マガジンのカバー画像

短編

1,233
短編小説を集めました
運営しているクリエイター

#ショートショート

続・札幌でサッポロ一番を食べる ~彼女と過ごした奇跡の三日間

一日目  こうして僕はまた北海道に帰ってきた。勿論また札幌でサッポロ一番を食べるためだ。…

135

私の旅路

 住む場所から離れると不思議と自分が裸になっていくような感覚を覚える。それはきっと自分が…

9

《反転小説》そして人はすれ違う

 不意打ちのような出会いなんて滅多に起こるもんじゃない。上から読んでもしたから読んでもそ…

8

異文化交流

 江戸後期、黒船来航前の太平の世の我が国のとある島に一隻の難破船が漂流してきた。朝起きて…

秋(空き)時間
2週間前
21

マイヒーロー 〜警視庁隠密捜査官美月恭平の事件簿

「オラ!いつまで黙りこくってんだあ〜!さっさと吐けよ!もう証拠は上がってんだぜ!」 「こ…

秋(空き)時間
2週間前
9

ストーリーのない小説

「ストーリーがなかったら小説にはならない。だから僕らがストーリーを紡ぎ出さなくちゃいけな…

秋(空き)時間
3週間前
16

大富豪と大貧民

 かつて三島由紀夫は『源氏物語』を紫式部が王朝の豪勢さを描きたかったものではないかと発言した事がある。作中の中に邸や庭の美しく描いた一見して退屈な描写がメインの章があるが、それが源氏物語の真髄なのではないかと。  まぁ、こんな前置きとは全く関係ないのだがこの現代にもそんな光源氏には及ばないものの、ある程度のルックスと、王族など遥かに超える途方もない財産に恵まれた男がいた。その男は大国レベルの土地を所有し、ホワイトハウス100個分の邸と自分専用の空港まで持っていた。その空港は

カブトムシ

 故郷へと向かう電車のアナウンスで間もなく降車駅に到着する事が知らされた。僕はスマホの時…

秋(空き)時間
3週間前
10

奇跡の逆転勝利

 川浜高校は最後のタイムアウトを取った。点差は109vs0で残り時間の10分で逆転するのは小数点…

秋(空き)時間
3週間前
7

葬式

 葬儀場の喫煙所で着なれなさそうな喪服を着た男たちが亡き友人についてしみじみと語り合って…

秋(空き)時間
3週間前
14

マーメイド

 今年も海で大量に人が死に、そしてクラゲの餌になった。八月の終わりの夕暮れの海、人間の死…

秋(空き)時間
3週間前
9

最終回

 超人気ヤンキー漫画『はみ出し珍来』が最終回を迎えようとしていた。はみ出し珍来はみ出し者…

秋(空き)時間
4週間前
13

二重人格

 ドストエフスキーやスティーブンソンじみた狂気の深淵。その境界線で俺は立ち止まる。光と闇…

秋(空き)時間
1か月前
21

塩焼きそば

 もうすぐお盆だから亡くなった父の事を書こうと思う。父が亡くなったのは私が大学生の頃だった。泊まっていたホテルで倒れてそのまんまあの世に逝ってしまったのだ。通報したのは女性の人らしいけどその人と父がどういう関係だったのかいまだにわからない。それはともかくとして父は特に料理好きではなかったけど、塩焼きそばをよく作っていた。どこまでもおめでたい性格の父はよく塩焼きそばを発明したのは自分だと自慢していた。塩焼きそばなんて多分昔からあるものなんだろうけど、どうやら父の周りには食べてい