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森の中でユーダイモニアに生き抜くセンス

eumo 12期の卒業合宿で北軽井沢を訪れました。
そして2日目の訪問先が、企業研修を行うTAKIVIVAという
施設での「きたもっく」さんの事業紹介でした。

TAKIVIVAもきたもっくの事業の一つで、
きたもっくさんは山を中心に事業展開を行う
地域未来創造企業です。

eumo 12期の地消地産を教えてくれた枝廣さんや
「森ってVUCAでした」と教えてくれたトビムシの竹本さんの講座にも通じる、
ユーダイモニアな自社内の循環を持つとってもオシャレで、
ロマン溢れる会社さんでした。


きたもっくの始まり Sweet Grass

きたもっくの始まり Sweet Grass
きたもっくは現在120人規模の会社で、北軽井沢出身の代表福嶋誠さんが、
30年前に始めた会社だそうです。
元々北軽井沢が嫌で都内で働いていたそうなのですが、
39歳の時に北軽井沢へUターン。
父親から譲り受けた荒涼とした土地を眺めながら半年近くを過ごし、
目の前に広がる浅間山のキレイさに感動し、
「この美しい景色を多くの人たちと共有したい」とキャンプ場の
Sweet Grassを始めたそうです。
でも、福嶋さんキャンプ場経営の経験はなく試行錯誤しながら、
まずは木もない荒涼な土地だったので、植樹3000本から始めたそうです。
それが、今では年間10万人が訪れる大人気のキャンプ場に。

みんな違ってみんな良い、コテージデザイン

見学の際に広大な3万坪以上あるきたもっくの敷地を車で一周してもらい、
Sweet Grassのキャンプ場も拝見したのですが、
キャンプ場には異なるデザインのコテージが52棟あり、
それを10年かけて1棟づつ手作りしていったそうです。
このたくさんの異なるデザインのコテージが、
利用者にとって「今度はあそこのコテージに泊まってみたい」に繋がり、
リピーター獲得に繋がっていったのだそうです。

最高年齢80歳の清掃スタッフ

敷地内にはコテージの他にも、テントが張れる場所や、
犬と泊まれるテントなんていうのもありました。
とても感心したのはおしゃれで清潔感のある所です。
今回きたもっくを案内してくださった土屋慶一郎さんによると
52棟ものコテージをお客様がチェックアウトした11時から
次のチェックインの15時までの3時間で28名の清掃部隊の方が
丁寧に清掃されているそうです。
そして驚くのが清掃部隊の最高年齢が地元の80歳のおばあさんで、
このスイートグラスで働くことをとても誇りに思っているんだそうです。
そんな地元の高齢者にも働くことを誇りに思ってもらえる企業って素敵だと思いませんか?

私たちeumo卒業合宿組が80歳という年齢に少し驚いていると。
土屋さんは、「2人1組で清掃にあたるんだけど、
高齢の熟練者と若い新人スタッフを組ませると、
熟練者からの指導が厳しくて新人と上手くいかないこともあって、
最近は若い子だけの清掃チーム編成を考えている所です」とおっしゃっていました。

TAKIVIVAのホール

ユーダイモニアな森を巡る事業展開

そんなキャンプ場から始まったきたもっく、
現在ではフィールド事業と地域資源活用事業の2つに分かれて
展開しているそうです。

フィールド事業:第三次産業
・Sweet Grass|キャンプ場
・LUOMU|コンセプトパーク
・TAKIVIVA|宿泊型ミーティング施設

地域資源活用事業:第一次/二次産業
・ASAMA STOVE|ストーブ施工
・あさまの薪|良質なストーブ薪の製造販売
・百蜜 |養蜂と採蜜販売
・二度上山|自伐林業
・あさまのぶんぶん|木材加工工場

いただいたきたもっくのあゆみをみると
ココにユーダイモニアな巡る事業展開を知ることができます。

1994 Sweet Grass
定期雇用に繋げるため、
冬にもキャンプ場を開放できるようにストーブを自分たちで設置

2009 ASAMA STOVE
キャンプ場でのストーブ施工技術を活かし、
ストーブの施工、メンテナンス、薪の販売などを展開

2010 LUOMU
Sweet Grassから少し離れたところに、
ツリーハウスやレストランがある、子供たちが遊べる森を開拓

2014 あさまの薪
キャンプ場の利用者増加に伴い、薪の供給を内製化、
また、質の良い薪を自社利用するだけでなく、販売へ展開

2018 百蜜
薪事業の展開の際に山をもらい、そこの豊かな自然を守るために、
養蜂事業を開始。たった5箱の巣箱から現在は200箱、
年間4トンのはちみつを採取できるまでに

2019 二度上山
素材生産と養蜂、四季の遊び場としての山登りツアーなどを開始

2020 TAKIVIVA
キャンプ場は家族再生だけでなく、社内の人間関係再生にもなるはずだ
と、研修などのビジネスユースに向けた宿泊施設付きのキャンプ場を展開

2021 あさまのぶんぶん
「山からはじまる産業革命」を合言葉に、伐採から製造・乾燥・
 加工・建築までを一貫して行える大型ファクトリーを建設

と、フィールド事業と地域資源活用事業を行ったり来たりしながら、
自社内で全てを完結できるような事業展開をして行ったそうです。

あさまのぶんぶん
外観の木材は通常建築には使われないものだけど、
キレイだし、木材を無駄にしたくないとのことで、外壁に採用

VUCA=カオスを受け止める力・整えるセンス

土屋さんにきたもっくを紹介・案内していただき、
とても印象的だった言葉は
「カオスって今の時代に大事だと思うんです」の一言。
これを聞いて真っ先に、最近自分が手放す経営ラボのメンバーと立ち上げた
evOrgという自律分散型組織研究所のことを、
そしてその中の2人のメンバーのことを思い出しました。
彼、彼女の放つカオス感がevOrgの組織に
毎回カオスをもたらしているのですが、
このカオス感、必要とされてるんだ!と面白くなり、
続いて土屋さんの放った「でもカオスをそのまま放っておいては
ダメなんですよ」になんとなく安堵感を感じつつw。

工場の資材置き場
あさまの薪 乾燥室

きたもっくさんを一通り見学させていただいて本当に
様々な事業展開をされていてカオスなんだけど、
会社案内資料を見ると、その事業には一貫性が見えるし、
パンフレットのデザインはおしゃれだし、
キャンプ場って粗野なところが多いイメージだけど、
まるでグランピング一歩手前かのようにキレイだし、
あさまの薪の一次保管場所の薪も丁寧に見た目良く保管されていて、
こういう丁寧さが大事なんだな。
どんなカオスにも真摯に忍耐強く向き合って整えていく力、
これがVUCAの時代に必要なんだなと思いました。

いつかevOrgのみんなでTAKIVIVA行って合宿したいな~


TAKIVIVAの外
右:最近できたばかりだというサウナ
中:みんなで料理をするかまど
左:ぐりとぐらのカステラができそうなカレーを作る鍋
TAKIVIVA 宿泊施設外観
左:TAKIVIVA シェルターの天井は内省へ向かいやすくするため、天井は低く薄暗い設計
中:個室のお部屋
右:個室シェルター


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