけど、すぐに失敗したり、長くは続かない人がとても多いのです。
でも、あなたは、短期的にも売上が立ち、長期的にも継続して成功し続けるようなビジネスを作りたいと思っていることでしょう。
つまり、5年10年と続くビジネスを作るときに
絶対大事なのが「守り」なのです。
野球もそうですが、攻撃力がすごいチームでも、守りが弱いと負けてしまいます。
ピッチャーや守備が駄目で大量に失点してしまう「守りの練習は何もしていません」というようなチームは、攻めで10点取っても 守りで20点取られて負けという状態になります。
野球はたった1つの守りのミスが一気に流れを変えてしまい負けにつながることがよくあります。しかもたった一球で試合が決まってしまうので、守備の緊張感はとても大きいですし、守りの重要性はこれからも変わらず存在し続けると思います。
逆に、攻めがそれほど強くなくても、守りが強ければ勝てるのです。具体的には、1点取って、相手の攻撃を0点に抑えれば勝ちということです。
甲子園やプロ野球を見ていると分かるのですが、守りが強いチームは負けないのです。点を取られないチームは、当然ですが負けません。
点数を取るという「攻め」はバラツキが大きいのです。でも、「守り」というのはバラツキが少なく安定しているのです。
甲子園でフィーバーするチームは大体好投手を中心とした守りのチームが多いですね。
超高校級のピッチャーが1人がいるだけでも、甲子園に行ったり、無名の高校が初出場、初優勝をしてしまったりすることさえあるのです。
ただし、当然、少しは点数を取らないといけませんから、「攻め」も必要です。そして、1点とって0点に抑えれば勝ち。こんな風に、「守り」が強ければ、「攻め」が弱くても野球は勝てるのです。
伝説の投資家と呼ばれる、ジョージ・ソロスは、「守り」の重要性について、こう言っています。
彼は、投資家ではありますが、ヘッジファンドというビジネスをゼロからスタートして、莫大な富を作りました。
そして、根底にあるのが、この哲学。
「まずは生き残れ。儲けるのはそれからだ」
というものです。
言い換えるならば、これは「守り」の重要性を強調しています。まず守りを固めて生き残れるようにしろ。その後に、攻めて利益を出せ、という順番になるのです。
そして、ソロスは、この哲学を実践したことで、ゼロからのスタートで、80億ドルという資産を築くにいたりました。
つまり、もしあなたが大きく富を築き続けたいと思うのならば、まず生き残ることを第一にすること。そして、その後でお金を稼ぐという順番が大事になるのです。
その結果、
あなたが、この「攻め」と「守り」の両方の視点から資源を組み合わせてビジネスを作ることで、短期的にも、長期的にも成功する「資産家感覚ビジネス」が自然と出来上がっていくのです。
それでは、具体的に
「ビジネスにおける守り」とは何なのか?
解説をしていきます。
ビジネスにおける守りとは、
「価値を守る」ということです。
あなたがすでに作ってきた、価値を提供する仕組みを守ると言ってもいいでしょう。そのために、
会計や法務は、分かりやすく「守り」の一つと言えます。
では、「会計」とは何かと言うと、財務諸表を読めるようになることも大事でなのですが、
まず絶対に必要なことは「資金繰り」です。
資金繰りというのは、ビジネスで使う現金の動きを管理して、現金が足りている状態を維持することです。
ビジネスがゲームオーバーになるときというのは、必要な支払いが出来ないときです。例えば、人件費の支払い、取引業者への支払い、税金の支払いなどなど。
この必要な支払いができないと、全体としては儲かっているのに、倒産してしまうこともあります。いわゆる黒字倒産というやつです。
現金を支払うときには、絶対にそれ以上の現金をあなたは持っていないといけませんよね。
ですから、最低限の資金繰りとして、常に支払いのための現金が足りる状態をキープしましょうということです。
ただし、
この資金繰りは、難しいと思う人が多いので、簡単にイメージを説明します。ですから、今すぐ使えるようになっておいてください。
まず言いたいのは、あなたは絶対に資金繰りに似たことをすでにやっているし、実際に出来ているはずです。
簡単に言うと、資金繰りのイメージは、
「車の運転」と「ガソリン」
なのです。
例えば、東京から大阪に車で行きたいとします。
東京~大阪間は、約500キロです。
東京から大阪に行くために、車で行くならガソリンが必要ですよね。仮に、1リットルで10キロ走るという車があると、10キロ走るごとに1リットルのガソリンが減るということです。
すると、この車で東京から大阪に行くには、何リットルのガソリンが必要だと思いますか?
そうです。500km÷10km/リットル=50リットル以上のガソリンがあれば、東京から大阪に到達できます。
では、もし、ガソリンが途中で無くなりそうになったらどうしますか?
「そりゃ、ガソリンスタンドに行って入れますよ」
とあなたは言うことでしょう。
それは、そうですよね。ガソリンが無くなりそうなのが見えていて、ガソリンを入れる場所も分かっているのですから。
だから、ガソリンが無くなる前に、ガソリンスタンドに行って、補給をする。
要するに、これが資金繰りなんです。
ガソリン車というのは、必ず、動いていくときに、ガソリンを消費します。
どこまで到達したいかという目標がありますが、必ず、動くためにはガソリンを消費するのです。だから、ガソリンメーターを見ながら、ガソリンが無くならないようにガソリンスタンドで入れたりしますね。
これがビジネスの資金繰りと同じなのです。
ビジネスにおいては、商品を仕入れたり、人を雇ったり、広告を出したり、税金を支払ったり、必ずお金がかかります。
インターネットだけでビジネスをすると言っても、インターネット代金や、パソコン代金、また事務所の費用、というものもかかりますよね。
これが、必ず支払いをしないといけないわけです。
先程は、10キロ走るためには、1リットルのガソリンが必要ということを言いました。だから、500キロ走って東京から大阪にいくには、50リットルのガソリンが必要だということでした。
つまり、目標地点に着くために必要なガソリンが、事前に把握を出来ているということです。だから、補給が出来ます。
あなたのビジネスの場合も同様です。
1ヶ月間進めるために、必ず出ていく現金があります。
1年間ビジネスを進めるために、必ず出ていく現金があります。
もちろん、突発的に現金の支払いがあるかもしれません。
そのときにも、金額が足りるようにしないといけないのです。
そのために、ガソリンスタンドに寄るかのように、ビジネスに必要な現金が十分な状態を作り続ける必要があります。
それが、ビジネスの場合は、
というのが主な方法として、ビジネスを回すために必要な、ガソリンである現金を補給しながら進んでいくことになるのです。
お客さんから売上としてもらうか、銀行から借りてくるか、投資家から調達するか、どれかを使って、出ていく現金よりも、保有している現金が多い状態を作り続ける必要があるのです。
ただし、
車の場合はとても便利で
「そろそろガソリンが無くなりそう だからマズイですよ!」
というサインが出ます。ですから、あなたもガス欠になる前に気づけますよね。
しかし、ビジネスでは、自分でチェックする必要があります。なぜなら、車のガソリンメーターのようなものでサインが勝手に出ることはないからです。
そのせいで、儲かっている会社なのに資金繰りが出来なくなって、倒産することもあるのです。
ですから、余裕を持ってビジネスが進められるように、あなたは、いつ、いくらの資金が出ていくのかを把握しておくことが必要なのです。その上で、いつ、いくらの入金があるのかを把握しておきましょう。
そうすることで、早めにガソリンスタンドに寄れるように準備が出来ますね。これが資金繰りという「守り」の1つです。
続いて、もう一つ重要な守り。
「法務の方はどうですか?」
法務は法律に関する業務です。
法律の話はここでは最低限にしますが、健康食品とか美容グッズとかを売るためには、薬事法、薬機法とか景品表示表などの法律がとても重要であると聞いたことがあるかもしれません。
もし、あなたがすでにビジネスをしているならば、少なからず法律に学んだり、接したりしていることもあると思います。例えば、飲食業のように、届け出が必要なビジネスも少なくありません。ですから、簡単でも良いので、法律を理解していないとビジネスが始められないということもあります。
例えば、あなたも聞いたことがないですか?
フグで逮捕という事件。
フグは、調理するには、特別な免許がないといけないのですが、免許なしでフグをお店で出して商売して収益を得て逮捕された、という話もあります。
また、化粧品の会社で宣伝方法が薬事法に引っかかって売れなくなって倒産とか、多額の罰金を支払わされたなどなど、法律に対してあまりに無知であると、ビジネスがそもそも作れないし、続けられなくなることもあるのです。
他にも、有名な人の例も見てみましょう。
あなたは、『金持ち父さん貧乏父さん』のロバート・キヨサキさんという人を知っていますか?
彼は現在は不動産投資で有名ですが、実は、最初に成功させたビジネスでは、ナイロンとマジックテープで、サーファーがサーフィンしているときでも使える財布を作り、大ヒットをさせました。
しかし、そのときにロバート・キヨサキさんは、大きなミスを犯していました。
それは、その商品を、特許で保護していなかったのです。
その結果、せっかく商品は大ヒットしたにも関わらず、特許で守られていないことが原因で模倣品が数多く出てきてしまいました。その結果、その模倣品に押されて、自分たちの商品は全然売れなくなってしまったのです。そして、このビジネスを畳むことになりました。
このとき、ロバート・キヨサキさんは、法律の重要性に気づき、それ以来、法務をとても大事にしているということです。そして、現在では、ロバート・キヨサキさんは、投資もビジネスも様々なものを成功に導き、大きく規模を拡大しているのです。
彼も、収入よりも資産が大事ということを唱えている資産家感覚の持ち主。ですから、法務の大事さを理解して、価値を生む資産を守り、そして、長期的に続くビジネスを作り続けているのです。
このように、
あなたが生み出す価値を保護するために
絶対に守りが欠かせないのです。
ただし、残念ながらほとんどの人は、ビジネスを習うときに、攻めの側面しか習わないのですが、あなたはどうですか?
もちろん、価値提供が最初に大事なことですから、攻めはとても大事。
特に、ビジネスの駆け出しのころであれば、攻めについても良く分からないわけですから、それが出来るだけでも、素晴らしいこと。
しかし、攻めだけで、守りがボロボロだと、野球と同じでどんなに点数を稼いでもそれ以上に失点して負けてしまうことになるのです。
そして、一般的には、多くの人はロバート・キヨサキさんのように、実際に失敗をして、初めて守りの大事さに気づき、そこから会計や法律を勉強していくことが多いのです。
実際、私もいろんな経験から「守り」をすごく大事にしているので、「なぜ、そんなに守りについて色々言うんですか」と聞かれる事があります。ビジネスにおける守りが出来てなくて、絶好調だった人たちが破綻するところを見てきたからだと説明します。。
今私は沖縄に住んでいて、仕事の関係から、周りに建築関連の社長の方とのお付き合いがあります。宮古島もそうですが、本島でもバブル時代のような雰囲気がまだあります。(私はバブル経験者ではありませんが、先輩方がそうおっしゃるのでそう解釈しています。)
しかし、そこで「守り」が出来てなかった人たちのビジネスが破綻してしまったのを見ました。そして、破綻した社長本人もそうですが、その会社の社員さんや、その家族など、多くの人に迷惑をかけたり、不幸になるのを近くで見るほど辛いものはありません。
なので、「攻め」も大事だけど、それと同じか、それ以上に「守り」が重要だと気づき、会計や、法律について重要視をするようになりました。
その結果、資産としてのビジネスをなんとか継続してなんとか保護することが出来るようになりました。
しかし、こんなことを言うと、
「会計も、法律も難しくて無理です・・・」
と思うかもしれません。
実際、会計や法律を完璧に理解するなんてことは無理ですし、その必要もありません。基本的には、あなた自身で全てやろうとせず、専門家に協力を依頼して進めていくのがおすすめです。
なぜなら、専門的な知識が多く、今から全てを理解するのはほぼ不可能ですし、できたとしても時間がかかりすぎてしまいます。さらに、法律のアップデートもあるので、把握しきれません。
ですから、会計のことであれば、税理士や会計士、法律のことであれば弁護士、特許であれば弁理士という専門の方に依頼して任せる方が良いでしょう。
ただし、一点注意です。
任せておけば良いからと、会計や法律に関して、全く勉強をしない人も多いのですが、それは大きな間違いです。
というのも、最低限のことを理解していないと、専門家と会話が出来ないからです。
会計も税務も法律も、簡単な知識は必要なのです。なぜなら、全く何も分らなければ、専門家に相談することさえ出来ないからです。そして、相手が説明をしてくれても、何を言われているのか分からないからです。
それでは、分からないロシア語で最高のアドバイスをもらうようなもの。何を話しているのかが分かりませんから、質問もできないし、アドバイスも分からない。
ですから、最低限、専門家と会話が出来る程度には、知識は身につけることが必要になります。
以上、説明をしてきたように、
長期的に継続して成長し、さらには、時間の自由も手に入るようなビジネスをあなたが作る場合、以下のように、「攻め」と「守り」のヒト資源を組み合わせることが必要なのです。
基本は3つ。
1:価値を作る
2:価値を伝えて売る
3:価値を守る
ここに、ヒト資源を当てはめられないかと考えていくのです。
もちろん、あなた自身がビジネスをする場合も同様です。この3つを自分でやっている経営者もいますし、一部を任せている経営者もいますし、全部を他のヒトに任せても良いのです。
ただし、まず確実に言えることは、この3つは絶対に組み合わせることが大事ということです。
そうしなければ、短期的にも、長期的にも成長するビジネスを生み出すことが出来ないということなのです。
あとは、自分というヒト資源で実行するのか。
他人というヒト資源で実行するのか。
これは、あなたの自由です。
そして、最終的に完全にビジネスが成長しながらも、自由な時間も欲しいのであれば、
1:価値を作る
2:価値を伝えて売る
3:価値を守る
の役割を、あなた以外のヒトが担当してくれる状態を作れば良いのです。
実際、私が経営に携わるビジネスでは、この組み合わせを担当してくれるチームメンバーと一緒に仕事をして、任せています。
特に、最初は自分でも役割を担当していますが、ある程度売上が安定して、仕組みが出来上がってくれば、自分がいなくても回る状態になります。
その結果、ビジネスが自然と成長をするし、時間も自由になり、多くの富を継続して手に入れることが出来るのです。
このように、
あなたがビジネスをする場合、攻めと守りに当てはまる資源を組み合わせていくわけです。これを必ず全部誰かがやらなくてはいけません。
しかし、あなた一人で全てをやることは出来ないでしょう。
その場合、他のヒトと協力をしながら進めていく必要があるのです。このためのチームを組むということです。
だから、もしあなたが何かビジネスをやりたいと思ったら、この役割を埋めるような、ヒト資源を見つけることが重要だということ。
価値を作るということ、価値を伝えて売るということ、そして価値を守るということ。
その役割を考えながら、
「自分はセールスが得意だから、そこをやろう」「田中さんは確かこういう商品を作れたな」とか、
「清水さんはプログラミングが得意だから、あの商品を作れるな」とか、
「じゃあ売るのは佐藤さんが得意だから、佐藤さんにも依頼してみよう」とか、
「守るのは知り合いの弁護士の先生にお願いしよう」「会計はこの事務所にお願いしよう」とか。
そういう形でヒト資源を組み合わせてチームを作っていき、それをビジネスにしていくのです。
その結果、価値を生んで、お客様に届けてお金をいただき、成長をさせていくのです。
ぜひ、今日の話を参考にして、あなたも資産家感覚に沿ったビジネスを作ることを通して、多くの富が手に入るのは当然のこととして、豊かな人生を手に入れていってほしいと考えています。
ぜひ、チャレンジしてみてくださいね。
まとめてみると
長期的に成功する資源の組み合わせというのは、「攻め」と「守り」を組み合わせることでした。
ビジネスにおける「攻め」は
それは、2つ。「価値を作る」と「価値を伝えて売る」ということです。
商品を作りましょう、そして、売りましょう、ということです。
これが攻めです。
次に「守り」が必要でした。
守りは、価値を守ることになります。そのために、会計と法律っていうのが主に大事だと話しました。
実際、多くの人は守りに意識がなく、そのせいで、ビジネスがうまく成長できなかったり、すぐに撤退という事態を招いている人も多いものです。
ですから、この攻めと守りにおける3つの箱を必ずヒト資源で埋めるように考えてください。
攻め
1:価値を作る
2:価値を伝えて売る
守り
3:価値を守る
そうすることで、あなたがすでにやってるビジネス、あなたがこれからやろうとしているビジネスが、資産になり、長期に続くビジネスというものが出来上がるのです。
ぜひ、この資源の組み合わせを活用することで、今すぐにでも、あなたの資産家感覚ビジネスを作り上げてください。そして、大いに、豊かな人生を手に入れるのはもちろん、自由な時間も手に入れることで、周りの人の大いなるインスピレーションになってほしいと思っています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?