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短歌

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2024年3月の記事一覧

雨音 (短歌)

びたびたという雨音を聴いている
頼んでもない春はすぐそこ

風の音はうねり街中引きさいて
布団の中で1人怯える

品川、品川という 無機質な
冷たい響き もうすぐおうち

しろくまに腕枕して (短歌)

父からのよからぬ通知 有. 東部機械工業保健組合

宮城県からのおびただしい着信
日本学生支援機構

しろくまに腕枕して眠れずに
音や言葉や淡い残像

ベッドで食べるチョコ (短歌)

横になりベッドで食べるチョコ いっそこの怠惰で時空も超えたい

今日会ったばかりの人も花粉症 私と出会う前から生きてる

いらないと切り捨てるのは簡単で毛布をしつこく掛け直してた

歯が嫌いなわけではない (短歌)

残酷な言葉を並べたクイズなの
正解しないといけないみたい

早朝の変な感じのホームにて
体調不良の待ってる二人

また今日も歯を磨かないまま眠る
別に歯が嫌いなわけではない

新しいタバコがまずい (短歌)

新しいタバコを吸ってみたくなり買った
全然おいしくないな

ないことにしてとりあえず踊ってる
conditional な愛 はいらない

逆光の朝日を浴びたその人は
絵画のようで難しい人