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チケット払い戻しのニュースに昔の自分が揺さぶられた話

X(旧Twitter)をいつもどおり眺めていて、「予定していた内容と異なる公演のチケット払い戻し」の見出しが目に止まった。3年ぶりにライブで大阪に出かけた帰り道、まだ余韻でドキドキしている新幹線の中だった。

何が起きたのか気になり実際に参加した人のブログなんかをあれこれ読んでいると、なんだかもやもやしたものが胸にこみ上げてくる。ああこれは、あの日の自分と同じなのかもしれない。もやもやの正体に気づいてたまらない気持ちになってしまった。

払い戻しほどではないものの、ステージ上の振る舞いに悲しい気持ちになった経験があるという話。

書くかどうかかなり迷いながら、自分の気持ちの整理の意味でまとめてみる。楽しい内容じゃないし、すぐに消してしまうかもしれないけれど。

誰かを批判したり説教したりしたい訳ではないので、なるべく固有名詞をぼかして書いていきたい。そのため、いつも以上に意味のわからない文章になってしまうのをお許しいただきたい。


15年追いかけているとあるバンドの、ある年のツアーでの出来事だった。アンコール前のMCでメンバーの一人から、

「アンコールはやめて楽屋に戻りたい」

細かい言葉は忘れたけれど、とにかくもうこれでライブを終了にしたいニュアンスの発言があった。

当の本人は笑っていて、たぶん冗談だったんだと思う。そんな風に言いながらもアンコールまでしっかり演奏してもらえたし。「俺たちの仲だからこれくらい許してもらえるよね?」みたいな。「そんなのひどい」ってかけ合いがしたかった?(かどうかは分からないけれど)、仲がいいからこそのじゃれあいみたいな。

私はその瞬間、ものすごく腹が立った。ツアーの中でも特に思い入れが深くなる、地元広島でのライブ。おまけに広島は全国ツアーと言いながら何年も外されがちで、その日もたしか3年ぶりくらいの本当に久しぶりのライブ何ヶ月も前から心待ちにしていた。それなのにライブを終わりにしたい? もう演奏したくない? 何だそれ???

たくさんあるライブのうちの、たった一回のひと言。思い出しながら今も新鮮に怒れるくらい、あの日のひと言を許せないでいる。(でもまだそのバンドが大好きで追いかけ続けているけれど)


新幹線で払い戻しのニュースを見た日も、同じバンドのライブに参加していた。

あの日のもやもやを若干引きずりながら参加したライブは、過去最高に楽しかった! 観客の熱狂とステージの興奮とがひとつに混ざり合って、ライブハウスいっぱいに“楽しい”が充満していたすっごく幸せな時間!

ライブの盛り上がり以上にバンドのメンバー達が演奏自体を楽しんでいる姿が何よりうれしかった。それと同時に、「あの日のライブも彼らのこんな楽しそうな姿が見たかった」そんな風にも感じた。

あの日、指折り数えてドキドキしながら参加した広島でのライブでも楽しい時間を一緒に過ごしたかった。ライブを終わりにしたいなんて、冗談でも言ってほしくなかった。

何気ないひと言に私のように腹を立てる人もいれば、全然気にならなかったり、反対にそういうやりとりが好きな人もいたりするんだろう。ファンと一括りにしてみても、いろんな考え方の人がいるし、アーティストへの向き合い方や応援の仕方がそれぞれ違ってくるのは当たり前。正解なんてものがないから難しい。

どんな公演が理想なのか100人いれば100通りの答えがあって、100%の満足度なんてものはない。

アーティストの満足だけでもファンの満足だけでもダメで、お互いにとって心地よい公演ってなんだろうと改めて考えているけれど、答えが見つからない。

それでも、これからもライブに通うのはやめられないんだろうなと思う。

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