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【航空業界からロケット企業へ】異業種から転職した二人のリアル!

はじめまして。インターステラテクノロジズ(以下、IST)人事の片桐です。ISTにはさまざまな業種出身の方がいます。そこで今回は航空業界から転職された吉田さんと知念さんにインタビューを実施して、入社のきっかけ、仕事内容、北海道の暮らしなどについて聞いてみたいと思います。

ISTに入社される8割の方が非航空宇宙出身者

ーまず二人のプロフィールについて聞かせてください。

(吉田)1982年生まれ、出身は茨城県です。大学卒業後、新卒で大手航空会社に入社し、中大型旅客機の重整備、運航整備業務に従事していました。現在は生技・生産グループで全機組立生産技術と組立作業、試験運用を担当しています。

(知念)1993年生まれ、出身は沖縄県です。専門学校卒業後、民間航空会社に航空整備士として入社し、主に飛行機の動翼や着陸装置の整備業務に従事していました。現在は吉田と同じグループで組立作業や試験運用、地上設備作業、品質管理を担当しています。

ーお二人はなぜISTに入社しようと思ったのですか。

きっかけは「北海道×整備士」

(吉田)北海道に移住する前は関東圏に住んでいたのですが、以前から小学生になる子供を北海道の大自然の中で育てたいと一念発起して北海道移住を模索していました。移住で一番懸念していたのは私の転職でした。

前職では民間航空会社で航空機整備の仕事をしていましたが、転職活動を始めた当初は前職の経験を活かしつつも、せっかくなら新しいことにチャレンジしたいと思い、異業種で仕事を探していました。しかし数か月探した結果はゼロ。諦めかけていた時、ふと「整備士×北海道」とインターネットで検索してみると、ISTの採用ページにたどり着きました。なんと、求めるスキルに「航空整備士」を挙げている職種があったのです。

大樹本社組立棟での作業の様子

ISTはその時に初めて知りましたが、超小型人工衛星用ロケット「ZERO」(以下、ZERO)の開発の仕事内容を調べるうちに、「飛行機のはるか上、宇宙まで打ち上がるロケットの開発に携わることができ、航空整備士の経験を以て全長30メートル近くあるロケットを組み立てられるかもしれない」と期待で心が躍りました。

入社の決め手は「憧れの宇宙業界」、「働く人」、「満足のいく人生」

(吉田)選考フローには実技マッチングという、ISTで働く人や仕事の様子を大樹町に訪問して直接見せてもらう選考ステップがあります。

私も大樹町本社を訪問したのですが、ロケットの開発現場を見学してよりリアルに感じられたのはもちろんのこと、働いている人たちと直接会って話をして、この人たちと一緒に仕事をしたら面白そうだなと思えたことが大きな決め手になりました。そして最後は、人生の中でロケット開発に携われるチャンスはほとんどなく、今ならロケットの”一部”ではなく”全部”に携われる。「一度きりの人生、チャンスは今しかない」と思いISTへの入社を決めました。

憧れていた宇宙業界の仕事

(知念)私は20歳くらいの時から「宇宙兄弟」という漫画が大好きでした。その漫画がきっかけで宇宙に興味を持つようになり、ロケットを作ることに憧れを抱くようになりました。航空整備の仕事はやりがいがある仕事でしたが、宇宙開発への憧れはずっとあったため、思い切って転職を決意しました。

ロケットを作る会社には、大学卒業者や宇宙業界出身者のみしか入社できないと思っていました。しかし、ISTのロケット組立の応募条件にはそのような制約はなく、意を決して応募しました。応募した当時は自身の知識や技術が不足しているのではないかと不安に感じていましたが、選考が進む中で異業種から転職された方が多いことにも気づき、最終面接時には不安よりも期待の方が大きくなっていました。

ーISTでの具体的な仕事内容について教えてください。

(吉田)私と知念が所属している生技・生産グループでは以下の領域を担当しています。

  1. 品質管理

  2. エンジン系生産技術

  3. 構造系生産技術

  4. 全機組立生産技術

  5. 組立工場の仕様、レイアウト検討

  6. 治具や設備の設計

  7. 部品調達

  8. 組立作業

  9. 試験運用

その中でも私が担当しているのは全機組立生産技術と組立運用です。

全機組立生産技術とはエンジンや燃料タンク、フェアリングといったロケットを構成する一つ一つのコンポーネントを完成形まで組み立てる作業のことで、作業に必要な工程や手順、設備を検討し、実際に形にしていきます。

一方の組立作業とはエンジンや燃料タンクの組み立てから、ロケット本体の組み立てまでを行います。今はZEROの開発のためにさまざまな試験を行っているので、試験に必要な設備の設営や手順書の作成も行っています。

(知念)私は組立作業や試験運用などを担当しています。具体的には燃料タンクの耐圧試験や気密試験、バルブの組み立てと気密試験、指令所の立ち上げ作業などです。今後は、ターボポンプの軸受の性能試験や、そのために必要な設備の工事、品質管理の仕事なども控えています。

ー航空業界出身者から見て異業種の宇宙ベンチャー企業というのはどんな雰囲気ですか。

(吉田)入社して間もないですが、入社1週目からアクセル全開です。これまでZEROの開発のために検討してきた膨大な情報を読み解きながら、自分の仕事に落とし込んでいく作業の日々です。ベンチャーならではのスピード感で毎日刺激的な日々を送っています。

(知念)スピード感ももちろんですが、分からないことがあって相談すると手持ちの仕事で忙しくても親身になって教えてくれます。

社内の情報共有にはslackというコミュニケーションツールを使っているのですが、そこで使っているスタンプの使い方が秀逸過ぎて、たまに笑って声が出てしまうほどです。

夏季休暇の案内にユニークなスタンプが押される

(吉田)前職は大手の民間航空会社でしたので、ある程度決められた範囲内で的確な判断を求められましたが、今はすべてのことを自分で決めて実現していくことが仕事なので、厳しさはありますがとてもやりがいを感じています。特に全機組立生産技術と組立作業は全ての開発の集大成の工程なので尚更です。

(知念)確かに裁量の広さという点には私も驚きました。私自身、未経験の仕事にも挑戦することが多いですが、航空整備の経験を活かせる部分や、安全面、作業環境の管理、現場のマネジメントにおいて、飛行機との共通点を見出しながらも果敢にチャレンジできる環境です。

また自分自身が手掛けた設備で試験を行えることや、自分の手で形になっていくものを見た時の達成感は大きいです。まだ私はロケットの打上げ経験はありませんが、おそらくその瞬間が最もやりがいを感じる瞬間だと思いますので楽しみです。

(吉田)ベンチャーという事もありスピード感や裁量の幅広さは前職と異なるところですが、航空機とロケットの技術的な知識や経験は親和性が高く、これまでの航空機整備の経験は大いに活かせると考えています。特にロケットを図面から現物へ形作っていく生産技術や組立作業は、航空機整備の経験が活かせる分野だと思います。

例えば、ロケットのエンジンを組立てる作業は燃焼の仕組みや大きさは違えど、求められる基本技術、ベーシックマナー、工学知識は航空機のコンポーネント整備と遜色ありませんし、組み上がったエンジンなどのコンポーネントを機体に取り付ける作業は、運航整備や重整備の知識や作業経験を活かせると考えています。

(知念)私自身は部品を組立てたり、その後に試験して問題がないか確認したりなどの作業は前職での経験が活かせると感じていますし、航空機整備と一緒で、ロケットでも構造・エンジン・電気・通信・制御など様々な分野があって、生技生産Grでは製造、検査、組立、試験、打ち上げ運用を担当しているので、必ず自分が経験してきた分野が活かせる場所があると思います。

ーお二人とも関東から移住されたということで、北海道の暮らしぶりについて教えてください。

(吉田)北海道は雄大な自然が心を癒してくれる最高の場所です。本社がある大樹町は酪農が盛んな地域で牧草地が広がっているので、「The北海道」という風景の中を通勤できます。晴れた日は遠くに見える日高山脈がとてもきれいで心癒されます。

家族も都会の喧騒から離れた大自然の中での生活を満喫しているようです。もちろん買い物や映画などの娯楽は都会と比べると少ないので不便に感じるかもしれませんが、1時間以内に帯広という大きな市があるので退屈したり生活に困ることはありません。

(知念)大樹町では美味しい食事が楽しめます。和洋中すべてのジャンルのお店がありますが、その中でも私は中華料理屋のチャーハンが大好きです。また大樹町では祭りも多く開催され、冬には雪合戦大会に参加して盛り上がりました。

毎年恒例行事の雪合戦大会

ー最後にISTに興味を持っている方々にメッセージをお願いします。

(吉田)ISTに興味をもっていただけたらとてもうれしいです。私は長く航空業界にいましたので、転職という大きな一歩を踏み出す時、すごく悩みました。でも、人生は一度きり。何に心を燃やすか真剣に考えた結果、ISTへの転職を決断しました。今となっては、それが最高の選択だったと自信を持って言えます。

振り返ってみると小さくても前に一歩踏み出すことが大切だったのだと思います。そのきっかけをくれた家族にはとても感謝しています。航空業界からでもロケット開発にチャレンジできるので、ぜひ気軽に応募してみてください。

(知念)ISTに転職してからの1番のギャップは、宇宙業界出身の人が思ったよりも少なく、宇宙とどこに接点があったんだろうと思う業界出身の人も多くいたことです。宇宙の仕事は特別な人しかできないということではなく、むしろ産業として今後大きく成長する上でさまざまな分野の人・経験を持った人たちが力を合わせることが必要だと思っています。

生技・生産グループでは現在もたくさんの仕事があり、やりたいことができるチャンスでいっぱいです。もし、ロケットを作りたいと思ったことがある方は、ぜひ一緒に働きましょう!

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