【セブ島留学③】初めてのTOEFL、気になるスコアは?当日の流れと大事件発生も
先日の記事でも触れたとおり、6月2日からフィリピンのセブ島に4週間、語学留学します。
留学の目的はバカンスも兼ねているので、ガチガチに語学力を伸ばしたいわけではありません。去年は博士論文でめちゃくちゃ忙しかったので、気分転換がてら新しいことを始めて、また気持ちを新たにジャンプアップしたいなという感じです。
そういうわけで何か具体的な到達目標があるわけではないのですが、せっかくお金と時間をかけるわけですから、どのくらい英語力が伸びるのかちゃんと測定しておきたいなと。というわけで、何らかのテストを受けることにしました。
TOEIC、TOEFL、IELTS…どれを受ける?
世の中には英語力を測るためのテストがいくつかあります。有名なのはTOEIC、TOEFL、IELTSの3つでしょうか。
TOEICは日本のテストなので、外資系の企業に就職するときなどにはあまり役に立たないと聞きます。ただ、ビジネスシーンや旅行で使う内容が出題されるので、日頃から使える表現が身につくのはメリットです。
私は資格試験自体をはあまり受けたことがなく、TOEICも高校を出たばかりの頃に1回受けただけです。その時のスコアは670点ぐらいだったかな。決して良い点数とはいえないですね。
なお、昔からあって有名なのはL&R(Listening&Writing)ですが、最近ではS&W(Speaking&Writing)もあるので、組み合わせることで四技能すべてをチェックできるようになりました。
対するTOEFLやIELTSはアメリカやイギリスへの留学に向けたスコアを提供するテストで、出題内容も大学での生活(講義やディスカッション、学生生活など)を想定しているようです。
私に関して言えば、曲がりなりにも博士課程まで進んだわけですから、もしかしてもしかすると留学するかもしれません。なので今回は、TOEFLかIELTSを受けることにしました。なおかつ、研究分野的にはアメリカに行く可能性がちょっと高いかなということで、TOEFLを選びました。
円安が直撃!受験料はまさかの4万円
TOEFLは公式サイトから申し込むのですが、サイトが全部英語で、すでにちょっとビビります。受験料は245ドルで、なんと日本円で40,047円。円安のせいで、かなり厳しかったです。
TOEFLには、試験形式に慣れるための公式コンテンツがたくさんあります。でも今回は、あえて何も調べずに行くことにしました。
というのは、日本語のテストなら、試験形式を知らなくても一定の点数が取れるじゃないですか。それと同じで、全く知らなくてもどれだけの点が取れるのかを知りたかったためです。ガチガチに対策してから行くと、本当の英語力が見えにくいかなと思いました。
TOEFLのスコアは、四技能それぞれが30点満点で、トータル120点満点です。このうち90点以上あれば大体いろんな大学への留学が許可されるようで、ハイレベルな大学だとほぼ満点に近いスコアが求められることもあるようです。
これについては、公式サイトに一覧がありますので、留学を具体的に計画している方はチェックすると良いでしょう。
ちなみに、TOEFLの試験の流れは公式動画で紹介されています。この動画がちょっとユーモラスで、試験の流れを紹介した後に「残りの1日を楽しんでくださいね」とか言ってくれるのが、なんか欧米っぽくて感動しました。
身分証明としては、パスポートが推奨されています。他の身分証明書も使えますが、パスポートを持ってくるようにしつこく促されるので、基本はパスポートが必要だと思ったほうが良さそうです。
試験当日、受験までの流れは?
今回のTOEFLテストは京都の烏丸にある会場で受けました。受験生の多くが大学生くらいで、みんな留学を控えている人が多いのか、結構ピリピリした雰囲気でした。
会場に着いたら、まずはロッカーに全ての私物をしまいます。その上で、順番待ちをして、写真撮影や音声テストを行います。音声テストは、配られた英語のスクリプトを読まされる形で実施されます。普段から英語を話すことに慣れていないと、ちょっと緊張するかもしれません。
金属探知機でボディーチェックを受けた後、各々の部屋に入っていきます。烏丸の会場は個別指導塾のような雰囲気でした。テストは同時にスタートするわけではなく、各々準備が整ったら始めて、各々のタイミングで終わる形式です。
机の上にはメモ用紙と鉛筆が置いてあり、機器としてはモニターとヘッドセット、イヤーマフがありました。スピーキングのテストがあるため、周りで話している人がいても集中できるようにイヤーマフが耳栓代わりに置かれています。
ヘッドセットを装着したら、音量やマイクの設定を行います。全てのアナウンスや指示は英語で表示されるので、英語に慣れていることが前提という感じで、最初はちょっとひるむかもしれません。
リーディング:アカデミックライティングを意識した設問。単語が難しい
最初に始まったのはリーディングのセクションでした。
繰り返しになりますが、TOEFLはアメリカの大学への留学を目指す人たちが受ける試験です。そのため、リーディングを含む全てのセクションは大学での生活や授業を想定しています。
私が受けた試験では、自然科学系の長文と人文系の長文が出題されました。最初に当たったのが自然科学系の長文だったんですが、専門的な英単語が多くて、正直きつかったですね。
例えば、菌類がどうとか干潟に住む昆虫がどうとか、そこに存在する捕食者がどうとか、知らん単語で知らん話が延々と続くわけですよ。時間も刻一刻と迫ってくるので、かなり焦りました。
問題に関しても、単に文章を読むだけじゃなく、その一文がどういう目的で書かれているかが問われます。例えば「この主張の一例を示すため」とか「前文をより詳細に説明するため」というような感じです。
全体としてアカデミックライティングを意識した質問が多く、論理的な文章やレポート、論文を書く時に必要な、きちんとした構造の文章を書くための知識が問われると感じました。ただ英語を理解しているかどうかだけでなく、大学レベルでの学術的な議論や文章にどれだけ対応できるかが評価されているみたいです。
リスニング:ヘッドホンと耳栓を間違える
リスニング試験では大事件が発生しました。というのも、試験で使うヘッドフォンと耳栓代わりのイヤーマフって、おんなじような形をしているんですよ。
(大学の先輩にこれを話した瞬間、「うわ、もうオチ分かったわ。もうおもろい」と言われました。)
はい。というわけで、ヘッドセットのつもりでイヤーマフをしていました。勘が悪いので、画面上のプログレスバーを見ながら「これ、休憩時間かな?けっこう長くてありがてえな」とか思っていたんですよ。
ところが、実際にはとっくにリスニングの問題が始まっていたんですね。気づいたときにはもう1問目が6〜7割終わっていて、カンで答えを選ぶしかありませんでした。
リスニングの問題は、大学の講義を聞いたり、大学の教務課でのやり取りを聞いたりして答えるというものでした。これもまた、自然科学系や考古学系の話題が出てくるので、専門的な単語力もかなり問われました。人類の大陸移動がどうとか、そんな感じの話だった気がします。
メモなんかまったくとる余裕はなくて、終わった時点でメモ用紙には「アフリカ」とだけ書かれていました。何のヒントになるんだよ。
スピーキング:日本語でも難しいタスク。しゃべりの技術が必要
この時点でかなり疲れていましたが、休憩もなしにスピーキング試験が始まります。
スピーキングは、授業や学生同士の会話を一定時間聞いた後に、「あなたはどう思いますか?」みたいな内容でした。
スピーキングに関しては、文法の正確さよりも流暢さが問われると聞いていました。言葉がすぐに出てこなくても、ただ黙るのではなく「well」とかなんとか言って、「ちょっと考えてるんだよね」みたいな態度を見せるのが重要なんだとか。やってはみましたが、かなりボロボロでした。
でも、考えてみれば、レクチャーを聞いて1分以内に意見をまとめるって、日本語でも慣れてないと結構難しいですよね。それを英語でやるわけですから、さらに難しいわけです。これは相当な訓練が必要だなと思いました。
実感としては「こんなん3点くらいが関の山やろ」という感じで、あまり期待せずに終えました。ひどかったですね。
ライティング:Windowsのキーボードに苦しめられる
スピーキングが終わると、最後にライティング試験が始まります。ライティングもスピーキングと同じく、日頃から勉強していないと、本当に単語が出てきません。
「support」みたいな基本的な単語さえパッと出てこないありさまでした。とにかく何か書かなければ採点してもらえないので、必死になって書きましたが、レベルはかなり低かったはずです。
英語と関係ないところで苦労したのが、試験会場がWindowsを使っていたことです。私は普段Macを使っているので、キーボードの配列が違って、アポストロフィの打ち方が最後まで分かりませんでした。こんなところでつまずくとは思ってもみなかったので、悔しかったですね。減点対象になっているかどうかはわからないですが、こういうことも試験に影響するので注意しましょう。
試験終了後、スコアを記録するかどうか決める
一連のテストが終わると、リーディングとリスニングのスコアが表示されます。ただ、このスコアは後で調整が入る可能性があるようで、公式スコアではなく、目安として提示されるようです。
私の場合、リーディングは17点、リスニングは20点と表示されていました。リスニングは途中まで聞けていなかったにも関わらず、そこそこの点数が出ていて少しホッとしました。
点数を確認すると、最後に「今回のスコアを公式に記録しますか?」と聞かれます。これがTOEFLの面白いところで、もし試験がマジでダメだった場合は、スコアを残さない選択もできます。
私は普段、Web広告に速攻「キャンセル」を押すクセがあるので、こういう画面を見るとすぐさま「キャンセル」を押したくなっちゃうんですが、4万円がパーになるので、かなり緊張しながら画面を操作しました。
全てのテストが終わったら、あとは帰るだけです。長丁場の試験でしたが、必死だったので、体感としてはあっという間でした。
気になるスコアは?
試験から4〜5日経って、「スコアレポートが閲覧可能になりました」メールが届きました。結果はこちらです。
スピーキングとか3点くらいだと思っていたので、予想よりはマシでした。
結果として、リスニングがちょっと得意で、リーディングも(Deeplを駆使しているとはいえ)論文を読んでいるのでまあまあな感じ。他はダメという、自覚スキルと連動したスコアでした。意外性はなかったですね。
合計で70点というわけで、アメリカの大学に留学できる水準にはまだ届いていません。でも、「合計15点とかやったら、もう英語は諦めるべきやろ」と思っていたので、まだ努力しがいはありそうです。
フィリピンへの留学を通じて、できるだけスコアを伸ばすことができたら嬉しいですね。帰国後の成績もきちんと公開する予定ですので、乞うご期待です。
とっても嬉しいです。サン宝石で豪遊します。