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コント集

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オチのない世界で僕らは一体何を語ればいいのだろう。
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2024年2月の記事一覧

天然の夢

 とある夢売り店に一人の少女がやってきてカウンターの店主に涙目で尋ねた。 「私、夢が欲し…

秋(空き)時間
2か月前
28

こじつけクラシック

 会社によく相談に乗ってくれる先輩がいる。私はその人に相談に乗ってもらったことはないけど…

秋(空き)時間
2か月前
15

真・光る君へ

 今日本で最も有名なダイエット講師村崎志木子は運命に導かれるように紫式部へと転生してしま…

秋(空き)時間
2か月前
12

土曜日について

 一週間はどこか生命のサイクルに似ている。月曜日に生まれた生は曜日を経るごとに年老い、金…

秋(空き)時間
2か月前
16

アートの時代

 トー横生まれヒップホップ育ちってうそぶいて生きてきた。ガタイも良くねえ。ケンカも強くね…

秋(空き)時間
2か月前
28

ポンコツヒーロー

 月面神の地球侵略を前にして何故か世界中のヒーローが病死してしまった。今地球には百戦百敗…

秋(空き)時間
3か月前
14

最終講義

 今、この某有名私立大学の講堂でフランス文学専任の桂川紀夫の最終講義が行われていた。桂川は同世代の学者のように単著を出さず、マスコミにも出なかったが、しかし彼は誰にでも気前よく単位をくれるので学生たちの評判は大変よく、単位目当てで人がわんさか講義に駆けつけた。その桂川も今季で定年のため退官する。  ただいま行われている最終講義も彼の退官を惜しむ生徒たちで埋め尽くされていた。正直に言って学者としては何の実績もなく、教員としても袖の下とコネで教授となったことぐらいしか語ることの