夏水ナシ

はじめまして、夏水(なつみず)ナシです。 よろしくお願いします。

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千軍万馬と侍女人形 (短編小説)

乾いていた。 この世のありとあらゆるものが。 地面は割れ、空気は荒れ、人は倒れていく。 何が正義で、何が大義で、何が正解かもわからない世界。 出来ることは、剣を握り、目の前の敵を切り裂き、 血をすすって生きることだけだった。 「隊長、指示を。」 「…、全軍、突撃!」 私の声に合わせ、私の部隊が動く。 女性しかいない、異例の部隊。 それを女性の私が率いることが、アピールになるらしい。 誰へのアピールなのか、何のためのアピールなのか、気にはならなかった。 私には、それしか道が

    • 全てが上手くいけとは言わないけれど 少しくらいは上手くいってもいいとは思う 人って存外脆いことを 人って存外思い切りがいいことを 人って存外信じないことを 忘れすぎじゃないか?

      • もしも(詩、ポエム)

        もしも なんて話はあんまり好きじゃない かといって嫌いでもない それに、考えないわけでもない もしも あの時に戻れたら もしも あの時に言葉を選んでいたら もしも もうちょっと大人だったら 後悔することはたくさんあって でもどうすることもできない現実もわかっていて だからもしもを口にして、楽になりたいと思ってしまう その後悔すら、今の自分の一部だということを忘れて だからもしもはあんまり好きじゃない ちゃんと後悔した自分を残したいから いや、残

        • 666チャンネル(短編小説)

          ある夜、目が覚めると、そこは実家だった。 それも自分が幼い、といっても、中学生くらいのときの記憶だ。 当時、一人部屋のようなものはあったが、完全な一人部屋というわけではなく、少し複雑な構造だったのを今でも思い出す。 造りの関係からか、人の存在はどこかしらにあったし、ご飯なんかのときは普通にノックなしで部屋を開けられるものだから、プライベートな空間というには、少し違うような感覚だった。 ある夜、いつものように電気を消し、布団に寝転んでいると、すっと、扉が開いた。 ロッ

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        千軍万馬と侍女人形 (短編小説)

        • 全てが上手くいけとは言わないけれど 少しくらいは上手くいってもいいとは思う 人って存外脆いことを 人って存外思い切りがいいことを 人って存外信じないことを 忘れすぎじゃないか?

        • もしも(詩、ポエム)

        • 666チャンネル(短編小説)

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          理解してほしいとは言わないけれど(詩、ポエム)

          理解してほしいとは言わないけれど そういう人間がいることを忘れないでとは言いたい 誰しもが不安を抱えていて 誰しもが正解を探していて 誰しもが幸せを求めていて なんてことも言わないけれど マイナスなことばかり考えている人間がいることを忘れないでとは言いたい 生きていたくない 何もしたくない 誰ともかかわりたくない そんな人間が、勇気を出していることを忘れないでとは言いたい それが当たり前だとか それが普通だとか それが異常だとか そんなことをいう権

          理解してほしいとは言わないけれど(詩、ポエム)

          満たされた だから大丈夫 きっとしばらくの間は、笑顔でいられる またすり減った時、筆を握る それの繰り返し 書くから在る 在るから書く 何年も繰り返して来たんだ 積み重なってきたんだ 見向きもされなくていい 書きたい時に、書くだけだ

          満たされた だから大丈夫 きっとしばらくの間は、笑顔でいられる またすり減った時、筆を握る それの繰り返し 書くから在る 在るから書く 何年も繰り返して来たんだ 積み重なってきたんだ 見向きもされなくていい 書きたい時に、書くだけだ

          白(詩、ポエム)

          真っ白 それは全てがなくなったからなのか 全てが揃ってしまったからなのか 全てを受け入れられなくなってしまったからなのか 全てを諦めてしまったからなのか それすらもはっきりとしない真っ白 熱に浮かされている 時々、あることだ ただ、違う いつもと違う この時に、この熱を受けるのは、良くなかった 巡る 巡る とめどなく 巡る 止まらない 止められない 抑えられない衝動に動かされる それも良くない方に 保て、自分を 自我を 冷静に そう

          白(詩、ポエム)

          欠け(詩、ポエム)

          人は欠けている その欠けた部分を埋めるように、人は人とかかわりを持つ ぴったりはまることもあれば、ズレて軋轢を生むこともある 何処にも、全てが満たされた人はいないし、もしいたとするならば、それは人ではなく、神に近いものだとすら思えてしまうだろう 欠けているならば、補えばいい 他の人からだろうと、自らの力だろうと 埋めるモノ、埋める人、埋める何かを見つけてはめ込めば、安定する たったそれだけの話だと、そう思うだろう だれしもそうできれば、きっと人同士が争うことだ

          欠け(詩、ポエム)

          ばーか 君に言ったのか 自分に言ったのか もう、わかんないや

          ばーか 君に言ったのか 自分に言ったのか もう、わかんないや

          春のさよなら 第二話(短編小説)(完結)

          「変わらないな…」 帰ってきた日の翌日、家には居づらく、あてもなく、外に出た。 行くところは特になかった。 だから、昔よく悩むと来ていた、近所の堤防に足を運んでいた。 見える景色はあの頃と同じで、遠くの沖で漁をしている船が見える。 風は幾分か塩気を含み、目を開き続けることを防いでくる。 僕は心が折れてしまった。 いや、そう自分で思い込んで、逃げただけなのかもしれない。 楽な方に、行きたかっただけなのかもしれない。 何であれ、全てを捨ててきてしまった。 あこがれも、希望も、夢も

          春のさよなら 第二話(短編小説)(完結)

          春のさよなら 第一話(短編小説)

          とある4月のあの日、君は、笑っていた 「ねぇ、何してるの?」 聞きなれない声が聞こえる。 新生活だから、きっと新しい人だろう。 そう考え、顔を上げる。 「…、ちょっと、気持ち悪くて…」 日差しで視界が遮られ、その人の顔は良く見えなかった。 「大変!ちょっと待ってて、お水買ってくる!」 「あっ、えと…」 僕の返答を待つより先に、その人は何処かへと走っていった。 後ろ姿を見送り、ひとまず、座りたいと思い、辺りをゆっくりと見渡す。 頭はぐるぐると、考えこみすぎたように働かない。

          春のさよなら 第一話(短編小説)

          「シン・仮面ライダー」と「映画刀剣乱舞-黎明-」を見てきた感想

          ※極力、直接的なネタバレは避けますが、説明上、どうしても映画内容に触れることがありますので、ご理解の程、よろしくお願いします。 「シン・仮面ライダー」を見て シンシリーズは一応全部見てきて、順位をつけるとしたら、今回の仮面ライダーは3番目かなと思います。 あくまで個人的なランキングですが、1位はエヴァ、2位はゴジラ、3位はウルトラマンとなっていて、ウルトラマンよりは面白かった、というのが最初に抱いた感想です。 シンシリーズ、というよりかは、作品の傾向として、考察などを挟む

          「シン・仮面ライダー」と「映画刀剣乱舞-黎明-」を見てきた感想

          ここ最近のあれこれについての自己分析と目標に対する振り返り、自衛について(個人的備忘録)

          こんばんは、夏水ナシです。 まずは結論から。 端的に言わないと、後の方を読まない方もいますからね。 まぁそもそも読んでる人がいるとは思いませんよ、個人的備忘録ですから。 結論1.人間関係が面倒になってきたので、今後、個人的な活動をメインとします 2.夏水ナシはHSPの疑いが強い(HSS型HSPに該当するかどうかは微妙) 3.目標は未達 1.人間関係が面倒になってきたので、今後、個人的な活動をメインとします 先日、ネタ的な扱いではありますが、お砂糖とお塩(VRC独自の文化

          ここ最近のあれこれについての自己分析と目標に対する振り返り、自衛について(個人的備忘録)

          ねぇ暴いて(短編小説)

          「こちらxx-C地点、配置につきました。いつでもいけます。」 「了解。こちらα、出撃許可を。」 「了解。全軍、出撃。」 「ねぇ、私のこと、好き?」 「もちろん。不安にさせちゃった?ごめんね…」 「ううん、私こそ、重い女みたいでごめんね…」 「さぁ、楽しい宴を始めようじゃないか!」 「くそ、お前なんかに…負けてたまるか!!!」 「こい!勇者よ!!!」 あぁ、くそ、くそ、くそ!!! 溢れて止まらない… 何が、どうなってるんだ… 頭が狂う… おかしくなる… まとま

          ねぇ暴いて(短編小説)

          表しきれないこれを 吐き出す場所は限られている

          表しきれないこれを 吐き出す場所は限られている

          雪(詩、ポエム)

          真っ白な地面 真っ白な空 真っ白な吐息 いつもなら、それぞれの色を持つ世界が、一色に染まる 寒くてかじかんだ手をこすり合わせ、そこに温かい息を吹きかける すぐに冷えてしまうけれど、一時は、温まる手をじっと見つめる いつもは赤く、血が表面に浮かんで見える手も、今日ばっかりは真っ白で、まるで人形のようだ 足を踏み出せば、ざくり、ざくりと、細かな粒を押しのけ、押しつぶしながら音が鳴る さらに一歩踏み出せば、またざくりと音がし、先程の足跡を置いてけぼりにさせる 動か

          雪(詩、ポエム)