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Phonological Awarenessとは?

「Phonological Awareness」とは、ほとんどの日本人の方にとって、初めて聞く言葉かもしれません。

世界最新の読み書きの研究に精通している人しか知らない専門知識なので、英語ネイティブの一般人でも、ほとんど知らない言葉であり概念なんです。

日本語に翻訳すると「音韻意識」というらしいです(調べました!)。

今日は、英語の初期の読み書きにとっても大切だと言語教育の研究結果から推奨されていて、幼児教育の専門家の間ではトレンディーな「Phonological Awareness」について説明していきたいと思います。

「Phonological Awareness」についての話をする前に、名前は似ていますが大きな違いがある「Phonics フォニックス」について、まず説明していきますね。

フォニックスは、聞いたことがある人がいるかもしれません。

一言で言うと、フォニックスとは、英語の1つ1つのアルファベットに当てはまる読み方を教える教授法のことを指します。

英語のアルファベットは、日本語のひらがなやカタカナと違って、ほとんどの文字の名前と読み方が違います

例えば、「A」は「エイ」という名前ですが、その読み方は「æ」という発音記号で書かれた日本語の「ア」と「エ」の真ん中ぐらいの音になります。

「B」の名前は「ビー」ですが、読み方は「ブッ」という音になります。

フォニックスを知っているとリーディングで知らない単語に出くわした時にも、ゆっくりと1つ1つのアルファベットの読み方を使いながら、その単語を読むことができます

ライティングをする時に自分の知らない単語があっても、アルファベットの読み方を使って綴ることができます

このような点をみると、フォニックスは読み書きを教えるのに最適の教授法のように思われますが、残念ながら、フォニックスだけでは、読み書きを深めるには十分ではない部分もあります。

まず、フォニックスは、不規則な綴りを持った単語には全く効果を出さないという欠点があります。

例えば、「say」の過去形の「said」や「Wednesday」や「ocean」などをフォニックスを使って読んでみると全然違うものになってしまいます。

研究によると、約50%の英語の単語しか、フォニックスに沿った読み方で綴りができないと言います。残りの半分は全て例外として暗記に頼るしかなくなってしまうのです。

次に、読解力や表現力のような深く高度な英語力を育てるには、フォニックスだけでは足りません

リーディングを2つのレベルに分けると音を読むだけの「decoding」意味を理解する「comprehension」になります。

フォニックスは、そのうちの「decoding」にしかフォーカスしていません。そのため、フォニックスだけに頼ったリーディングをしていると、文章を読めても、その意味が分からないというような表面的な読み書きのスキルしか育ちません

フォニックスの足りないところを補い、深く広い読み書きの基礎を作るのが、「Phonological Awareness (PA)」です

PAとは、アルファベットのような視覚に頼らずに、耳だけで音や韻を分解したり繋げたりできるスキルのことを指します。

例えば、PAを磨くと、「cat」と「pen」は1つの韻(syllable)で成り立った単語であるのに対して、「umbrella」や「banana」は、3つの韻から成り立っていると耳で理解できます。

そのほかにも、PAを発達させることで、「sun」と「sports」は同じく「s」の音から始まっていると理解でき、「rain」「chain」が同じ音で終わっていて韻を踏んでいる (英語で“rhyming words”と言います)と聞くだけで理解できるようになります。

読み書きを重視する視覚言語である日本語に比べて、英語は音声言語なので、このように音を分解したり繋げたりできるスキルが大切になってきます。

フォニックスだけではなく、PAのスキルもつけておくことで、不規則なスペルの単語も、「Word Family」と呼ばれるカテゴリーに分けることができ、パターン化して一緒に効率よく学ぶことができます。

機会があったら、Word Familyを使って、どうやって英語のスペルを学んでいくかについても教えますね!

他の人に喜びを与えるアナタは、きっともっともっと与えられるはずだわん💕