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加入企業はどんな支援をしているの?「みんロケ」事例を紹介します!(前編)

こんにちは!インターステラテクノロジズ(以下、IST)広報です。

前回の記事では、「みんなのロケットパートナーズ」(通称、みんロケ)のしくみについてご紹介しました。

今春には新たに5社が加入し、合計27社となったみんロケ。今回は、それぞれ異なる支援のかたちでISTを支えてくださっている4社にインタビュー。その支援内容や、みんロケ加入のきっかけ、みんロケに入って良かったことなどを伺いました。

みんロケ加入を検討している企業・大学・大学の皆様はぜひご一読いただけると幸いです!

※掲載は五十音順です

みんロケ加入企業(1)IMV株式会社

MOMO5_スポンサー様ロゴ_IMV

1957年創業のIMV株式会社は、「振動」に関する業務を一手に引き受ける試験装置メーカー。動電型の振動試験機を専属で取り扱い、世界シェア40%、国内シェア70%を占めます。同一の製品を取り扱う企業としては世界最大を誇ります。今回は、営業本部 営業マーケティング部の寺田祐典さんにお話を聞きました。

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みんロケ加入のきっかけは何だったのでしょうか?

寺田
SNSやネットで振動試験に関する情報収集をしていたところ「振動試験をやりたいけどできない」という大学生に出会いました。その学生の方が参加していたのが、2019年8月におこなわれた能代宇宙イベントです。そこで稲川さん(代表取締役社長)や植松さん(MOMO・ZEROプロジェクトマネージャー)とも出会い「技術支援をしてほしい」というお話を受けました。それが最初のきっかけですね。

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IMVさんは、もともと会社として宇宙産業に携わったことはあったのでしょうか?

寺田
JAXAをはじめ重工メーカー様と取引があるので、航空宇宙分野でのつながりはもともとありました。

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実際にはISTへどういった支援をしていただいているのでしょうか?

寺田
我々は振動試験のプロフェッショナルですので、振動、衝撃、音響に関する試験の実施や測定、それに関する技術的なアドバイスを提供しています。専門の知見を生かして、技術的に不足している箇所を補っているようなかたちです。

例えば、MOMOやZEROに搭載する部品の振動試験や、MOMO全体を対象としたいわゆる全機振動試験、また、MOMOを打ち上げたときの音響がどれだけ周辺環境に影響を与えるかなどの測定に関する技術支援もしています。

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2020年6月13日に打ち上げられた「えんとつ町のプペル MOMO5号機」では機体スポンサーにもなっていただきました。機体スポンサーになろうと思ったきっかけは、何だったのでしょうか?

ビジネスカンファレンス時写真

寺田
IMVはシェアにも現れているように、業界での知名度は高く「知っている人は知っている」会社でした。扱っている商品が「to B」ということもあり、広く皆様に知っていただく機会が少なかったため、一般知名度向上のためにも機体スポンサーに名を列ねることにしました。またステークホルダーの皆様にチャレンジングな姿勢をお見せするためにも、ISTの取組みに協賛することはメリットになると考えました。

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みんロケに加入して、社内外の反応はいかがでしたか?

寺田
今、お伝えしたとおり業界知名度は高いものの、一般知名度は残念ながら低い我が社なので、社員の家族、特に子どもたちは自分の両親がどんな仕事をしているのか分からないわけです。でもISTに支援をして「こんな技術を支えているんだよ」と家族や友人に自慢できるようになったのは、とても良かったですね。

社外的には、お客様との話題づくりです。「実はこんな活動をやっているのですが、ご存知ですか?」という感じで。もともと航空宇宙業界とのつながりはありましたが、ISTへの支援をきっかけに、官民問わず数珠つなぎで様々な企業や団体と知り合うことができたのも良かったことのひとつです。

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最後に、これからのISTや宇宙産業界に期待することを教えていただけますか。

寺田
ISTへはMOMOの先を行く衛星軌道投入ロケットZEROの開発を頑張ってほしいと思っています。将来的に、人工衛星開発の会社も増えれば弊社の需要も増えていくと予想されます。お客様と接点が増えて「IMVが良い!」と思ってもらえれば、我々の幸せも増え、Win-Winの構図ができていくのではと感じています。



みんロケ加入企業(2)株式会社大林組

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大林組は、1892年創業の日本を代表する総合建設会社です。(グループ連結で)社員数は約15,000人、海外の21都市に拠点を置くゼネコン最大手の大林組は、東京スカイツリー®、六本木ヒルズ森タワーそして近いところだと大樹町の雪印メグミルク(株)大樹工場などの施工もしている企業です。今回は、川上好弘さん(技術本部 未来技術創造部)と、大出大輔さん(みんロケ加入当時は技術本部 未来技術創造部)にお話を伺いました。

※大出さんは、現在は大林組を退職され、2021年4月に設立されたスペースコタン株式会社のCOO(Chief Operating Officer)に就任!ロケットの打ち上げ拠点「北海道スペースポート」の整備に一丸となって取り組みます。

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まずはみんロケ加入のきっかけについて教えてください。

川上
もともとは、前担当者の大出が2019年8月の能代宇宙イベントで、植松さんと堀尾さん(MOMOプロジェクトマネージャー)に会ったことがきっかけです。

大出
当時、千葉工業大学の教授とロケット関係の研究をしていて、その先生に誘われて会社としてではなく個人として行っていたんです。そこで運営の手伝いをしていたところ一緒に片付けをすることになり、植松さんと意気投合し、「何か一緒にやりましょう」とお約束をしたのが最初のきっかけです。

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IMVさんのみんロケ加入も能代宇宙イベントがきっかけでした。それから、具体的な支援をしていただくまでには、どんな経緯があったのでしょうか。

大出
まずは大樹町に行ってISTを見学し、ISTの課題を大林組の技術で解決できないか探ることにしました。実際に視察に行ったのは11月。その当時、年末年始にMOMO5号機を打ち上げる計画があると伺って、計測などの分野で協業できるのではと話をしていました。

その後、MOMOやZEROを打ち上げるに当たって煙道(煙を逃がすためのトンネル)の設計が必要になり、そのためにロケット打上げ時の音響の計測もしなければならないことが分かりました。大林組は、トンネルの発破時の音響計測でそのノウハウがあったので、そこをお手伝いすることになったんです。

その後も、様々なディスカッションをしていくうちに発射の判定や軌道の予測に「風の計測」が必要だという話を伺って、東京スカイツリー®での計測の際にも使用した「ドップラーライダー」で風を計測しました。

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また、ロケットが雷雲に突入すると墜落の可能性が大きくなってしまうので、大林組が現場の作業員を守るために使用していた「カミナリウォッチャー」(落雷の危険性を判定・通知するシステム)を発射の1、2ヶ月前に設置して上空の雷雲をモニタリングする仕組みを提供しました。

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大林組さんがもっていたさまざまな技術が、今のISTを大きく支えてくださっているんですね。ちなみに、みんロケに加入したことに対する社内外の反響はいかがでしたか?

大出
大林組は、社員数も多く、他部署や他プロジェクトを受け持つ人間との接点があまりありません。今回、ISTに技術提供をしたことで、カミナリウォッチャーや風の計測のノウハウを持っている人間と一緒に仕事ができたのは、私自身も良い経験でした。知らない領域の人と横のつながりができたことで、今後の仕事に生かせる社内連携ができたのではないかと思います。

社外的なことでいえば、大林組で宇宙といえば「宇宙エレベーター」だったのですが、「実際のところ何をやっているの?」というのが正直な反応でした。そこで「ISTに対してこのような技術提供をおこなっている」と明確に伝えられる取組みができたのも良かったです。

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最後に、これからのISTや宇宙産業界に期待することを教えていただけますか。

川上
宇宙産業が日本の中核産業に発展していくこと期待しています。宇宙の技術は社会を大きく変える可能性があるので、その中心にいるのが日本であればいいですね。弊社としても、その発展に様々な貢献ができればと思います。

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前編はここまで!

続きはこちら↓

「みんなのロケットパートナーズ」

詳細はISTのウェブサイトをご覧ください!

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