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【フリーランスTips】14日間の海外旅行中、フリーの仕事はどうしてた?

たった3日しか経っていないのに、すでに出張が遠い昔のように思えます。夏野です。

(出張中のようすはこのマガジンでまとめています)

帰国初日は疲れていたのもあり、お昼寝も合わせて16時間も眠りました。するとどうなるかというと、時差ボケが1日で治るんですね。

※パリ⇄日本の時差は8時間(日本のほうが8時間遅い)。それに対し、プラス8時間寝ることで強制的に時計を進め、帳尻を合わせるライフハックというわけです。

そんなわけで元気一杯に年末の追い込み仕事をやっておりますが、今日は気分転換として、滞在中の仕事の進め方についてまとめたいと思います。

私は常にめちゃめちゃ寝ています

滞在中、仕事はするべき?休むべき?

まず前提ですが、海外旅行中に仕事をしたいかどうかは人それぞれです。「毛穴という毛穴からバカンスの空気を吸い込んでるときに仕事なんてありえねーよ!」って人もいるでしょうし、「貯金が目減りしていくのがむしろストレス」という人もいるでしょう。

ちなみに私はガッツリ後者。旅行記でも折に触れて紹介してきたとおり、ヨーロッパは物価が高く、ガイドブックに載っているような行動をとるとあっという間にお金が吹き飛んでいきます。

「パリで一番安いのでは?」と言われているビストロですら、これ+テリーヌで約3400円でした。他のビストロならゆうに5000円は超えていたはず。

私は写真が趣味なので、70円くらいの安いパンを食ってほっつき歩いているだけでもまあ満足ですけど、たまには美術館で爆買いしたり、シャンパンを楽しんだり……とかすると、勢いよく数万円が吹っ飛んでいきました。

となると、旅行中にある程度仕事をして、「今日の仕事で、お土産代くらいは稼げたな」という精神状態にしておくほうが気持ち的にラクです。なので、私はそれなりに(重要)仕事も続けつつ、旅行を楽しむことにしました。

たまには贅沢もしました。このカフェはサルトル行きつけの店。カフェオレ含めて70€(約1万円)でした。

出張前にしておきたい、各種のコミュニケーション

そうはいっても、すべての仕事が受けられるわけではありません。極端な例を挙げると、「新宿で取材」とかはどうしても不可能ですよね。

だからこそ、出張が決まったらなるべく早くクライアント様にご連絡して、以下の点をお伝えしておくことが大切です。

  • 出張の期間

  • 出張先

    • 時差やフライト中の音信不通があるため、ざっくりと伝えておくと◎

  • 出張中に受けられる仕事/受けられない仕事

  • 受注をストップする日付の目安

①出張の期間を伝える

まず、①出張の期間を伝えるのは当然ですが、私はこれに加えて、Slackの名前を「夏野(11月15日_29日海外)」のように変更していました。

ここの「表示名」を変更します。「〜」などの記号は使えないので、アンダーバーを使いましょう

いちフリーランスの予定なんて、各クライアント様は覚えていられません。常に見える位置に分かりやすく記載しておくことで、「この期間って日本にいるんだっけ?」と何度もお問い合わせいただく負担を減らせます。

何回も連絡しなきゃいけないフリーランス
=めんどくさいフリーランス
=仕事を頼みづらいフリーランス

です。どうすれば先方の負担を減らせるか、可能な範囲で工夫しましょう。

②出張先を伝える

次に②出張先を伝える ですが、ドイツの場合、日本からなんと14時間半もみっちりフライトなので、とくに帰国時は(時差の問題もあり)まるまる24時間音信不通になるんですね。

夏野の仕事はそこまでリアルタイム性が求められないため、問題ないと言えばないのですが、「遠いんだな/近いんだな」くらいはお伝えしておいた方が、クライアント様とのコミュニケーションがクリアになります。雑談のネタにもなりますしね。

現在ヨーロッパ圏は、ウクライナ危機の影響でロシア上空を通れず、北極 or ユーラシア大陸ルートを迂回するため、フライト時間が+2時間かかります。けっこうつらかった……。

③出張中に受けられる仕事/受けられない仕事を選別する

③の、仕事の選別はとても大切です。「いつもお世話になっているクライアント様だから、1本くらい……」と安請け合いをしてしまうと、予期せぬトラブル等で結果的にご迷惑をおかけするかもしれないからです。

夏野の場合、すきまの時間で進められる取材日調整やこまごまとしたメール連絡、そのほか細かい作業は出張中も続けていました。

一方で、オンライン取材や会議、まとまった時間をとって取り組みたい原稿制作については、「大変申し訳ないのですが、現地のインターネット環境が読めないため……」という形でお断りをしていました。

これについては人それぞれに線引きがあるでしょうので、自分なりにお考えいただくのがよいかと思います。

④受注をストップする日付の目安を伝える

最後に④の受注をストップする日付の目安も地味に大切です。

たとえば今回の出張は11月15日〜でしたが、前日である14日まで仕事を受けるのか、10日くらいでストップして、残りの4日をバッファに充てるのか、みたいなことを考えるわけです。

私の場合、クライアント様が気遣ってくださったのもあり、「この日まで!」とパツンと期限を切るのではなく、ぬるっと仕事を減らしていくことができました。

ただ、中には明確に日付を指定したほうがコミュニケーションが取りやすい場合もあるでしょうので、これもご自身に合ったやり方を考えるとよいでしょう。

(おまけ)Gmailの「不在通知」をONにする

なお、不在期間が長期にわたる場合はGmailの「不在通知」をONにしておくのもおすすめです。

とくに年末のこの時期は、予算消化の関係から、新規のお問い合わせが増える傾向があります。

こうしたお問い合わせは即レスが基本ですが、旅行中はどうしても時間が空いてしまうもの。「出張中で、すぐのお返事が難しいが、2日以内には返信する」といったメッセージを設定しておくのが良いでしょう。

実際に設定していた画面

気にしておきたい「時差」の問題

それから、気にしておきたいのが「時差」です。

ドイツやフランスと日本には8時間もの時差があります。18時くらいにホテルに帰って、ふう〜、Slack返しとくか。ってな感じで送信すると、日本では夜中の2時です。

幸いなことに私のクライアント様は「Slackは受け取るほうがコントロールする。送る方は気を使わない」みたいなルールで運用されていることが多く、日本にいるときですら平気で夜中に連絡していましたが、場合によっては非常識と捉えられるかもしれません。

その場合は「予約送信」機能を使うなど、何らかの配慮をしたいものです。

Slackにも「予約送信」機能はあります

滞在中の仕事におすすめな「すきま時間」

ここからは、滞在中に仕事を進めるのにおすすめな「すきま時間」をご紹介します。

①フライトの待ち時間

まずは王道、フライトの待ち時間です。

国際線の場合、さまざまなトラブルを考慮して3時間前に空港に到着しておくことが望ましいと言われます。

実際に今回の出張でも、航空会社側のトラブルで広い空港をバタバタ走った出来事がありました(後日、旅行記でまとめます)。

それでなくとも空港は広いですから、単に迷ってしまうかもしれません。予期せぬトラブルで高額なフライト費用を無駄にしないためにも、時間に余裕を持たせるに越したことはないでしょう。

ちなみに、今回訪れた羽田空港、シャルル・ド・ゴール空港(パリ)にはいずれも電源席がありました。

とくにシャルル・ド・ゴール空港は、下手なコワーキングスペースより充実した設備で、空き時間が2〜3時間あっても余裕で過ごせそうな環境で嬉しかったです。

シャルル・ド・ゴール空港の搭乗ゲート前。どの座席にも電源(USB-Aと、欧州仕様のコンセント)があります。
デスクがあるのもありがたい
イスまわりの電源はこんな感じでした

②フライト中(要・事前準備!)

お次はフライト中です。何と言っても14時間半、じっと座って過ごさなければなりません。これはもう、仕事をするしかありませんね。

そうはいっても、ご存知の通りフライト中はインターネットを使えません(※)。

※厳密には、有料でのインターネット接続サービスはあります。

が、速度はそこまで出ないうえに、フルフライトプランでも上限100MB。そのうえ、北極上空では接続できません。

値段も決して安くないので、よほどの仕事でない限りは、「ネット環境は無い」と割り切ったほうがよいかと思います。

詳細はANA公式をご覧ください:
https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/inflight/service/international/wifi/

というわけで、フライト中の時間に仕事を進める場合は、仕事の選別と、各種の事前準備が必要になります。

私の場合、フライト中は写真の選別と、研究会の資料づくりに取り組みました。

Lightroomはオフラインでも使えるので、日ごろ地味に時間を取られる写真の整理にもってこいです。

研究会の資料はGoogle Documentで作成しているため、オフラインで編集できるモードに設定。

ただし、このドキュメントには共同で編集している方がおり、編集がかぶると迷惑をかけてしまうので、コピーしたファイルにオフラインで書き加え、フライト後に差分を手動マージすることにしました。

もしかしたら自動でマージできる方法もあるのかもしれないけれど、ドキュメント上で議論しつつ資料をつくるという特殊なことをやっているので、私にとってはこちらのほうがベターでした。

今回はこの2つ+映画を2本+ドラマを2本見ていたら終わりましたが、もし取材原稿があればそれを書いていたでしょうし、イベントレポートの仕事があれば、イベント動画を視聴する時間に充てていたかもしれません。

ネット環境がなくてもできる仕事って意外とあるので、事前にしっかり準備をして、路銀を稼いでいきましょう。

③ホテルでの休憩時間

さあ、現地に到着しました。ここからはバカンスですから、仕事のことはすっかり忘れて目一杯遊びましょう!

と言いたいところですが、夏野は写真が趣味なこともあり、朝の6時から2万歩くらい歩くため、夕方には足が痛んでくるんですね。

加えて、スリに遭うまいと気を張っていることもあり、だいたい15時ごろには「少しホテルで休もうかな……」という気持ちになっていました。

この時間はもちろん休憩すればよいのですが、私の場合は、メールやSlack対応程度の軽い仕事を進めていました。理由は簡単、メールボックスがパンパンになってるのが嫌いだからです。

「休暇中なんだからメールボックスがパンパンでも気にしないぜ!」というタイプの方はぜひゆっくり休んでいただければと思いますが、私のように「通知の右上の『⑤』が気になって、気持ちよく休めねえ」タイプの人は、ひと思いに返信したほうがいいと思います。

④鉄道での移動時間

ヨーロッパは大陸続きなので、鉄道を利用すればけっこうな範囲を観光できます。

今回であれば、

  • フランクフルト→ドルトムント

  • ドルトムント→ブリュッセル

  • ブリュッセル→ルクセンブルク

  • ブリュッセル→パリ

はいずれも鉄道旅で移動しました。

THALYS(タリス)の2等車

ただ、ヨーロッパの鉄道は日本の新幹線のように常にハイスピードなわけではなく、都市間が詰まっている路線ではけっこうのんびり走ります。それを含めると、だいたい2〜3時間の鉄道旅になることが多いです。

この間はもちろん景色を楽しんでもよいですが、暇を持て余すようなら仕事に充てるのもおすすめ。とくにTHALYSは電源もWi-Fiもあり(※)、作業をするのにぴったりの環境でした。

※Wi-Fiについては、セキュリティの問題があるため、私はスマホのテザリングで仕事をしていました。

ただし、ブリュッセル→ルクセンブルク間の鉄道はWi-Fiがない上に、ところどころスマホが圏外になりました。あと、パリは中心地でもちょっと電波が悪かったり……。

IC(都市間特急)の座席。ブリュッセル⇄ルクセンブルク間は電波がビミョ〜でした

海外ではいつなんどきオフライン環境に置かれるか分からないので、オフラインでできる作業をいくつか蓄えておくのが上手な仕事のコツだと感じました。

⑤(意外な気付き)時差ボケを利用するのもアリ

と、ここまでは大体予想できる「すきま時間」でしたが、海外に行ってみて初めて知ったすきま時間もあります。それこそが、到着直後〜3日目くらいまでの時差ボケです。

この記事でも書いたとおり、到着後数日間は朝の3時に目が覚めていました。どれだけ体が疲れていても日本時間の11時には目が覚めるなんて、「体内時計って意外としっかりしているな」と感動したものです。

しかし、ただでさえ緯度が高く、朝の8時まで薄暗いヨーロッパ。3時に起きても、やることないんですよ。

というわけで、到着直後はこの時間をもろもろの作業に充てていました。静かなのも相まって、かなり集中できました。

現地時間7:18でこの調子でした。しかもとても寒いので、「あえてこの時間帯の写真を撮りたい!」とかでなければ散策は8時半〜がおすすめ

(応用編)ホテルでの作業快適度を上げるおすすめグッズ

ちなみに、ホテルで機嫌よく作業をするためにおすすめのグッズがあります。それこそが……

100均に売っている食器ラック!

なぜか?こういうセッティングができるからです。

過去の企画で撮った写真。今はもう少しパワーアップしてます

画面が下のほうにあると、どうしても首や背中を曲げることになり、体が痛くなりがちです。

100均ラックを利用して視線の高さを上げると、それだけでもずいぶん疲労度が変わります。キーボードやマウスを組み合わせれば、まるでデスクトップで仕事をしているかのような環境になります。

飛行機のように揺れる場所では難しいですが、ホテルで作業をするならばぜひこのセッティングをおすすめしたいところ。

ただしスーツーケースへの入れ方をミスると、隣にビニール系の袋を入れていた場合、穴が開くことがあります。洗濯ネットに入れるなど、パッキング時に工夫しましょう!

私は衣類圧縮袋に穴が空いてしまい、ふわふわのパジャマが袋からはちきれていました。

(まとめ)ワーケーションなら長めの旅行もしやすくなる

というわけで今回は、休暇中の仕事の進め方についてまとめました。

最後に付け加えると、あくまでも「私の場合は」ですが、完全バケーション状態(音信不通)よりもワーケーションのほうが長めに旅行しやすいと感じました。

完全音信不通の期間が長くなると、クライアント様との気持ちはどうしても離れやすくなります。腹を立てられるというよりは、「アテにできる度」が少しずつ下がっていって、居場所がなくなっていく、というのか。

「気難しかろうが、連絡がつかなかろうが、この人に頼むしかない……」という巨匠ならまだしも、夏野レベルではなかなかそういう働き方はしづらいんですよね。

その点、「メッセージ対応やちょっとした確認業務だけなら」とチャンネルを繋げておくと、長めの不在も悪印象になりづらいような感触。

たとえばですが、中1日ほどを業務日に充て、Zoomでの打ち合わせも可。みたいにしておけばより安心感が高まるかもしれません。

フリーランスは自由な働き方ではありますが、あんまりにも自由奔放に生きているとお客様との関係が作りづらいのも事実です。

どこで線引きをするかは個々の自由ですが、こういうやり方もアリですよ〜という一例の共有でした。来年も楽しく旅行できるように、引き続きキリキリ働きたいと思います。

旅行記のマガジンはこちら:


とっても嬉しいです。サン宝石で豪遊します。