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チームでのゲーム制作について思うこと

こんにちは、nattuhanです。

昨日、青木ととさん主催の元、 unity1week online共有会 #6というイベントが行われました。

こちらのイベントに自分と一緒のチームで参加したkugiさんが登壇しており、自分とつっちーさん含めた3人のチーム(ノアプロチーム)で取り組んでいる制作についての一端を話していただいた。

この話を受けて、”チーム制作ええな…”という感想をチラホラと見た。
チーム制作には責任やコミュニケーションコストが伴うので、ゲーム制作をしばらく続けていらっしゃる方でもチーム制作を経験したことがないという方も少なからずいらっしゃるだろう。
自分が個人制作を始めたきっかけも仕事でゲームを作っていて「一人で好き勝手に作りてぇなぁ~」と思う気持ちが強かったから、というものなのでとても気持ちはわかる。

だからこそあえて、

チーム制作はいいぞ!
じゃあどうやってチームを組むのか
とはいえこんなチームはうまくいかないよね…

という話をしていこうと思う。


なぜチーム制作は良いのか

自分が実際にチーム制作をしている中でやっぱりいいなと思うタイミングはいくつかあるが大きく分けると以下の3点だろう。

①自分の仕事を褒められたとき
②他人の素晴らしい仕事を見たとき
③すばやくフィードバックを返せた・返されたとき

実際にノアプロチームで参加した今回のu1wでのやりとりのスクリーンショットを交えながら紹介していく。

①自分の仕事を褒められたとき

僕は承認欲求が強く褒められて伸びるタイプなので褒められないとすぐに拗ねる。自分が「やってやったぜ」と思う仕事を褒められた時がやっぱり一番モチベーションが上がるだろう。

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あれ…思ってたんと違うな…

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(今回は基本的に作業しているときはずっと通話+画面共有での作業だったため、あんまりログに残ってなかったけど、ノアちゃんの中華服モデルとかすごい褒めていただけた気がします…)

②他人の素晴らしい仕事を見たとき

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ランキングの実装に関してはkugiさんに丸投げしたのだが、上位3位を金銀銅で色分けしたり自分のスコアをハイライトしたり、名前を事前に入力しておいてそれを自動送信したり、TextMeshProに対応してくれたりといった既存のないちシステムをベースにしつつ良いシステムを実装してくれた。
こういった他のメンバーの素晴らしい仕事を見ることもまたモチベーションを高めてくれる。

③すばやくフィードバックを返せた・返されたとき

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褒める褒められるだけでなく、チーム間で意見を言い合い認識をすり合わせ軌道修正していくのもとても大事だ。
特にゲーム性に関しては、最初のブレストで詰め切れていなかった部分だけに、どうすれば面白くなるのか・気持ちよくアクション出来るのかについてずっと話していた気がする。


チームはどうやって組むのか

まずは自分がkugiさんつっちーさんとノアプロチームを組むことになった来歴から紹介する。自分は昨年の7月ごろに個人でのゲーム制作を始めてから計5回参加していることになるのだが、

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この3作目の"NOA's Project"にて、現在のチームが組成されることになった。
経緯としてはすでに交流のあったkugiさんに自分から声をかけ、そこからさらにつっちーさんに声をかけたという形になる。

それを踏まえて自分の考えるチーム組成のポイントを3点でまとめていく。

①まずはゲームジャムでお試しチームビルド

まずはunity1weekといったゲームジャムイベントにフォーカスを合わせてチームを組んでみる。仮にそのゲームジャムで失敗したとしても、工数としては1週間のロスで済むし、「あ~ちょっとうまくいきませんでしたね!お疲れさまでした」と解散できればその後多少ギスるくらいで交友関係を破壊することもない。

②すでに交流がある方に、数を絞って声をかける

やはりTwitterなどでいきなり「ゲーム制作のチームメンバーを募集します!」といった募集は当然リスクを伴うことになる。事前に交流がありお互いの方向性をすでに把握できている状態だと「じゃ~まず自己紹介から!」といったロスを省けるし心理的安全性を高く保てる。
さらに人数は2~3人程度に留めておく。チームメンバーは多ければ多いほどいいなんてことは絶対にない。なぜなら個々人によってモチベーションやコミットメントには差があり、「全然作業はしないがフィードバックはする」のような(言い方は悪いが)フリーライダーが生まれてしまうと他のやる気のあるチームメンバーのモチベーションを削いでしまうからだ。

③職能の被らないことに気を付ける

職能というと難しく聞こえるが簡単にいえばデザイナー(アーティスト)エンジニアといったようになるべくそのゲームで関わる範囲を被せないようにしようということだ。同じデザイナーでもUIやキャラクターで分けるとか、エンジニアならインゲームとアウトゲームを分けるといったように。
自分のできないことを他人がやってくれるのはとても有難いことなのでリスペクトできる。お互いの仕事に敬意を持てていると自然と雰囲気も良くなりやすいし効率も高められる。

チームを組むうえでのまとめ

以上3点でまとめたが、その3つはすべて心理的安全性が高く保てるか?といったところにフォーカスされている。平たく言えば、「メンバー間でお互いにリスペクトがあり、何でも言っていい感じの雰囲気が醸成されている」ことだ。
心理的安全性とチーム組成について、Googleのリサーチがとても参考になるのでお時間があればこちらも併せてご参照いただきたい。

またメンバー探しの場所について、おすすめなのはUnityゲーム開発者ギルドだ。たびたび自分のnoteでおすすめしてきたが、分報によって事前にコミュニケーションをとることが出来るし、unity1weekの期間はメンバー募集の書きこみも見受けられる。別にチームを組まなくても多くの刺激を受けられるのでUnityユーザーの方には特におすすめする。
UnrealEngineや他のゲームエンジン使いの人もUnityインストールして起動さえすれば全然許容される雰囲気があるというかむしろ自分はそういう人の話を聞きたいです。


どういうチームはうまくいかないのか

自分も学生時代からゲームを作りたいね~と適当にチームを立ち上げて、適当に企画を考えてそのままフェードアウトしていったという経験を数度した。それらの経験を踏まえどういったチームはうまくいかないのか考えていく。

①メンバー全員がゲームを完成させた経験がない

ゲームを作るのはしんどい。夢があり華やかな部分なんてほんの一部で、すべてはゲーム制作者の泥臭い努力地道な実装を続ける体力先の見えない不安への忍耐の上にゲームは完成する。
それらの過程をメンバー全員が知らないままチームを組んでしまうと、99%途中でその作業量の膨大さに絶望することになるだろう。
少なくともゲームを完成させるための過程を把握した人間が一人いて、その人がリーダーシップを取りつつチームの進行を管理する必要がある。

②実装や修正についての責任の所在が不明瞭

たとえばバグが発生したときに、これ誰が直すねん…と互いにけん制し合う状況になってしまっているともう最悪である。そのバグは知らない間に放置され、バグはさらに悪い実装でラップされ、気づいた時には取り返しのつかない技術的な負債となっている。
定期的に試遊会を開きフィードバックと実装(修正)するアサイニーを決めたり、タスク管理ツールなどでバグを起票して管理するのも手だろう。

③コミュニケーションが疎か

上述の通りゲーム制作には膨大な時間がかかってしまうため、プライベートな時間を大幅に費やす必要がある。そのための覚悟みたいなのもある程度必要になる。そんな中でコミュニケーションが疎かになり、自分の仕事へのフィードバックが薄かったり他人の仕事が見えなかったりしていくと、「自分は頑張ってるのに誰もやってないのでは」あるいは「あの人は頑張ってるのに自分はなかなか時間が取れない」といった不公平感がチーム内に漂ってしまう。
定期的に集まって、タスクの進捗確認をするだけでなく、世間話をしたり、最近忙しくて…という話をする時間を設ける必要があるだろう。ノアプロチームでは週に1回、1時間ほど試遊会と最近の話をする時間を設けている。

以下は7月5日の議事録になる。議事録というか自分でそれぞれ書きこんでいく。リアルタイムで共同編集できるNotionは本当に無料でこれだけ使えて良いのかってくらいおすすめ。

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④なんやかんやで相性が悪いとダメ

すごくアバウトに書いてしまったが、なんやかんやで人と人との相性はめちゃくちゃ大事。たとえば自分は結構オレオレ系なので、コントロールできていない感覚があるとストレスを感じてしまう。だからこそ個人制作を始め(略)

ノアプロのメンバー、つっちーさんとkugiさんは凄い。自分がこんなに横柄でめちゃくちゃなこと言ってるし、バージョン管理でもコンフリクトを起こすようなコミットめちゃくちゃするし(指摘されないけど多分めちゃくちゃしてる)、kugiさんがわけわからんバグ出しまくった時すぐキレるし、年上ハイスペ2児の父であるつっちーさんにすらなぜか「何言ってんすか?」みたいな態度をとってしまう。
お2人のお心の広さと優しさに、改めて感謝を伝えたいです。。

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ところでこのRhyme最高じゃない? わかってんだろ PEACE.

まとめ

今回は

・チームを組むにあたってのメリット
・どうやってチームを組めばいいのか
・どういうチームはうまくいかないのか

について書いてきた。

みなさまもぜひすばらしいチームを組んで、よきゲーム制作ライフを。

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