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#夏の思い出
プロローグ、それは本編前の前置き的なもの
「知らない」ということは、世界でもっとも美しいものかもしれない、とおもう。思い出せない記憶を辿る、前置きの日のプロローグ。約束、もしくは錯覚。事故にあうように、ファンタジー小説や映画のような、日常に隠れた断片を探そう。
photo by inaba keita
なみだはミルクのにおいがする
傷つくのは、ずるい。
だって、勝手に傷ついてるだけなのだもの。
傷つけるほうは、傷つけるほうで、良いことではない、とは思うけれど。
なみだは、ミルクのにおいがする。
まくらからも、ふかふかのクッションからも、ミルクのにおいがただよってくる。
こぼしたなみだをためて、ホイップしたら、たっぷりと甘ったるいミルクケーキができそう。
ミルクをこぼしたような流れの天の川。
いきるものたちの流し