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環境構築編

物と人の配置場所で売り上げが変わる。

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ここで考える「物」は生産活動に必要な物で、飲食店の場合は食材やドリンクだけでなく、お皿等の食器類、注文を取る為のハンディや電話を置く場所など、細かい物をあげればキリがありません。

その「物」を徹底的に管理し、配置場所を固定するのにはとても大きなメリットがあります。

例えば、キッチンに配置されてる冷蔵庫。もちろん冷蔵庫の場所も大切ですが、もっと大事なのはその中です。

冷蔵庫の中に入れてある食材を必ず同じ場所から取り出し、同じ場所に戻す。これを徹底しているお店はとても少ないです。徹底されているお店ではほとんど冷蔵庫の中を見る事なく、必要な商品を手だけ伸ばして取る事が可能です。

これでなぜ売り上げが変わるかと言うと、注文から提供までのスピードが変わるからです。飲食店はお店ごとにだいたい席数が決まっており、飲食の名の通り食べ物と飲み物を提供しますが、テーブル滞在時間も売り上げに大きく影響します。本当は1時間で済ませたいのに、商品の提供に時間がかかってしまうと、滞在時間が30分伸びたり、ひどい場合には1時間伸びたりします。これは最悪なパターンで、お店にとっても次のお客様をご案内する事が出来ないので、売り上げを取りこぼししてしまいますし、何よりお客様にとって、「待たせる」事になってしまいます。お腹を空かせてお店に来てるのに数十分待たされるのはたまったもんじゃありません。

物を探す時間の損失は計り知れません。

私が野球のどの場面でそれを学んだかと言うと、恩師に準備の大切さを教わった時です。

その方がおっしゃってた言葉で今でも印象に残っているのは、「片付けは必要ない。片付けずに準備をしなさい」です。その時はいまいちピンと来なかったんですが、今でははっきりと意味が分かります。

用するに、全てが次に向けての準備であり、物をしまうのも、道具を磨くのも、試合後のストレッチから何から何まで次に向けての準備なのです。優秀なプレイヤーやチームはこの準備を絶対に怠りません。これは時間管理にも直結しますし、体調管理にも直結します。すなわち試合、や仕事の場面でも売り上げに直結していくわけです。この体験以来片付けという概念を持つことを辞めました。

冷蔵庫の中の配置にこだわるのも、結局はお客様にクオリティーの高い料理をクオリティーの高い状態でなるべく早く提供する為の準備なわけです。

物だけではなく人の配置場所も大事です。

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野球で言えば守備のポジションだったりします。どこに打球が飛んでもいいように、素晴らしい配置形態になっています。打者の特徴によっては偏ったシフトを組んだりもします。これは飲食店でも一緒で、人を固まって配置してしまうとどうしてもおしゃべりをしてしまったり、その場から離れたお客様の声をキャッチする事が出来ません。

なんせ、飲食店でスタッフがダラダラプライベートな話しを目の前でされて、こっちが呼ぶ声を一向に気づいてくれない、そんな状況は不快極まりありません。ですので、お店の大きさに関わらず、せっかく人員がいるのなら、全員で目配り出来るように、立つ位置を工夫するべきです。そうすればピークタイムにお客様から頻繁に呼ばれる、千本ノック状態になっても、全員でカバーし合いながらうまくキャッチしていく事が出来ます。

守りが強いチームはなかなか負けません。飲食店でも同じ事が言えると思います。

掃除の目的はゴミを拾う事ではない。

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野球が強いチームのグランドは綺麗です。丁寧にグランド整備をするのはもちろんのこと、ゴミ一つありません。自分たちが練習を行う環境を徹底的に管理しています。

名門を全部拝見させて頂いたわけではありませんが、九州・沖縄地区で言えば、興南高校、沖縄尚学、糸満、嘉手納など最近甲子園に足を運んでいる高校はどこも見事なほど綺麗です。グランドをパッと見ても綺麗と分かるほどです。沖縄県外では福岡の福岡工大城東、筑陽学園、東福岡、鹿児島は樟南高校など、大分の明豊など、どこも素晴らしいグランドでした。1日サボればグランドはすぐにボコボコになります。環境がどうこうではなく、毎日自分達で注意深く管理しているわけです。

これが飲食店となるとどうでしょう?

本来ならば、お客様の口に入れる物を提供する場所ですので、グランドよりも気を使うはずです。そのはずなのに、開店同時に入った店でも足元に食べカスが落ちていたり、おしぼりの袋が落ちていたりします。

これでは試合の前にすでに負けが決定しているようなものです。

とてももったいない話しで、どんなにいい美味しい食事やドリンクを提供しても、結局はリピートに繋がる可能性を低くしてしまうわけです。どんなに料理人が一生懸命仕込みをして準備してくれていても、たった一つの事で台無しになる可能性がある事を簡単に考えてはいけないのです。

掃除は何の為にやるのかと問われた時に、「綺麗にする為」と答えるのはまだ少し浅いのではないかと思っていて、綺麗にしたその先にどんな感情を与える事が出来るのか?を体現して初めて大きな効果性を発揮するものだと認識すれば、掃除機のかけ方やトイレ掃除の仕方もまた違ってくるのではないかと思います。これは自分達の為でもあり、相手の為でもあるとても大切な取り組みです。

生産性を上げる為のツールへの投資

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人不足に悩まされている店舗がとても多いのが現実です。これは良いチャンスと捉えるしかありません。介護業界と飲食業界は外国人労働者の受け入れの拡大が行われたとしても、人が足りないという状況は変わりません。それほど人が足りないのなら、人員を少しでも減らせるオペレーションを組んだり、生産性の高いツールの導入を検討しましょう。ポスキューブやエアレジ等のアプリや、予約管理システム、トレタなど、とても便利なものもあります。特に営業時間帯、少しでも作業量を減らせるような取り組みを進めていかない事には、本当に大切な業務であるお客様とのコミュニケーション(話す事だけがコミュニケーションではないので注意が必要)に時間を割く事が出来ません。野球の場合は置きティー用のスタンドや、防球ネット、その他にも人を減らしながら、より多くの時間を大切な練習に使えるようにする道具がそれにあたります。球拾いも練習の一つだと言う方もいますが、確かに意識の持ち方としては賛成です。ですが、球拾いに使う時間と人を減らして、ノックやフリーバッティング等効果の高い練習に時間を割く方が賢明だと思います。

休憩室が汚いは絶対NG

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休憩場所はあくまでも休憩場所なので、お客様がいるホールほど綺麗じゃなくてもいいのでは?と思うかもしれません。確かにみんなが休む場所なので自由に使ったらいい。と思いそうですが、ここに大きな落とし穴があります。

「人は一つの基準を下げ始めると他の基準も下がっていく」逆も然り、「たった一つの基準を最高値まで上げると他の基準も上がっていく」という法則があります。

休憩室をいい加減に扱い、ゴミは溜まりっぱなし、灰皿も吸い殻でいっぱい、そんな状況では例え休憩室だとしてもお客様のところに出た時に、必ずボロが出ます。高校野球の強豪が私生活の態度にとことんこだわるのはそれが試合のプレーに出る事を熟知しているからです。

休憩室だからといって汚い状態だと、「これくらいでいいか」が身体に染み付いていきます。これをまた高い基準に戻すのには基準が下がる何倍もの時間がかかります。

また、休憩室は個人の私物が自然と増えていく場所でもあります。休憩時間はなるべくリラックスしたいと思うのは問題ありません。ですが、その場所を私物化し始めると問題です。仕事と私生活の区別がだんだんとつきにくくなってくるからです。

休憩室は緩む場所だからこそ、気をつけないといけない場所でもあるのです。

そんな状況では常に緊張状態で嫌だ!という人もいますが、残念ながら仕事場は遊び場ではないので、そもそもリラックスを求めるのはお門違いです。会社もあなたにリラックスしてもらう為に雇っているわけではなく、自分の持っているスキルを最大限に発揮して人に喜んでもらう為に雇っているわけです。休憩室の在り方は考えなければなりません。整理整頓されている事はもちろんですが、リラックスではなく休憩時間や仕事前にリフレッシュ出来る場所にする事が大切です。

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次は商品、サービス編です。
今日も最後まで読んで頂いて本当にありがとうございました!


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