ぼくたちのヒーロー
【チャンさん年中・スーちゃん2歳の頃】
とある日曜日、我が家の軒下にカナヘビが出現!
チャンさんは自分では触れもしないのに、捕まえて欲しいと父さんに懇願し、父さんがなんとか捕まえる。
エサがないとかわいそうだから次の日には逃がしてあげようねと約束し、1日だけ飼うことに。
次の日、逃がすために公園へ行くと、歩く度に草むらのバッタがピョンピョンと跳ね上がる。
偶然居合わせた裏のお兄ちゃんが、チャンさんの虫かごを見て「カナヘビってバッタ食べるよ。」と教えてくれる。
それを聞いたチャンさんは、一心不乱にバッタを捕まえ始める。
虫かごに入れてあげると、まさにお兄ちゃんの言葉通り、すぐにカナヘビがバッタをパクリッ!
その様子に嬉しくなったチャンさんは、『もうエサあげたから、カナヘビかえるよっておとうさんにいおうね。』と言って、バッタをたくさん捕まえる。
それから、カナヘビ(「ニンジャさん」と命名)のためにせっせと公園に通う日々が始まった。
…ところが、
木曜日、虫かごのお掃除をしているちょっとの隙にニンジャさんが脱走!!
外壁をスルスル登って逃げるニンジャさんを目で追いかけながら、半泣きのチャンさん。
爬虫類を触れる気さえ全くしない私が、「もう逃がしてあげよう。」と言うと、さらに涙目になって『いやだぁ!!』と大絶叫!!
仕方なく虫捕り網を片手に一緒に捕まえようとするも、とてもすばしっこいニンジャさん…。
物置の隙間に隠れたり、屋根の方へ登ったり、スルスルスルスル動き回る。
どうにか網で引き寄せようとするも、バタバタとこっちに落ちてきそうになる度に、ビビッてショボショボの逃げ腰で逃げ惑うチャンさんと私、時々スーちゃん。
悲鳴交じりの攻防を繰り返すこと十数分…
やっとの思いで、私が壁に張り付くニンジャさんを虫捕り網で上から囲いこむことに成功。
しかし、チャンさんも、私も、スーちゃんも、触ることができないわけで…。
顔面にでも落っこちてきたらどうしようという恐怖心で、高いところから手元に引き寄せる勇気もなく、ジリジリとした膠着状態に。
どうすることもできず困り果てた私たちはついに奥の手、お向かいのおばあちゃん(Kさん)に助けを求めることに!
大急ぎでチャイムを鳴らしながら『トカゲがにげたー!!』と大声で叫ぶチャンさん。
「え?!どうしたぁ?」と言いながら、Kさんが駆けつけてくれる。
Kさんはまるで役に立たない私とサッと交代すると、ためらうことなくグイグイと網を引き寄せ、素手でバッとつかんで、ニンジャさんを見事確保!!
『ありがとう!!』とチャンさんが言うと、「困ったときは助け合わなくっちゃね。」と優しく笑い、火をつけっぱなしだから…と背を向け、手を振りながら去っていくKさん。
その神々しい後ろ姿は、まさにヒーロー!
『Kさん、つえぇぇ!!』
『どうして、あんなにつよいんだぁ?!』
チャンさんとスーちゃんは、目をキラキラさせて興奮しきり。
ご近所にこんな心強い味方がいてくださって、本当に幸せだ。
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