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Dr.ハインリッヒ×ヤーレンズ

タイトル写真はヘンミモリ氏の撮影写真をお借りしてます。引用元はこちらになります。

音楽でも、演劇でもなく、お笑いの話を。そう、私は最近、すっかりお笑いにハマっております。心癒されるお笑いに。

Dr.ハインリッヒ×ヤーレンズ『コーヒーブレイク』
トークをしつつ、漫才をしたくなったらやりますという宣言と共に始まったこのトークライブ。会場は満員御礼。400人のところ800人以上の応募があったそう。緞帳が上がった途端、出演者である4名が「おおっ」と感慨深そうに声を上げていたのが印象的でした。十年ちょっと前に始めた当初は20名、30名の前で漫才をしながら、その日の反省会をこの2組でいつも喫茶店でしていたという。そこからコーヒーブレイクというタイトルで、今回の「東京で満席」の開催は、それは感慨深いものがあるんだろうなとこっちまで思わされてしまう。

テーブルを並べてコーヒーカップを置いての4人のトークは、事前にZOOM打ち合わせをなさっていたそうなので概ね予定の話をしてたと思うのですが、内容的にはシンポジウムと楢原さんが言う通り、「昨今の芸能におけるジェンダーと気づき、仕事とは・・」のシンポジウムだったような。そして客席は見渡すと大体20台後半から50代の働く世代の男女が多く、一人で来た人も圧倒的に多そう。仕事帰りにチケット握りしめて(という表現は昨今なくなり、QRコードで入場なので紙のチケットはない)夕飯も食べずにギリギリ19時に間に合ったような顔ぶれにとって、社会のジェンダーにおける女性の立ち位置はピンポイントで心に刺さるんじゃないかと聞いていて思ったのですが、案の定どの人も頷き、たまに拍手が湧き起こるトークでした。だからシンポジウムと言っても過言ではないでしょう。その中で、気づく側の立ち位置で出井さん、あんまり気づいてなさそうな立ち位置(失礼)で楢原さん、そしてハインリッヒのお二人が今まで試行錯誤してやってきたジェンダーと仕事について思うことを話してくださり、私の横にいた妹(総合職、役職あり、社畜、とにかく忙しい、子供あり、夫婦共働き)もうなづきすぎて途中で泣きそうになってたので心に刺さりまくっていた様子でした。あのジェンダーに関わる仕事についての内容は、Dr.ハインリッヒ×ヤーレンズの関係性もあったからこそ、あの場で言えたことで、また、だからこそ、出井さんが気づいて記事にしたり出来たことなんだろうなぁと。ヤーレンズの柔軟性というか、その時気づかなくても後から「アレ、もしかして」と思える感性とそれを上手に文字に出来る出井さんに拍手しかありません。あ、もちろんそこに同意したり、反対の立場を上手に発言してみせる楢原さんも人前に出る仕事をする上では満点な対応です。

今回聞いたヤーレンズの長尺漫才が、昨日までの社会問題全部を盛り込んだようなネタを全部笑いに昇華していて、この忙しい中、すべての情報をインプットして、それを上手にアウトプットするのって本当に素敵!と、妹の言葉通りに書くと、とにかく初お笑いライブだった妹には刺さりまくった様子で、私としては息抜きに連れていったのに、「あんなに忙しい人もこんなに頑張ってるから、私も仕事頑張らねば」とさらに社畜に追い込んでしまった気がするのでした。帰りがけに、妹と、なんでも仕事や学んでいく上でインプットはある意味簡単だからどんどんするけど、それを上手にアウトプットするのって努力と気力がないとできないけど、それをしないと意味がないかもしれないねぇという話題になり、それをうまくやれないと次の仕事に繋がりにくかったり、自分の仕事の裾野を広げられなかったりするのかもねぇとしみじみしてしまいました。がんばろっと。

私はお笑いに暴力性や下ネタ系は入れないのが好きなのと、ちょっと時事ネタが入ってるのが好きなのでヤーレンズが安心して聞けるのですが、昨日の長尺漫才の方はおっそろしくトークのスピードが早くて、頑張ってついていかないと振り落とされる勢いでそれが面白かった。多分やってる本人たちも途中からどんどんのってきてスピードがアップされたんじゃないかと思うくらい。そして後半の4分ネタは、安心して聞けるという、その2種類の漫才で、テレビでは味わえない楽しさを感じたライブでした。

Dr.ハインリッヒさんはお初だったのですが、面白かった。熟練の技を見せつつ、だからと言ってまだまだ大御所の年代でもないので新鮮さもあるようなやり取りが好きだなと思わせてくれました。私はそんなにお笑いに詳しくないので感想が雑ですが、普段見ることがあまりないお笑いを東京でライブで見れるのは全てが新鮮でした。

ところで、最後に音楽業の人らしい感想を書くと、あちこち行ったことがあるわけじゃないからなんですが、昨日の場合、フライヤーがない(折込ちらしとかもない)、舞台セットが基本的にない、ステージ上の照明も最小限、音響設備も特に多くを必要としない、、ということで「なんてお金がかからないんだ!会場代だけじゃないか」と驚きばかりなんですよ。あと中野ゼロに関して言うと、いろんなものをこのホールで見たことがありますが、トークライブや漫才の場合は、会場の音響設備だと声の感じがこもったり聞きにくかったりするのが本音です。漫才のサンパチマイクも音量がもう少し欲しかった。そもそもあの会場のスピーカーがアレなのでアレだけで音を出すのがなんとも音量がないというか、という、個人的な感想です。なのでところどころ何を言ってるか分からず、そこが勿体なかった。特にトークだけしてる時間。他の会場だと大丈夫なのかもしれませんが。あの会場は座る位置によって音が聞こえにくかったりする場合があるので。

Dr.ハインリッヒ×ヤーレンズ

でも妹が気に入ったのでまた懲りずにヤーレンズのお笑いに応募するかも。

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