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短歌

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2024年4月の記事一覧

帰省 (短歌)

大好きなバスがアニメに侵されてキレそうになる土曜日の午後

多分もう二度と会わない人だから年上なのにバイバイと言う

物騒なテレビを見てる父親の後ろでカップラーメンすする

星の自転に乗った気分で (短歌)

カレンダーが好きになった
たまにきみとの約束が入ってるから

都合よく結構好きな道を行く
星の自転に乗った気分で

絡まった毛布を蹴って今日はまだ
楽しいことが残ってるんだ

夜 (短歌)

南米の香水 夜の交差点
いつかの記憶 思い出さない

酔って歩いて帰る夜
たまに小学校に寄る
ほんとにたまに

地球から見える夜空を12個に切り分けたのが星座なんだよ

一日中聴いてた声が寝る前の頭に響く
うれしくはない

無題3 (短歌)

晴れたのに晴れてくれない気分だな
蹴っ飛ばしたい遠く遠くに

春、慣れた気がしてたけど無理だった
ぞわぞわするし眩し過ぎるし

優しさと余計なお世話足して2で割ったコーヒー牛乳飲ます

無題2 (短歌)

「スラッシュもイジーもアクセルローズすら」
とかウィーザーに歌詞にされてた

美しい言葉は今は紡げない
できる時だけやるから待って

少しでも怖い言葉を放ったら
みんなに嫌われそうで怖い

ピザポテト (短歌)

ピザポテトしか食べれないピザポテトすら食べれない一旦寝るか

5時ですのチャイムうるさい大袈裟に言うことじゃないちょっと黙って

不健康/健康、怠惰/シリアス を行き来しすぎて時空歪んだ

無題 (短歌)

短冊が札束みたいになってても何も買えないとかつまんない

なっちゃんはわざとおかしなフリしてるとか言ったこと忘れないから

気まぐれな子どもが走っていったのは私の気持ちと無関係かな

ねむりたくない (短歌)

ねむりたくない (短歌)

いつ振りか正しい時間に眠くなる
ぽかぽかしててねむりたくない

一番遠くの桜が散っていくのを見て死んだのかと思った

何もかも忘れたくないなと思う
私はわたししかいないもん

二度と生まれて来られないなら (短歌)

歩いてる方が上手に話せると思ってたけど話すときだけ

一緒にいたら人生面白いね
種は忘れた頃に出してよ

比べるな 愛せ 貫け 確かめろ
二度と生まれて来られないなら

ブランコに乗る (短歌)

カラフルなお菓子を食べて少しだけさみしくなって星の図を見て

言葉に塗れた頭を少しだけこぼしたいからブランコに乗る

人生を味わい尽くしに来ただけで
行方もなにもないと思えば

夏みかん (短歌)

夏みかん (短歌)

夏みかん砂糖をかけてかじったら
2004年に行ける気がする

タロットで占ったのは秘密だよ
引いたカードはカップのキング

もう二度と同じ場所には戻らない
香りの記憶さえもいらない