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#64 データ型小論文の基礎(解説)

「最近は表やグラフを読み取る試験が増えてるらしいけど、ぶっちゃけ超苦手……。」
「ニュース見てもよくグラフが出てくるけど、正直、色んな形があって、よくわからないことが多いんだよね……。」
 そう考えている人は以下の説明を読み、表やグラフ等で示されるデータについて理解を深めましょう。近年ではテクノロジー(IT)が発展し、様々な情報に触れる機会が増えました。私たちに与えられる情報は増え、それだけ正しい事実と誤った情報とを区別しなければならない機会も増えました。
 正しい事実と誤った情報とを区別するためには、出典や根拠を把握する必要があります。その時に表やグラフ等で示されるデータを読み解く能力は極めて大切です。だから、入試ではその能力の有無が問われます。
 入試に勝つためにも社会人として活躍していくためにも、ぜひデータを読み解く能力を身につけておきましょう。

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 データによって表される事実は以下の3段階の思考によって見えてきます。

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 データは言葉ではなく数字で表される部分が多いです。そのため、まずは数字を「読む」必要があります。そして、その数字が何を意味するのか「考える」必要があります。それがわかったら自身の言葉で「表現する」必要があります。つまり〈数字〉を〈自身の言葉〉に置き換える操作が必要です。〈具体的〉な数字を〈抽象的〉な言葉へ変換することで、データは事実として認識(理解)されます。

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 データの表記方法は様々な形があります。以下に代表的な4つを紹介しますが、このほかにも面グラフ・帯グラフ・レーダーチャート・散布図といったものもあります。以下のデータを試しに分析してみましょう。それぞれの性質を理解して、適切にデータを読み解けるようになりましょう。

【表】様々な要素の「比較」を表す。

 以下の表では2点の事実が示されています。

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(1)大学進学率は男女であまり差がない
(2)しかし平均年収と雇用状況においては男女で大きく差がある

【折れ線グラフ】「推移」(時間的な経緯)を表す。

 以下の表では2点の事実が示されています。

(1)今(2020年)から10年前(2010年)は多くの人々がスマホを所有していなかった
(2)スマホの普及率は2011年から2012年にかけて急増している

【棒グラフ】「数量」とその比較を表す。

 以下のグラフは内閣府によって2018年に実施された「我が国と諸外国の若者意識に関する調査」のデータをもとに作成したグラフです。対象年齢は13~29歳です。各項目に対して「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」「どちらかと言えばそう思わない」「そう思わない」のいずれかを答える形式で行われました。数値は「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」の2つの回答を合わせたものとなっています。

上記のグラフでは以下の事実が示されています。

日本の若者は他国と比較して自己肯定感が低い

【円グラフ】「割合」(%)を表す。

 以下の表では3点の事実が示されています。

(1)文系よりも理系のほうが偏差値55以上の生徒が多い(優秀な生徒が多い)
(2)文系よりも理系のほうが偏差値45以下の生徒が多い(心配な生徒が多い)
(3)文系は中間層(45~55)が厚いが、理系は上位層(60以上)と下位層(45以下)との差が大きい(格差が大きい)


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