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無理ゲーを脱出するには?

35 「裏道を行け」橘玲 著

今回は、無理ゲーを変えようとしてる人々のお話し。
無理ゲー社会の作者でもある橘玲。
サラッとタブーに触れることが上手なイメージがある作者。
楽しみに読みました。

 〜〜個人的な見どころ〜〜

①恋愛のHACK。

モテ格差のお話。

これは要するに結婚できるかどうかとかってお話です。
昔は結婚相手って、割と決められていた所がありました。
自由恋愛になったのは、ほんとここ数十年で。単にとてつもなく社会が豊かになったことに対する徒花みたいなもんだとの事です。

でも実際、意外と昔の人も自由恋愛できてたんじゃないかって思っちゃいますが。よく考えたらそんな事なさそうですね。

ま、その真偽はともかく、今のこのいろんな社会状況がモテる人とモテない人、結婚できる人の結婚できない人の差が広がっているのは確かです。
で。やっぱり自由恋愛は厳しい。

モテるやつと、そうでないやつの差は昔っから大きい。
そんな中この状況をハックしようとして登場するのがナンパ師です。

アメリカで、そういうのが流行ったようでして。
それを日本流に落とし込んだのが恋愛工学だそうです。
なぜ、モテ格差なのに、男メインのナンパ師に焦点を当てるのか?

これは基本的に男は選ばれる側ではなくて、アプローチしていく側ってのが根本にあります。
そう。基本、女性は選ぶ側なんですよね。
男には厳しい現実です。

ここでは、ナンパのテクニックとか言うよりは、どういう原理で、どういうテクニックを考え出しているか。
そして何よりナンパ師たちのその後にフォーカスを当てています。恋愛ハックした結果どうなっていくのか?
そこに焦点が置かれていて、その海外でナンパ師が流行ってた頃のテクニックとは、やっぱり今ではなかなか通用しないわけで、その理由みたいなのを探ってる感じが面白いです。

社会の変遷が見て取れて。知的好奇心が湧きます。

②金融、脳のHACK。

こちらは、毎度お馴染み、貧富の差がテーマになっています。
まず、お金をどうやって手に入れるかって考えるときに、ハックするって言う形になると、やっぱり金融ってなります。株とかね。
で、カジノとかの話にもなってきます。

ま、金融、株も、カジノのように賭け事っちゃ賭け事なところありますからね。
ポーカーや、金融をハックしていく仕組み、読んでて面白いです。
参考にはなかなかなりませんが。

脳のハックのところでは、マシンカジノとか、スマホゲームとか。
中毒や依存症って話になっていきます。
ギャンブル中毒とアルコール中毒とかセックス中毒とか依存症って言うなどれも似てて。
そんな、依存症の人考え方が丁寧に書かれてます。

その中にスマホゲームもあります。スマホのゲームの依存症。課金ばっかりしたりとかそういうのです。
で、人にそういう風に行動させるにはどうすればいいのか、ってのを、軽くサラッと書かれてるんですけれども。スマホゲームを課金はしてないけど、プレイしてる僕からしたら色々思うところがありました。

それにしても最近のスマホゲームは課金しなくても楽しめますが、とにかく時間がかかりますよね。なんだろう?広告費が大きいからですかね。本当に時間が潰れます。

③自分、世界のHACK

何かこう自分探し、スピリチュアル自己啓発系のことがいろいろ書かれてましたが、そこは正直あまりピンと来なかったんですよね。まぁアメリカのヒッピー文化とかそういったのが少し面白いかなと思ったんですけれども。

多分僕があまり自己啓発に興味がないからかもしれません。
面白かったのは、自分探しと言うよりは自分改造ですね。
ホーキング博士もかかったALSに、ある人がかかっちゃいます。
ホーキング博士と違ってその人は病気の進行が早いんですよね。
なので、なる早で、体が動かなくなる前に持ってるテクノロジーで全て解決してしまおうって考えまして。

脳は最後まで動くようです。
なので、脳以外の全てを改造している人のお話。
この方がおそらく現在も健在のようなので、ちょっと後で調べてみたいなと思う人でありました。

世界をハックするってお話。
これが、なぜかミニマリズムやら慈善、「限られた資源をどのように最適配分すべきか」というお話になってたりして。よくよく読めば、小金もちになれればどうするかってお話で。なかなか実感持てませんでしたね。僕には。

〜〜まとめ、雑記〜〜

この作品は、無理ゲー社会をこうすればハックできますよ。って作品ではなくて、こういう風にハックした人がいましたって感じの作品でしたね。

まぁこれを読んだところで、社会をハックなんかできません。ポーカーが好きな人はもしかしたらポーカーで勝てるようになるかもしれませんね。

そういう本の紹介がありましたので。

社会をハックするコツみたいなのは書かれてはいますが、難しすぎて参考にならんぅて感じですかね普通の人には。
どう、バグを見つけるか?って感じなんですが。

逆にそれができる人はこの本読む必要もないんじゃないのかな?逆に読まないんじゃないかな?って思います。

とはいえ、随所に今の社会の状況が理解できて。
やっぱり面白いです。
あと、いくつか興味深かった本文を貼っときます。

「とはいえ近年の研究では、問題はネットに気軽にアクセスできるようになったことではない。 「活字中毒」という言葉があるが、雑誌や本をいくら読んでも依存症にはならないし、映画やテレビ番組をいくら見ても禁断症状を起こすようなことはない。これらの娯楽は脳の報酬系を刺激するが、依存症を引き起こすような強度をもたないのだ。  同様に、ネットサーフィンで記事やコメントを読んだり、YouTubeやTikTokの動画を見るだけでは、ムダな時間を過ごしたと落ち込むことはあるかもしれないが、それ以上の悪影響はないようだ」

「スロットのストップボタンは、プレイヤーに「自分の動きがゲームの結果を決めている」と思わせる道具で、結果にはなにも影響しない。だがストップボタンをつけると、ほかのマシンよりプレイしつづける時間が大幅に長くなる。  こうした心理操作によって、マシンは「早期捕獲メカニズム」を獲得する。ベテランの依存症カウンセラーは、「いったんゲームプレイの繰り返しのループにはまり込んだら、理性的な行動は絶対にとれなくなる」という」
「依存症者の困難は、脳が快感に対して耐性をもつように「設計」されていることだ」

「ひとたび依存症が始まると快感は抑えられ、不足感が表面化してくるが、これは薬による快感だけでなく、セックス、食事、運動などから得られる日常的な快感も低下させるらしい。依存症の恐ろしさは、あらゆる幸福感を得られなくしてしまうことにある」

依存症の話がホントに恐ろしくて、油断ならないので、色々自戒を込めて、記録です。
では、また。

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