光楽家に憧れてデザイナーを志す

東野圭吾の1997年の小説、「虹を操る少年」
私が最初にデザイナーを志したきっかけだと思う。

この物語は光瑠という色彩に敏感な少年が主人公の話で、
光と音を操る「光楽家」として革命を起こす物語。

以下少し小説のネタバレだけど、
光瑠は高校生にしてはとても秀才で、
ある日、自分で電球とシンセサイザーを合体させて、
音に合わせて色が変わる楽器を作り出す。
そしてそれを真夜中に小学校の屋上で演奏し、
音と共に光のメッセージを載せる。
メッセージを感じ取ることができた若者達が
光瑠の元へ集まってきて革命を起こす。
というような物語。

そもそも光瑠を覚醒させたのは広告業界のトップに君臨する
初老のお爺さんで、お爺さんには元々光瑠のように
色や光にメッセージを載せたり、人の心を読める力があり、
CMに自分のメッセージを載せていたところ、
光瑠が目覚めていったという流れになっている。

これを読んだ高校1年生の私は、
社会にも大人にも反感もあったので、
この本の中に出てくる同世代の登場人物に共感しつつ、
光瑠の超能力すごい!と思った。
でも冷静に考えると、
赤は情熱、紫は崇高や妖艶、
緑は癒しの色、黄色は社交性とか、
色に意味があるのは
他の色彩学の本などにも載っている内容だし、
ありえない内容ではないなと思って、
真面目に光瑠のようなメッセージの発信を
広告を通してできないかと考えていた。




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